①北欧のマライア・キャリーとも呼ばれた…
デビュー当初、北欧のマライア・キャリーとも呼ばれたトリーネ・レイン。
「Just Missed the Train」は、母国ノルウェーで5週連続でNo.1になった1993年リリースのデビュー・アルバム 『Finders Keepers』 に収録されている曲です。
時を経て、2009年に発売された2枚組コンピレーションアルバム『Now 90’s Best』のディスク2にも収録されていたので、90年代ごろの洋楽ファンの間ではかなり有名な曲なんじゃないかな?
そのトリーネ・レインのデビュー・アルバムは全世界で60万枚売れたって話だけど、そのうちの40万枚を日本で売ったっていう情報もあって……意外と、他の国よりも日本でヒットした “ビッグ・イン・ジャパン” なアーティストだったんですね。
そういえば、このアルバムが出たころ、「Finders Keepers」のテレビCM、流れてたよな……って、記憶が曖昧なんですけど。その CM があったかもしれないって思い出すたびに、あの CD バブル期の勢いってすごかったんだなと感じます。
スローテンポで浮遊感あるメロディと、穏やかな春の午後を感じさせるような、ちょっと気だるいボーカルの印象。サビでの伸びやかなファルセットを交えて歌うあのセクシーな美声には、今でもつい息を飲んでしまいます。
【Trine Rein - Just Missed The Train (Official Music Video)】
②歌詞と和訳
Songwriter(s) - Danielle Brisebois / Scott Cutler
Roll over babyThe time has comeTo make a little bit more roomI've hung around youIt's getting toughI think I'm gonna break down soon
Cuz I rememberCrying in the parkIt was getting darkSuddenly I looked upYou were my sky
So sleep darlinWhy don't you pretend we were just a dreamIt's cool babyIt doesn't matter anywayWell I'm so sorryWe got to the station a little too lateSuch a shameWe just missed the trainWe just missed the train
Be quiet angelDon't make a soundSave it for a rainy dayOh can't you see methrough the cloudsTrying hard to find my way
Do you remember drinking all that wineWe were feeling fineThough we couldn't walk a lineWe were all right
So sleep darlinWhy don't you pretend we were just a dreamIt's cool babyIt doesn't matter anywayWell I'm so sorryWe got to the station a little too lateSuch a shameWe just missed the trainWe just missed the train
Oh why'd that train just pass us byDidn't anyone see we were stuck at the lineAnd we would've made it on time
So sleep darlinWhy don't you pretend we were just a dreamIt's cool babyIt doesn't matter anywayWell I'm so sorryWe got to the station a little too lateSuch a shameWe just missed the trainWe just missed the train
③Songwriterはナタリー・インブルーリアの…
この曲、もともとはアメリカのソングライター、アン・プリーヴェンとスコット・カトラーというコンビが作った曲。実はこの2人、あのナタリー・インブルーリアの大ヒット曲「Torn」を書いた人たちでもあるんですね。
最初に歌ったのは元子役のダニエル・ブリスボワという人で、1992〜93年ごろにデモが作られて、1994年のアルバム『Arrive All Over You』に収録されました。
つまり、「Just Missed the Train」はブリスボワの曲が最初で、そのあとにノルウェーのトリーネ・レインがカバーして広まったんですね。
ブリスボワのバージョンはちょっとロック寄りなんですけど、トリーネの方はピアノを中心にした落ち着いたアレンジ。
トリーネ・レインの歌唱には、人生にはうまくいかないこともあるってわかっているかのような、あきらめにも似た穏やかさが滲んでいて、それがまた良いんですよ…。
同じ曲なのに雰囲気がまったく違っていて、ブリスボワが“強く前を向く人”の歌なら、トリーネは“立ち止まって空を見上げる人”の歌…みたいな。どちらもいいけど、私はトリーネの世界観が好きですね。
④日本でもCMで使われていたので…
日本でもこの曲はCMで使われていたので、90年代の洋楽ファンならずとも耳に残っている人は多いと思います。きっとこういう曲調って、日本人が好きなタイプのバラードなんじゃないかな。キャッチーで、覚えやすくて、じんわり胸に残る感じ。
その後、2003年にはケリー・クラークソンもデビューアルバム『Thankful』でこの曲をカバーしています。
力強さとそれに裏付けられた確かな歌唱力に定評のあるケリー・クラークソン。彼女が歌うと、同じ曲なのにまた違うエネルギーを感じます。
トリーネが“静かな余韻”なら、ケリーは“前に進む勇気”をくれるような歌い方。
こうして世代や国を越えて歌い継がれる名曲になったのは、やっぱりトリーネ・レインの存在が大きいんじゃないかな。