アルバム情報

  • 発売年:1973年
  • 収録アルバム:The Tin Man Was A Dreamer(夢見る人)
  • アルバム最高位:不明
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数々のアーティストのレコーディングに参加

1960年代~1970年代にかけて、ザ・フー、キンクス、ジェフ・ベック、ローリングストーンズなどのアーティストとのレコーディングに参加した凄腕のセッションピアニスト、ニッキー・ホプキンス。

このアルバムはニッキー・ホプキンスの歌声を聴くことのできる貴重なアルバム。

卓越したピアノプレイだけではなく、あまり表面に出ることのなかったソングライティングの才能も表面化した隠れた名盤だと思います。

その中でも私が特に好きなのは、流れるようなピアノの旋律が美しいバラード "Lawyer's Lament(弁護士の嘆き)" 。

The Tin Man Was A Dreamer (夢見る人) / Nicky Hopkins (ニッキー・ホプキンス)
created by Rinker

  1. Sundown In Mexico
  2. Waiting For The Band
  3. Edward
  4. Dolly
  5. Speed On
  6. The Dreamer
  7. Banana Anna
  8. Lawyer's Lament
  9. Shout It Out
  10. Pig's Boogie

【Lawyer's Lament 27:25~31:06】

廉価版シリーズ「SUPER NICE PRICE 1600」

1970年代、1980年代の洋楽にハマりまくっていた若いころはまだ東京に住んでいて、大きなCDショップがそれほど遠くない距離にたくさんあったので、たまに洋楽CDを漁りに行ってました。

私の場合は、名前を聴いたことのないようなアーティストのアルバムでも、CD販売会社の書いた帯のコメントや説明文を見て「帯買い」することが多かったです。

アーティストや曲を全然知らないけどジャケットの雰囲気だけで買っちゃう「ジャケ買い」ほどギャンプル性は強くない買い方だと思います(笑)。 

洋楽は輸入盤だと基本的に1700円前後くらいで買えましたし、国内盤でも昔のアルバムだとリマスターされた廉価版もあって、歌詞とか訳もついててかなりお得。

当時、ソニーレコードで出していた廉価版のシリーズ『SUPER NICE PRICE 1600(スーパーナイスプライス)』。

1600円で日本語訳や詳細なライナーノーツまでついてるし、そもそも名盤じゃないと20年以上たってから再販されることなんてないだろうなと思ったから、このシリーズをよく買ってました。

ニッキー・ホプキンスの「夢見る人」もそのシリーズで知ったアルバムの一つ。

もともと、レオン・ラッセル、ビリー・ジョエル、エルトン・ジョン、ギルバート・オサリバン、ベン・フォールズなど、ピアノがメインの曲が好きだった私。

ピアノの音色が美しく、それぞれのアーティストの代名詞ともいえるバラード。

  • レオン・ラッセル / "A Song for You(ソング・フォー・ユー)"
  • ビリー・ジョエル / "Just the Way You Are(素顔のままで)"
  • エルトン・ジョン / "Your Song"(僕の歌は君の歌)
  • ギルバート・オサリバン / "Alone Again"(アローン・アゲイン)
  • ベン・フォールズ / "Landed"(ランデッド)

「夢見る人」に収録されている "Lawyer's Lament(弁護士の嘆き)" も、ニッキー・ホプキンスを代表するバラードと言ってもいいんじゃないかなと思います。

ちなみにベン・フォールズのバラードは"Brick(ブリック)"や、"The Ascent of Stan(ジ・アセント・オブ・スタン)" もおすすめです。

儚げで繊細な歌声

歌の内容は、恋人なのか好きな人なのかはわかりませんが、その人の悩みに乗ってあげている自分を弁護士に見立てた歌詞。

曲の中で最終的にその女性の悩みは解消されて自分は不必要な存在になってしまう。

でも、「笑顔を弁護の報酬として既に受け取っているから気にしなくていいんだよ…。」

みたいに強がっている男の切なさを表現した歌詞だと思います。

このアルバムは、ピアノのメロディの中にどこかアメリカ南部のブルース的なものを取り入れた曲が多いように感じます。

そんなアルバムの中に収録されている "Lawyer's Lament" は叙情的に奏でられたピアノがひたすら美しいバラード。

ニッキー・ホプキンスのピアノもそうですが、バックに流れるオーケストレーションが曲の世界観をさらに深みのあるものに感じられるところも、この曲の好きなところです。

ニッキー・ホプキンスはもともとセッションピアニストなので、歌自体はピアノマンとしてメジャーなアーティスト『レオン・ラッセル』『ビリー・ジョエル』『エルトン・ジョン』などと比べて特に上手いというわけではないような気がします。

しかし、決して下手というわけではなく、良い言い方をすれば『儚い』『繊細』な雰囲気で味があるんですよね。

ローリングストーンズの "She Is A Rainbow" のピアノも

世界的なレジェンドであるバンド、ローリング・ストーンズの "She Is A Rainbow(シー・イズ・ア・レインボー)" のレコーディングでもピアノも弾いているニッキー・ホプキンス。

"She Is A Rainbow" はローリング・ストーンズの1967年に発売されたアルバム『サタニック・マジェスティーズ』に収録されている曲です。

この曲はピアノが存在感を発揮しまくっていて、美しくもサイケな感覚に陥る名曲。

日本では1990年代にiMacのCMで使われていたので聴いたことがある方も多いかもしれませんね。

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