①スティーブン・タイラーをボーカルに…

Just Feel Better(ジャスト・フィール・ベター)は、エアロスミスのスティーブン・タイラーをボーカルに迎えて、サンタナが2005年にリリースした曲。

アルバム『オール・ザット・アイ・アム(All That I Am)』にも収録され、そこからのセカンド・シングルとして発売されたんですが――結果は、イギリスで最高77位。

 

……いやいや、もっと上でもよくないですか?

サンタナとスティーブン・タイラーという夢の共演で、このクオリティで77位は、さすがに低すぎるでしょ。

切なさと力強さが同居していて、メロディラインもキャッチーで、サビでグッと心を掴まれる、まさに“泣けるロックバラード”だと思うんだけどなぁ。

【Santana - Just Feel Better ft. Steven Tyler (Official Video)】

 

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②歌詞の和訳

Songwriter(s) - Jamie Houston / Buck Johnson / Damon Johnson

She said I feel stranded
And I can't tell anymore
If we coming or I'm going
彼女は言った
「置き去りにされた気分なの。
私たちが近づいてるのか、離れてるのか
もうわからないわ」
It's not how I planed it
I've got the key to the door
But it just won't open
俺が思い描いた通りには進まない
ドアのカギは持ってるのに
どうしても開かないんだ
And I know I know I know
Part of me says let it go
That life happens for a reason
わかってる、わかってる、わかってる
心の中で「手放せ」と言う声がする
わかってる、人生が思い通りにならないってことは
I don't I don't I don't
It goes I never went before
But this time this time
できない、できない、できない
昔の俺ならこんな風にはならなかった
でも今度こそ、今度こそ――
I'm gonna try anything that just feel better
Tell me what to do
You know I can't see through the haze around me
And I do anything that just feel better
少しでも楽になれるなら、何だってやってやる
教えてくれ、どうすればいいんだ
霧に包まれて、何も見えない
少しでも楽になれるなら、どんなことでもやってやる
And I can't find my way
Girl I need a change
And I do anything that just feel better
Any little thing that just feel better
俺は道を見失った
変わりたい、変わらなきゃいけない
だから――少しでも楽になれるなら
どんな些細なことでもやってやる
She said I need you to hold me
I'm a little far from the shore
And I'm afraid of sinking
彼女は言った
「抱きしめてほしい。
岸辺から離れすぎてしまって、
沈んじゃいそうで怖いの」
You're the only one knows me
And who doesn't ignore
That my soul is weeping
お前だけがわかってくれる
泣いている俺の魂を
無視しないでいてくれる唯一の人
I know I know I know
Part of me says let it go
Everything must have it seasons
わかってる、わかってる、わかってる
心のどこかで「手放せ」って声がする
物事にはそれぞれの“季節”があるのさ――
Round and round it goes
And every day's a one before
But this time this time
巡り巡って同じ日々の繰り返し
でも今度こそ、今度こそ――
I'm gonna try anything that just feel better
Tell me what to do
You know I can't see through the haze around me
And I do anything that just feel better
少しでも楽になれるなら、何だってやってやる
教えてくれ、どうすればいいんだ
霧に包まれて、何も見えない
少しでも楽になれるなら、どんなことでもやってやる
And I can't find my way
God I need a change
And I do anything that just feel better
Any little thing that just feel better
俺は道を見失った
神様、変わりたいんだ
少しでも楽になれるなら
どんなことでもやってやる
Long time holding on
To all things I ought to leave behind yeah
It's really getting nowhere
I think I need a little help this time
長い間、
置き去りにすべきものにしがみついてきた
もうどこにも行けず、立ち止まったままだ
だから、今度は少し助けが必要なんだ
I'm gonna try anything that just feel better
Tell me what to do
You know I can't see through the haze around me
And I do anything that just feel better
少しでも楽になれるなら、何だってやってやる
教えてくれ、どうすればいいんだ
霧に包まれて、何も見えない
少しでも楽になれるなら、どんなことでもやってやる
And I can't find my way
Girl I need a change
And I do anything that just feel better
Any little thing that just feel better
俺は道を見失った
変わりたい、変わらなきゃいけない
だから――少しでも楽になれるなら
どんな些細なことでもやってやる

 

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③サンタナの代名詞とも言える…

『Just Feel Better』は、カルロス・サンタナの代名詞とも言える“泣きのギター”と、スティーブン・タイラーのハスキーで渋みのあるボーカルが絶妙に絡み合う一曲です。

歌われているのは、付き合いを続けるうちに少しずつすれ違っていった二人の心。それでも「もう一度、うまくやり直したい」と願う男の想いが、切なくもまっすぐに描かれています。

 

エアロスミスのように激しくロックしているわけではなく、どちらかというとポップで聴きやすい。でも、その分メロディには深い哀愁があって――そこがまたたまらないんですよね。

そして、やっぱりサンタナのギター。

叫ぶでもなく、語りかけるでもなく、まるで“泣いている”ようなフレーズで、曲の世界へと引きずり込んでくる。ひとつひとつの音が感情を持っていて、聴いているうちに心がじわっと熱くなります。

スティーブン・タイラーもさすがで、官能的にギターと絡み合いながらも、サビでは一転してエモーショナルに突き抜ける。激しくシャウトするタイプの彼もいいけど、こうして抑揚を込めて“聴かせる”歌い方をしている姿も最高なんです。

派手にロックしているわけじゃないのに、ちゃんと熱がある。良くも悪くも“万人が気持ちよく聴ける”タイプの曲なんだと思います。

 

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④どうしてこの曲が売れなかったのか…

どうしてこの曲が売れなかったのか――。

 

2005年当時の音楽シーンって、アメリカではヒップホップやR&Bが全盛で、Maroon 5 や Green Day、Kelly Clarkson なんかが強かった時代。

一方でイギリスは Coldplay、Kaiser Chiefs、そしてデビュー前夜の Arctic Monkeys が盛り上がりを見せ、いわゆる“インディーロックが勢いを増していた時期”でした。

そんな中で、サンタナとスティーブン・タイラーという“親世代のレジェンド同士”の共演は、どうしても懐メロ的に見られてしまったのかもしれません。どんなに曲がキャッチーでも、時代の流れには合わなかったというか。

 

しかもこの曲は、ロックすぎず、ラテンすぎず、ポップすぎず――良く言えば絶妙、でも、悪く言えば中途半端。

さらに前作「Smooth」の成功が大きすぎて、「派手さが足りない」と見なされてしまったというのもあるでしょうね…。

 

それでも今あらためて聴くと、やっぱり良い。

あの時代には合わなかったかもしれないけれど、今もこの曲を聴き続けている人は、きっと少なくないはず。

 

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