①曲の概要
- 発売年:1977年
- 収録アルバム名:The Stranger(ストレンジャー)
- アルバム最高位:全米2位、全英24位、日本オリコンチャート3位
ビリー・ジョエルは1970年代から1990年代もの長い期間ヒット曲を連発しまくった、世界でも有数のトップミュージシャン。
ピアノマンであるビリー・ジョエルが名実ともにスターの地位を確立したのは、1977年に発表した名盤「Stranger(ストレンジャー)」。
全米で2位を記録したこのアルバムには「Stranger」「Just the Way You Are (素顔のままで)」「She's Always a Woman」「Movin' Out」などシングルとしてヒットした曲もたくさん収録されています。
そんな中にひっそりとおさめられている物悲しげなバラードが、アルバム5曲目の「ウィーン」。
派手さやドラマチックさは無いのでシングル向けの曲ではないかもしれないけど、これぞ隠れた名曲といった感じの素晴らしい曲です。
- ムーヴィン・アウト (Movin' Out)
- ストレンジャー (The Stranger)
- 素顔のままで (Just the Way You Are)
- イタリアン・レストランで (Scenes from an Italian Restaurant)
- ウィーン (Vienna)
- 若死にするのは善人だけ (Only the Good Die Young)
- シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン (She's Always a Woman)
- 最初が肝心 (Get It Right the First Time)
- エヴリバディ・ハズ・ア・ドリーム (Everybody Has a Dream)
↓Youtube【Billy Joel - Vienna (Audio)】
②名曲の陰に隠れた名曲
このアルバムは9曲しか収録されていないにもかかわらず名曲ぞろいとして有名なアルバムです。
特に2曲目の「Stranger」や3曲目の「素顔のままで」などはCMやラジオでもよく流れることがあるので、洋楽を聴かない方でも耳にしたことはあるんじゃないでしょうか?
ちなみに日本のオリコンランキングでも、週間アルバムチャートでアルバムは3位、総合シングルチャートでは「Stranger」が2位を記録しています。
洋楽のシングルが日本のチャートで2位ってすごいですよね。
だけど今回おすすめしたいのは5曲目に収録されている「ウィーン」。
実はこの曲を最初に聴いたとき、私はそれほどいい曲だと思うことなくスルーしていました…。
どうしても「Stranger」や「素顔のままで」とかが歴史に残るほど偉大な名曲ですからね。
そういった曲ばっかりリピートしてたような気がします。
それに当時は洋楽を聴き始めたばっかりの高校生だったんで、「ウィーン」のような渋めの曲にはあまりハマらなかったのかもしれませんね…。
③哀愁漂うアコーディオンの音色
「ウィーン」は、ほとんどピアノの弾き語りと言ってもいいくらいピアノメインの哀愁漂うバラードです。
この曲は間奏で弾かれるアコーディオンがものすごく印象的。
タイトルになっているウィーンは音楽の都なのでそれをイメージしたものなのか、それともアコーディオンの音色で歌詞の世界観を出そうとしたのかわかりませんが、曲の世界にグイグイと引き込まれてしまいます。
もし、このアコーディオンがなかったら、曲から受ける感動もここまでではなかったかもしれません。
「ウィーン」には、ビリー・ジョエルの日本でのヒット曲「HONESTY(オネスティ)」のようなドラマチックな盛り上がりはありません。
シンプルだからこそ歌詞の深さと、メロディの良さと、哀愁のあるビリーの歌声にどこまでも深く長く浸れるんでしょうね。
④歌詞と和訳
歌詞の内容は、父親が息子に、
『夢を見るのはいいけど急ぎすぎるんじゃない。ペースを落とさないと周りが見えなくてムダに年をとってしまうんだよ』
という風に言い聞かせるような感じ。
子供のころに離れ離れになった父親をビリーが大人になってから尋ねた場所が、オーストリアの首都であるウィーンだったらしいです。
なぜ父親と離れ離れになったのか、なぜ父親がウィーンにいたのかはわかりません。
このエピソードを知ってから『ウィーンがお前を待っている』という部分を聴くと、それがどういう意味なのかいろいろ想像してしまいます。
↓Vienna【Songwriter(s) - Billy Joel】
Slow down you crazy childYou're so ambitious for a juvenileBut then if you're so smart tell me,Why are you still so afraid? (mmmmm)
なぜまだそんなに怯えているんだい?
Where's the fire, what's the hurry about?You better cool it off before you burn it outYou got so much to do and onlySo many hours in a day
一日の時間は限られている
But you know that when the truth is toldThat you can get what you wantOr you can just get oldYou're gonna kick off before you even get halfway through (Oooh)When will you realize... Vienna waits for you?
いつになったら気づくんだ?…ウィーンはキミを待っている
Slow down you're doing fineYou can't be everything you want to be before your timeAlthough it's so romantic on the borderline tonight (tonight)
境界線上は今夜とてもロマンティックだけどね
Too bad, but it's the life you leadYou're so ahead of yourself that you forgot what you needThough you can see when you're wrongYou know you can't always see when you're right (you're right)
正しいと思っている時はいつもそれに気づけないことをキミも知っているんだろ?
You got your passion, you got your prideBut don't you know that only fools are satisfied?Dream on, but don't imagine they'll all come true (Oooh)When will you realize... Vienna waits for you?
キミはいつ気づくんだ?…ウィーンはキミを待っている
Slow down you crazy childTake the phone off the hook and disappear for a whileIt's alright, you can afford to lose a day or two (oooh)When will you realize... Vienna waits for you?
いつになったら気づくんだ?…ウィーンはキミを待っている
But you know that when the truth is toldThat you can get what you wantOr you can just get oldYou're gonna kick off before you even get halfway through (Oooh)Why don't you realize... Vienna waits for you?When will you realize... Vienna waits for you?
いつになったら気づくんだ?…ウィーンはキミを待っている
オーストリアの首都ウィーンは遥か昔に東西の国からの交差点、分岐点のような役割を持っていました。
この曲のタイトルが「ウィーン」なのも『人生の分岐点』のような意味合いのことを表現しているからなのかなと、そんな風に思えてきます。
だけど音楽の都であるウィーンにビリーの父親が住んでいたなんて、やっぱりビリーにはTOPミュージシャンとしての遺伝的な素質もあったのかもしれませんね。