①名前を変えてやっと…

The Last Goodnight(ザ・ラスト・グッドナイト)は、アメリカのコネチカット州出身の6人組。

もともとは高校の同級生どうしで組んだバンドが前身だったらしくて、名前を変えてやっとデビューにつながったらしい。直訳すると“最後のおやすみ”。「ちょっとそのバンド名は恥ずかしいかも…」なんて言うメンバーはいなかったんだろうか、と想像してしまいます。

まぁ名前はともかく、その実力は確かなもの。デビュー前からアヴリル・ラヴィーンやライフハウスのオープニングアクトなどで場数を踏んで、バンドとしての力をつけていきました。

 

そして2007年、ついに世に出したのがデビューアルバム『Poison Kiss』。

しかし、残念ながらこれは彼らにとって最初で最後のアルバム。ピアノを前に押し出したキャッチーな曲が並んでいて、すごく良いアルバムと思うんだけどなぁ。

シングルの「Pictures Of You」も、軽やかで耳に残る、いい意味でクセのないポップス。『シネマティックサウンド』なんて言われることもあったけど、確かに聴いていると映画のワンシーンみたいな情景が浮かんでくる曲で、単に“壮大”とか“ドラマチック”という意味だけじゃなくて、聴いたときに映像が頭に浮かんでくるというか…。

そんな物語性や情景の広がりを感じさせるサウンドには、ありふれたポップロックには無い感動があるような気がします。

 

本国アメリカではBillboard Hot 100で最高70位止まりだったけど、オーストラリアではチャート3位まで上がってプラチナ認定。

同じ英語圏でも、国によってここまで評価が違うんだから不思議ですね…。

Youtube【The Last Goodnight - Pictures Of You】

 

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②歌詞と和訳

Songwriter(s) - Jeff Blue / Kurtis John / Mike Nadeau

This is the clock upon the wall
This is the story of us all
This is the first sound of a newborn child,
Before he starts to crawl
これは壁にかかった時計
僕たちみんなの物語
まだハイハイもできない赤ん坊が
最初にあげる声
This is the war that's never won
This is a soldier and his gun
This is the mother waiting by the phone,
Praying for her son
終わりのない戦い
銃を抱えた兵士
電話の前で息子の無事を祈りながら
待ち続ける母親
Pictures of you, pictures of me
Hung upon your wall for the world to see
Pictures of you, pictures of me
Remind us all of what we used to be
君の写真、僕の写真
壁に飾ろう みんなに見えるように
君の写真、僕の写真
あの頃の僕らを思い出させてくれる
There is a drug that cures it all
Blocked by the governmental wall
We are the scientists inside the lab
Just waiting for the call
どんな病も治せる薬があるのに
政府の壁に阻まれて
研究室に閉じこめられた僕ら科学者は
呼ばれる日をただ待っている
Pictures of you, pictures of me
Hung upon your wall for the world to see
Pictures of you, pictures of me
Remind us all of what we used to be
君の写真、僕の写真
壁に飾ろう みんなに見えるように
君の写真、僕の写真
あの頃の僕らを思い出させてくれる
This earthquake weather has got me
Shaking inside
I'm high up and dry
地震の前触れみたいな空模様が
心の奥を揺さぶってくる
乾いたまま 高いところに取り残されて
Confess to me, every secret moment
Every stolen promise you believed
Confess to me, all that lies between us
All that lies between you and me
打ち明けてほしい 秘密にしてきたすべてを
信じていたのに裏切られた約束も
打ち明けてほしい 僕らの間に横たわる
そのすべての嘘を
We are the boxers in the ring
We are the bells that never sing
There is a title we can't win no matter
How hard we might swing
僕らはリングに立つボクサー
決して鳴らない鐘
どれだけ必死に戦っても
掴めないタイトルがある
Pictures of you, pictures of me
Hung upon your wall for the world to see
Pictures of you, pictures of me
Remind us all of what we used to be
君の写真、僕の写真
壁に飾ろう みんなに見えるように
君の写真、僕の写真
あの頃の僕らを思い出させてくれる

 

 

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③ちょうどMaroon5が…

当時は、ちょうどMaroon5が2ndアルバムを出した頃で、The Last Goodnightはよく比べられてたらしい。でも実際に聴いてみると、そんなに似てるかな?って思ったんですよね。

Maroon5にはブラック・コンテンポラリーとかファンクっぽい要素があるけど、The Last Goodnightにはそこまでの色は感じなくて。むしろもっとシンプルで、ストレートなポップロックっていう印象の方が強くないですか?ところどころソウルっぽい雰囲気もあるけど、基本はキャッチーで、誰でもすっと入っていけるポップスって感じ。

 

 

「Pictures Of You」はアメリカのBillboard Hot 100では最高70位。数字だけ見れば控えめな結果。でもオーストラリアでは3位まで上がって、プラチナ認定ですからね。

クラウデッド・ハウスとかエア・サプライ、サヴェージ・ガーデンにビージーズまで、オーストラリアから火がついたアーティストって意外と多いんですよね。やっぱりオーストラリアでは良質なポップソングが受け入れられやすいんだなと。

そう思うとこれだけキャッチーな「Pictures Of You」がそこで大きく受け入れられたのも納得できるかも。洋楽好きなら、過去のオーストラリアの音楽チャートを深掘りしてみると面白い発見があるかもしれないですね。

 

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④ファンになった人は…

『Poison Kiss』でファンになった人は、かなり2ndアルバムに期待していたと思う。だけど「Pictures Of You」以降はヒットに恵まれず、結局2ndはリリースされないまま契約も終了、そしてバンドは解散…。

ちなみに輸入盤のジャケットは、リンゴと蛇が描かれたヘヴィメタルっぽいデザインだったんですよね。実際の曲の雰囲気とはかなり違っていて、そこはちょっと惜しかったなぁと思う。もしかすると、このジャケットのせいで勘違いして手に取らなかった人もいたかもしれないじゃないですか。

 

その後は、フロントマンのカーティス・ジョンだけが音楽活動を続けていて、他のメンバーは表舞台から離れていったそうで。これだけの楽曲で1枚のアルバムを埋め尽くせるバンドでも続けられないんだから、やっぱり音楽の世界は厳しいんだなと思わずにいられない…。

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