①ラスカルフラッツのイメージと言えば…

私の中でRascal Flatts(ラスカルフラッツ)のイメージと言えば、甘くてメロディアスなバラードで人気のあったアメリカのカントリーバンドと言った感じ。やっぱり代表曲として思い浮かぶのは、2005年リリースの「What Hurts the Most」かな。

英語がわからなくても「あ、これは別れの歌だな」ってすぐ理解できてしまうくらい切ないメロディと胸に迫るボーカル。歌詞は泣けるんだけど、心のどこかで「こんな別れを経験してみたい…」とも思わせてくれる曲です。

 

当時のラスカルフラッツは「曲を出せば必ずヒットする」と言われていた時期。この曲もその流れに乗った代表作のひとつで、カントリーチャートで1位、ビルボードでも6位までいった大ヒットでした。4枚目のアルバム『Me and My Gang』に収録され、彼らにとって5曲目のナンバーワンになっています。

このアルバムには「My Wish」や「Stand」みたいにカントリーチャートで1位を取った曲も入っていて、さらに「Life Is a Highway」っていうトム・コクランのカバー曲まで収録されていて。まさに脂が乗り切ってた頃の1枚だなと思います。

 

Youtube【Rascal Flatts - What Hurts The Most】

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②歌詞と和訳

Songwriter(s) - Jeffrey Steele / Steve Robson

I Can Take The Rain
On The Roof Of This Empty House
That Don’t Bother Me
I Can Take A Few Tears Now And Then
And Just Let Them Out
この空っぽな家の屋根に
雨が打ち付けていても
僕が気にすることはない
涙が出そうになった時は
泣けばいい
I’m Not Afraid To Cry
Every Once In A While
Even Though
Going On With You Gone
Still Upsets Me
There Are Days Every Now And Again
I Pretend I’m Ok
But That’s Not What Gets Me
例え君といることで自分が動揺して
時々泣いてしまうとしても怖くない
たまには元気な振りをすることもあるだろう
だけどそんなことは別にどうでもいいんだ
What Hurts The Most
Was Being So Close
And Having So Much To Say
And Watching You Walk Away
1番辛いのは
こんなに近くにいたのに
伝えたいことがたくさんあったのに
キミが去っていくのを
見送るしかなかったこと
And Never Knowing
What Could Have Been
And Not Seeing
That Loving You
Is What I Was Tryin’ To Do
もう決して知ることはない
いったい僕に何ができたのか
キミを愛していないと思うことが
僕が必死にやろうとしていることなんだ
It’s Hard To Deal With The Pain
Of Losing You
Everywhere I Go
But I’m Doin’ It
It’s Hard To Force That Smile
When I See Our Old Friends
And I’m Alone
どこにいっても
キミを失う痛みを
受け止めるのは難しいけど
なんとかそうしてる
昔の友達に会ったとき
君がいない寂しさで
笑顔なんてとても作れない
Still Harder
Getting Up
Getting Dressed
Livin’ With This Regret
But I Know
If I Could Do It Over
I Would Trade, Give Away
All The Words
That I Saved In My Heart
That I Left Unspoken
そしてもっと辛いことは
目が覚めて
着替えをして
後悔を抱えながら生きること
僕はわかってる
もしやり直すことができるなら
心の中に閉まっておいた言葉を
全部伝えるよ
キミに言えずに
置いてきてしまった言葉を
What Hurts The Most
Was Being So Close
And Having So Much To Say
And Watching You Walk Away
1番辛いのは
こんなに近くにいたのに
伝えたいことがたくさんあったのに
キミが去っていくのを
見送るしかなかったこと
And Never Knowing
What Could Have Been
And Not Seeing
That Loving You
Is What I Was Tryin’ To Do
もう決して知ることはない
いったい僕に何ができたのか
キミを愛していないと思うことが
僕が必死にやろうとしていることなんだ
Not Seeing
That Loving You
That’s What I Was Trying To Do
キミを愛していたことに
気づいてもらえなかった
それが僕が必死に
伝えたかったことなんだ

 

 

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③郷愁を誘う切ないメロディに…

郷愁を誘う切ないメロディ、そしてゲイリー・リヴォックスの透き通ったハイトーンボイスが重なるこの曲は、2007年のグラミー賞で最優秀カントリー・パフォーマンス賞にノミネートされました。残念ながら(?)受賞はディクシー・チックスの「Not Ready to Make Nice」だったけど、それでもノミネートされただけで「やっぱりな」って思ったのを覚えてます。

 

カントリーって言葉だけ聞くと、私はどうしても“のどかで牧歌的な音楽”を思い浮かべちゃいますね。故郷を懐かしむような歌とか、そういうイメージ。

真っ先に頭に浮かぶのは、やっぱりジョン・デンバーの「Take Me Home, Country Roads」ですかね。

Youtube【John Denver - Take Me Home, Country Roads (Official Audio)】

 

私はずっと、こういう曲調を持ったものをカントリーミュージックって呼ぶんだろうなと思い込んでいました。だから最初にラスカルフラッツを聴いたときは「え、どこがカントリーなの?」って驚いたんですよね…。

少し調べてみたら、カントリーにはバンジョーやフィドル、スチールギターといった楽器がよく使われているらしい。まぁ、そういうことはなんとなく知っていたけれど、実はそれだけでカントリーにカテゴライズされるわけじゃなくて。歌詞や歌い方、曲全体の雰囲気とか、全てひっくるめてカントリーの扱いになるみたい。

だからもちろん「What Hurts the Most」にもそうした楽器は使われています。でも聴いた印象はもっとポップな感じで、その絶妙なミックス具合がラスカルフラッツらしさなんでしょうね。誰にでもすっと届くような聴きやすさがあるから、ロックやポップが好きな人でも自然に入っていける気がするのかも。

 

 

そういえば、テイラー・スウィフトも最初はカントリー枠にカテゴライズされていたんだったっけ。カントリーチャートには入っていたけれど、私の耳にはカントリーのイメージよりも華やかさが強くて、今思えばその頃からかなりポップに近かったんだと思う。

テイラー・スウィフトはアルバム『1989』以降は完全にポップへ舵を切って、シンセやEDM的な要素も取り入れるようになりました。今ではもう完全にカントリーじゃなくてポップミュージシャンですね。

 

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④ラスカルフラッツがオリジナルじゃ…

ちなみに「What Hurts the Most」は、ラスカルフラッツがオリジナルじゃありません。最初に歌ってリリースしたのは、Mark Willsというカントリーミュージシャンで、2003年のアルバムに収録されています。

ラスカルフラッツの方はその中に情熱的な想いが宿っていて、強く胸に迫ってくる。聴いていると映像が目の前に広がるようで、心を揺さぶられるほどドラマチック。それに対して、オリジナルのMark Willsはしっとりとした哀愁をまとっていて、同じ曲でも受ける印象がまったく違うんですよね。

Youtube【What Hurts The Most】

 

そのときの気持ちや状況で、どちらを聴きたくなるかが変わってくるのも、この曲の面白さ。ドラマチックに浸りたいときはラスカルフラッツ、しっとりした気分のときはMark Wills、と聴き分けられるのも魅力だと思うんですよね。

 

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