①カナダ出身のシンガーソングライター
Sarah McLachlan(サラ・マクラクラン)はカナダ出身のシンガーソングライター。
ゆったりとしたテンポで心地よい気分に浸れる楽曲と、空気をたくさん含んだようなソフトなボーカルが魅力です。
今までそれなりにたくさんの曲を聴いてきたけど、エンヤのように録音技術を駆使しているわけでもなくこれだけの癒しの空間を作り出せる歌手はなかなかいないかもしれません。
「Adia(エディア)」は1997年にリリースされた4枚目のアルバム、Surfacing(サーフィシング)に収録された曲で全米シングルチャートでは3位を記録。
物憂げな歌いだしから、優しく穏やかなサビへの流れに心が温まる感動のバラードです。
ちなみに、サラと同じカナダ出身のアヴリル・ラヴィーンもこの曲のファンらしく、ライブでカバーしている動画がYouTubeにアップされています。
↓Youtube【Sarah McLachlan - Adia (Official Video)】
②クラシックや声楽の発声を取り入れた歌声
「Adia」は、イントロなしで耳に飛び込んでくるサラの歌声にいきなり心をつかまれます。
吐息で歌っているような柔らかさと裏声になるかならないかの個性的な節回しで、空気をめいっぱい含ませた美しいビブラートも無性に落ち着きます。
幼い頃からクラシックや声楽の発声方法を学んできたサラだからこそのボーカルスタイル。
浮遊感のある透き通った声質も絶品で、こんなに素晴らしい声にはそう簡単に出会えるもんじゃありません。
大きなボリュームで聴けば聴くほどサラの歌声の美しさが際立って、心が安らいでいくような感覚になれると思いますよ。
③エンヤと比較されることも
癒し系の音楽ということでアイルランドの歌姫エンヤと比較されることもあるサラですが、音楽性は結構違います。
エンヤは、曲によってはボーカルを200回ほども多重録音したり、エコーを効かせたりなど録音技術を駆使して幻想的な雰囲気を創りあげているのが特徴。
一方、サラの場合はギターやピアノそのものの音色を活かしたアコースティックな楽曲が多いです。
全身の神経が修復されていくような癒し効果は共通なのでどちらが好きかは、環境音楽の雰囲気が好きか、アコースティックな雰囲気が好きかによるかもしれませんね。
私はどっちも同じくらい好きですけど(笑)。
④1999年のグラミー賞にノミネート
「Adia」は1999年の第41回グラミー賞では最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネートされています。
しかし、この年の受賞はセリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」で、惜しくも「Adia」でのサラ・マクラクランの受賞とはならず。
ちなみに、このカテゴリーにノミネートされたのは下記のアーティストでした。
- サラ・マクラクラン「Adia」
- セリーヌ・ディオン「My Heart Will Go On」
- ローリン・ヒル「Can't Take My Eyes Off You」
- ナタリー・インブルーリア「Torn」
- シェリル・クロウ「My Favorite Mistake」
2011年までは【最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞】【最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞】と性別で賞を分けていましたが、2012年からは【最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞】も合わせて、ひとつの賞としてまとめることに。
ということで、現在はこの3つの賞は統合されて【最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞】になっています。
⑤歌詞の和訳
サラはこの曲が収録されているアルバム、Surfacingを作るにあたり、
「悲しさだけが持つ美しさを表現したかった」
と後に語っています。
Adiaの切なげでどこか意味深な歌詞にもそんなサラの気持ちが込められているのかもしれません。
↓Songwriter(s)【Pierre Marchand, Sarah McLachlan】
Adia I do believe I failed youAdia I know I've let you downDon't you know I tried so hardTo love you in my wayIt's easy let it go
忘れるのは簡単だけど
Adia I'm empty since you left meTrying to find a way to carry onI search myself and everyoneTo see where we went wrong
一体どこで私たちが間違えてしまったのかを
'Cause there's no one left to fingerThere's no one here to blameThere's no one left to talk to, honeyAnd there ain't no one to buy our innocence
私たちの無垢な心を信じてくれる人もいないの
★'Cause we are born innocentBelieve me Adia, we are still innocentIt's easy, we all falterDoes it matter?
それって何か問題があるの?
Adia I thought that we could make itBut I know I can't change the way you feelI leave you with your miseryA friend who won't betray
決して裏切ることのない友達を
I pull you from your towerI take away your painAnd show you all the beauty you possessIf you'd only let yourself believe that
もしあなたが自分自身に信じるよう言い聞かせてくれるのなら
(繰り返し)★
(繰り返し)★
私たちは今も汚れてなんかいない
(繰り返し)★