①強烈にネガティブで、美しい曲
マンサンは、1997年に発売されたデビューアルバムが全英アルバムチャートで1位を記録。
玉石混交のブリットポップブームの中にありながら、オアシス以来のアルバムと言われるほど大絶賛されたバンドです。
しかし大ヒットしたデビューアルバムから大きく路線を変更してプログレッシブ要素を取り入れた2ndアルバムSIXは前作のファンに受け入れられずに全英6位と失速してしまいます。
そのSIXに収録されているLegacy(レガシー)は「明日すべてが終わりになってもかまわない」と人生を悲観し諦めたかのような歌詞で綴られた、ネガティブかつ美しい曲。
人生に疲れて何もかも嫌になって、落ちるところまで落ちたい時に聴くと聴き終わりと共に大きな絶望感とわずかな感動が味わえる貴重な曲です。
②Legacy(レガシー) / Mansun(マンサン)
マンサンはグラムロックの影響を感じる耽美的な曲が多く、ブリットポップのブームの中でも異彩を放っていたバンド。魅力の核は耽美的なメロディで歌われる退廃的な歌詞と、ポール・ドレイパーの中性的な歌声。
レガシーはプログレッシブロックの要素を取り入れた1998年のアルバムSIXに収録された曲で、シングルとしてのランキングは全英7位。マンサンのシングルの中ではもっとも高い順位を記録しています。
イントロから流れ続けるギターのリフは流麗で魅力的だけど、全体を通して万人が感動するようなわかりやすさ、派手さはないかもしれません。
でも、ボーカルのポール・ドレイパー自身が「作詞の面で大きく飛躍できた」というように、自分の視点で人生観をネガティブに描いた歌詞は本当に素晴らしいと思う。
歌詞の内容を理解した上で聴くと、美しいメロディがじわりじわりと心の隙間に浸透してきて、余韻の中で放心状態になってしまう。
一人で孤独に聴くことで曲の良さが初めてわかる曲でもあり、人生に失望、絶望している人向けの名曲です。
もうどうでもいい、俺には関係ない
すべての人間関係はむなしく儚い
俺によく似た顔ばかりの海
俺はいなくなってるだろうし、どうでもいい
すべての人間関係はむなしく儚い
俺によく似た顔ばかりの海
いなくなったら 忘れ去られるだけ
俺によく似た顔ばかりの海
いなくなったら 忘れ去られるだけ…
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