「In This Country」を歌っているのはチープ・トリックのボーカリスト、ロビン・ザンダー。
聴いた瞬間、自分の人生の回想シーンが始まってしまうくらいノスタルジー全開なイントロのリフが印象的な曲です。
ちなみにノスタルジーとは「過ぎ去った過去、故郷などを懐かしく思う気持ち」を意味するフランス語で、英語ではノスタルジアと言うらしい。
そして「In This Country」のメロディは私にとってノスタルジーそのもの。
胸が締め付けられるほど強烈に懐かしい気持ちに浸りながら、若かったあの頃に想いを馳せて現実逃避することができる思い出の一曲です!
↓Youtube【Robin Zander - In This Country】
「In This Country」でのロビンの歌い方は、チープ・トリック時代にバンド唯一の全米No.1に輝いた名バラード「The Flame(永遠の愛の炎)」とはちょっと違う。
アーシーなしゃがれ声で、かなり男臭い。
ロビンがチープ・トリックのボーカリストだってことを知らなければ、同じ曲を歌っているボーカルだとわからない人もいるかもしれません。
そういうこともあってか、ロビンのソロ1stアルバムより前に発売された曲ではあるものの1stアルバムには未収録。
アルバムに入れると浮いてしまうからかもしれないけど、ファンとしては入れてほしかったかも。
『七色の声を持つ男』と言われたロビンの本領が遺憾なく発揮された曲だし、なんといってもこんなにいい曲なんですから…。
歌詞は『この国では俺たちの心は開かれているんだ』と信じ、夢に向かって延びる果てしない道を自分の心のままに進もうとする男の旅立ちの気持ちを表現しています。
派手さはないけどスケール感があってじわじわと感動が胸に広がるタイプのメロディで、日本ではあまり知られてない曲だとは思うけど、ビールのCMとかで起用されるようなことがあれば確実に多くの人の心をつかむことができる曲だと思います。
↓Songwriter(s)【Giorgio Moroder , Tom Whitlock】
The miles go byLike water under the bridgeReach for tomorrowWith the new sunriseThe road before usLeading to what we needRight from the startFollow your heartsGiving more than we receive
受取ることよりももっと多くのものを与えるんだ
※'Cause in this countryOur hearts are openWe are free to try againWhen we seeWhat will beAgain we believe
俺たちはまた信じることができるだろう
A travel on an open roadTo the future todayA restless heartKnows when he's ready to goThe never-ending miles unfoldAs far as I can seeRight from the startFollow your heartNo matter where the path may lead
その道がどこへ繋がっていようとも
★'Cause in this countryOur hearts are openWe are free to fly againWhen we seeWhat will beAgain we believe
俺たちはまた信じることができるだろう
You know the road is to tomorrowWill you ride along with me again ?Give my life for yoursIf you only say the wordFrom the past to the newGiving more than you receive
受取ることよりももっと多くのものを与えるんだ
(繰り返し ※ → ★)
もともと「In This Country」は、1987年に公開されたシルヴェスター・スタローン主演の映画『オーバー・ザ・トップ』のサウンドトラックに収録された曲です。
さらに日本では1991年、1992年、ブームが絶頂だったころの『フジテレビ系F1グランプリ』のエンディングテーマにも起用された曲なので、たぶん映画よりもF1のイメージが強い人が多いんじゃないかなと思います。
当時のF1ブームの火付け役と言えば、日本のバラエティ番組でも活躍していたアイルトン・セナ。
セナが1994年のサンマリノグランプリで首位を走行中にコーナーの壁に衝突し、帰らぬ人となってしまったあの事故はF1にそれほど興味がなかった私にとってもかなりショッキングでした。
私がこの曲のCDを買ったのはシングルCDのサイズがまだ8cmで、ジャケットが細長かった時代。
今も手元にあるこのシングルを見ると、ノスタルジックなメロディとあの悲劇的な事故がリンクしてセンチメンタルな気持ちになってしまいます。