①UKが生んだシンガーピアノマン

アメリカが生んだシンガーピアノマンの代表格がビリー・ジョエルならUKが生んだシンガーピアノマンの代表格はエルトン・ジョン。

70年代80年代の洋楽ファンにアンケートをとったらたぶん同じような評価になるはず。

まあエルトン・ジョン初期の代表曲「Tiny Dancer」「Crocodile Rock」「Goodbye Yellow Brick Road」「Don't Let the Sun Go Down on Me」あたりはすべてUKよりアメリカでの順位が上だから、人気はアメリカでの方が高かったのかもしれないけど…。

 

 

今回の和訳ブログに取り上げた曲はエルトン・ジョンの自伝的映画のタイトルにもなっている1972年のバラード「Rocket Man(ロケットマン)」。

日本でのエルトン・ジョンの代表曲と言えば「YOUR SONG(僕の歌は君の歌)」「Goodbye Yellow Brick Road(グッバイイエローブリックロード)」なんだろうけど「YOUR SONG」のシングルランキング最高位は全英7位、全米8位。

対する「Rocket Man」は全英2位、全米6位を記録しているので順位だけの比較では意外にも「ロケットマン」の方が上だったんですね💧

 

Youtube【Elton John - Rocket Man (Official Music Video)】

 

Elton John(エルトン・ジョン) - Honky Château
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②歌詞と和訳

Songwriter(s) - Elton John, Bernie Taupin

She packed my bags last night pre-flight
Zero hour nine AM
And I’m gonna be high as a kite by then
I miss the earth so much, I miss my wife
It’s lonely out in space
On such a timeless flight
And I think it’s gonna be a long, long time
'Till touch down brings me round again to find
I’m not the man they think I am at home
Oh no no no, I’m a rocket man
Rocket man burning out his fuse up here alone
Mars ain’t the kind of place to raise your kids
In fact it’s cold as hell
And there’s no one there to raise them if you did
And all this science ,I don’t understand
It’s just my job five days a week
A rocket man, a rocket man
And I think it’s gonna be a long long time
'Till touch down brings me round again to find
I’m not the man they think I am at home
Oh no no no, I’m a rocket man
Rocket man burning out his fuse up here alone
And I think it’s gonna be a long long time(×8)
彼女は昨夜、僕の荷物をまとめてくれた
出発は午前9時
その頃には僕はもう凧のように飛んでいるだろう
すごく地球が恋しい、妻にも会いたい
この無限の旅路の中で
宇宙はあまりにも孤独なんだ
きっと戻るまでには
長い長い時間がかかるだろう
地上に降り立ってまた気づくんだ
家でみんなが思っている僕とは違うんだって
そう、僕はロケットマン
一人ぼっちで燃え尽きそうなロケットマンさ
火星なんて子育てには向いてない
あまりに寒いし
誰も手を差し伸べてくれやしないのさ
科学なんて僕にはよく分からないけど
それでもこれが週5の僕の仕事なんだ
そう僕はロケットマン
ロケットマンなのさ
きっと戻るまでには
長い長い時間がかかるだろう
地上に降り立ってまた気づくんだ
家でみんなが思っている僕とは違うんだって
そう、僕はロケットマン
一人ぼっちで燃え尽きそうなロケットマンさ
戻れるまでには長い長い時間がかかるだろう…

 

 

③伝説のチャリティーライブ「LIVE AID」

若いころにAmazonでいろいろなアーティストのDVDを検索しまくって注文するくらい洋楽のDVDにハマっていた時がありました。

その時に手に入れたのが、飢餓に苦しむアフリカを救うために世界中のアーティストが立ち上がったあの伝説のチャリティーライブ、「LIVE AID(ライヴエイド)」のDVD。

 

マイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーによって作詞作曲された「We Are The World」が生まれるきっかけになったライブと言えば、ライヴエイドを知らない人にもその凄さが伝わるのかも。

そのライヴエイドに参加していた名だたるアーティストの一人、エルトン・ジョンが披露していたいくつかの曲の中に「ロケットマン」があったわけだけど、実はこの曲は私にとってはライヴエイドのDVDを見るまでは聞いたことのない曲。

DVDケース裏に書いてある参加アーティスト&曲目リストを見た時は

「 ユアソングとかクロコダイルロックみたいな曲は演ってないのかあ…。」

少しガッカリしながらロケットマンを聴いたら…

今ではブログで訳すほど好きな曲になっちゃったわけです😂

 

 

④宇宙飛行士を主人公にした名曲には…

「ロケットマン」と同じく宇宙飛行士を主人公にした名曲には1969年のデヴィッド・ボウイの全英No.1ソング「Space Oddity(スペース・オディティ)」がありますよね。

地球を眺めながら宇宙を漂っているかのようなメロディは2曲とも通ずる部分がある・・・けど、主人公が置かれた状況というかストーリーは全然違う。

宇宙に旅立ち、英雄となったトム少佐の視点で歌われているのが「スペースオディティ」。

職場という宇宙に行く自分を宇宙飛行士に例えているのが「ロケットマン」。

まあスペース・オディティの主人公トム少佐は、11年後にリリースされてこれまた全英No.1を記録した「Ashes to Ashes(アシェズ・トゥ・アシェズ)」で宇宙飛行士でもなんでもなくてただの麻薬中毒(ジャンキー)だったという衝撃的なオチがついてるわけですけど(笑)。

 

 

ちなみにネットの和英辞典で検索しても普通名詞としてはまともにヒットしないので、Rocket Manはエルトン・ジョンが作った造語のようなものなのかな?

歌詞の日本語訳を知った瞬間、一気に好きが加速する曲が時々あるけどこの曲はまさにそのパターン。

【宇宙飛行士】は主人公。【宇宙】は職場。【地球】は帰るべき家庭や自分の部屋。そんな感じで例えた歌詞がまた秀逸なんですよね…。

仕事に行くことを「飛び立つ」と表現したり、家や妻が恋しいことを「地球が恋しい」と表現したり、「火星は寒すぎて子育てに向いてる場所じゃない」なんて歌ってみたり。

宇宙&洋楽バラードが好きな私にはハマる要素しかないでしょ…。

 

 

⑤ピアノとギターのメロディに乗せて…

曲調としては圧倒的な演奏だとか、サビで感情を爆発させるとか、そういう系ではないかなあ。

ピアノとギターのメロディに乗せて静かに歌われる導入部分は飛び立つ前の緊張感を感じさせるちょっとシリアスな曲調で、そこからは安定飛行に入って宇宙を漂っているかのように少し優雅ともとれる曲調に展開していく。

メロディはともすればゆったりしていて優雅にも感じられる反面、歌詞からは(仕事が終わるまでは)もうしばらく地球には戻れない悲しさもにじみ出てる。

曲のラストでは「ロケットマンは一人で寂しく燃え尽きるんだ」なんて歌詞もあるけど、宇宙(=職場)に出て寂しく燃え尽きるだなんて切なすぎる😭

毎日仕事で心が疲れ切っている方はぜひ歌詞を見ながらどっぷり浸ってみてほしいですね…。