①夏になると無性に聴きたくなる…

U2の「Staring at the Sun」って、夏になると無性に聴きたくなる曲なんですよね。

ただ、その“夏らしさ”っていうのは、いわゆる爽やかな感じじゃない。海とか風とか、そういう清涼感とは正反対で――

どちらかというと、じっとりと肌にまとわりつくような、茹だるような蒸し暑さを思い出させてくれるような曲なんです。

 

聴いているとどんどん暑苦しくなってくるのに、それでも、なぜか毎年夏になると、つい再生ボタンを押してしまう。

もうこれは、私にとって“逃げられない夏”の代名詞みたいな曲ですね。

 

YouTube【U2 - Staring At The Sun (Official Music Video)】

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Island

 

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②歌詞と和訳

[Lyrics] - Bono, The Edge    [Music] - U2

Summer stretching on the grass
Summer dresses pass
In the shade of a willow tree
Creeps a-crawling over me
Over me and over you
Stuck together with God's glue
It's gonna get stickier too
It's been a long hot summer
Let's get undercover
Don't try too hard to think
Don't think at all
夏が草の上にじわじわと伸びていく
サマードレスが通り過ぎていく
柳の木の陰で
何かが這うように忍び寄ってくる
僕にも 君にも
神の糊で貼り付けられたみたいに
これからもっとベタついていくんだろうな
長くて暑い夏だった
どこかに隠れよう
無理に考えようとしなくていい
もうなにも考えるな
※神の糊(のり) ≒ 避けられない繋がり?運命? 
I'm not the only one
Staring at the sun
Afraid of what you'd find
If you took a look inside
Not just deaf and dumb
Staring at the sun
Not the only one
Who's happy to go blind
僕だけじゃない
太陽をじっと見つめてるのは
その中を覗き込んだら
何が見えるか怖くて仕方ない
ただの無関心や無知ってわけじゃない
太陽を見つめながら
目を閉じることに
どこか安らぎすら感じてるんだ
There's an insect in your ear
If you scratch it won't disappear
It's gonna itch and burn and sting
Do you wanna see what the scratching brings?
Waves that leave me out of reach
Breaking on your back like a beach
Will we ever live in peace?
'Cause those that can't do often have to
And those that can't do often have to preach
See upcoming rock shows
Get tickets for your favorite artists
耳の中で虫がうごめいてる
掻いたって消えやしない
痒くて 熱くて 痛くて
それでも掻くとどうなるか見たいだろ?
届きそうで届かない波が
君の背中に砕ける――まるで砂浜みたいに
僕たち、いつか平和に生きられるのかな?
やる術のない者は、たいてい
他人に向かって説教を始めるんだ
To the ones
Staring at the sun
Afraid of what you'll find
If you took a look inside
Not just deaf and dumb
Staring at the sun
I'm not the only one
Who'd rather go blind
太陽を見つめてる君
その中を見たら何が見えるのか 怖いんだろ
耳を塞いで 口も閉ざして それでも太陽を見てる
目を閉じてた方がマシだって 思ってるのは
君だけじゃない
Intransigence is all around
Military's still in town
Armour-plated suits and ties
Daddy just won't say goodbye
Referee won't blow the whistle
God is good but will he listen?
I'm nearly great but there's something missing
I left it in the duty free
Oh, but you never really belonged to me
あたり一面ピリピリしてる
街にはまだ軍隊がいて
スーツとネクタイの装甲車みたいな奴らが闊歩してる
父さんは 何も言わずに行ってしまった
審判はホイッスルを吹こうとしない
神様はきっと善い存在なんだろうけど、
こっちの声を聞く気はあるのかな?
僕は もう少しで完璧だったのに
何かが足りなかった
たぶん空港の免税店に置いてきたんだ
…いや、本当は最初から
君は僕のものじゃなかったのかもしれない
You're not the only one
Staring at the sun
Afraid of what you'd find
If you stepped back inside
I'm not sucking on my thumb
I'm staring at the sun
Not the only one
Who's happy to go blind
君だけじゃない
太陽を見つめてるのは
その奥を覗き込んだら何があるか
怖くてたまらない
親指をしゃぶってるわけじゃないけど
それでも太陽を見てる
何も見たくなくて
目を閉じたままでいたいのは
君だけじゃない

 

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③グラミー賞の受賞数は歴代最多クラスで…

この「Staring at the Sun」を歌うU2は、世界でもトップクラスの人気を誇るアイルランド出身の大御所バンド。グラミー賞の受賞数は歴代最多クラスで、その人気と実力は言うまでもなく本物です。

でも、彼らの本当の魅力はそこじゃなくて――“売れるための音楽”ではなく、自分たちが伝えるべきテーマを追い続けてきたことにあると思います。

宗教や戦争、人種差別などの重たい題材を、避けずに堂々と歌ってきた。その姿勢が、U2の音楽の根底に流れているんですよね。

 

そんなU2が1997年にリリースしたのが、アルバム『Pop』。この時期の彼らは、テクノやトリップホップといったジャンルにも挑戦していて、「Staring at the Sun」もその流れの中で生まれた曲です。

だからギターやビートにはどこか“もたつき”があって、まるで猛暑の中で地面が揺らめいているような、熱による幻覚みたいなサウンドに仕上がっている。

そして、あのギターのループ、ボノの少し擦れた歌声、微妙に不安定なリズム――

どれも一つひとつが暑苦しさを引き立てるのに、なぜかまた聴きたくなる。もうこれは感情に汗をかく曲なんですよ。

 

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④U2をまともに聴くようになるずっと前…

U2をまともに聴くようになる、ずっと前のことなんですけど――

高校生の頃、毎週のように楽しみにしていたラジオ番組がありました。福山雅治さんのオールナイトニッポンです。

その番組の中で、CMに入る前か後だったか、記憶はちょっと曖昧なんですけど、毎週かならずワンコーラスだけ流れていた曲があったんですよね。

当時は、誰の曲かも、バンドなのかソロなのかも分からない。でも、雄大で、どこかノスタルジックで、やたら心に残る曲でした。その曲を名前もわからないまま、ただ「いい曲だな」と思って聴いていたんです。

それから数年が経って、大学生になった頃。ふと思い立って、U2のベストアルバムを買ってみたんですよ。

きっと有名な曲がいっぱい入ってるし、ちょっと聴いてみようかな、って。

で、アルバムを通して聴いてたら、ふと「ん?」と思う曲に出会ったんです。

なんだか懐かしい…いや、これ、どこかで聴いたことあるぞ?そう思って曲名を見てみたら――

 

「I Still Haven’t Found What I’m Looking For(終わりなき旅)」

 

その曲がまさにあの時、ラジオで流れていた曲だったんです。何年越しかで、ようやく曲と再会できた瞬間でした。

もし高校生のときに、あれがU2の曲だって知っていたら、もしかしたらその時点でU2にどっぷりハマってたかもしれないなあ、なんて思ったりもします。

 

 

ちなみに、「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」が収録されているアルバム『The Joshua Tree』は、冒頭3曲すべてが名曲レベルとして知られています。

「Where the Streets Have No Name」や「With or Without You」など、U2を代表する名曲が一気に並んでいて、当時から現在まで、多くのリスナーを虜にしてきました。

あの頃なんとなく耳に残ってた曲が、時間をおいてちゃんと自分の中で繋がって、「あ、これだったんだ」ってわかる瞬間って、やっぱり嬉しいものです。

そんな風にして、ちょっとずつ洋楽が好きになっていったんだろうなぁ…なんて。

 

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