①スウェーデンから華々しくデビュー
2002年にアルバム「Bring 'Em In(ブリング・エム・イン)」で華々しくデビューしたスウェーデンのガレージロックバンド、Mando Diao(マンドゥ・ディアオ)。
でもこのデビューアルバム、残念ながらアメリカやイギリスのチャートを賑わせることはありませんでした。
日本と母国スウェーデンでは熱狂的に受け入れられたけど(スウェーデンでは5位を記録、日本ではゴールドディスク獲得)、こんなにいい曲が目白押しなのになんでアメリカとイギリスではまったくと言っていいほど受け入れられなかったのか不思議。
曲の雰囲気としてはゴリゴリなガレージロックではなくて、かなりメロディアスで耳なじみの良いガレージロックといった感じ。
中にはガレージロックと呼ぶには爽やかすぎというか、ビートルズの影響を受けたようなキャッチー過ぎる曲もあったりするのがアメリカやイギリスで受け入れられなかった原因なのかな?
ファンになった人にとっては逆に、その「ビートルズ+ガレージロック」的なサウンドがストライクゾーンど真ん中だったんだと思いますけどね。
「ブリング・エム・イン」は私にとって本気で捨て曲がないと思えるくらい、どこをとってもいい曲ばかりのアルバム。
ハマりにハマって毎日憑りつかれたように聴きまくってました。
このアルバムの中でも特にファンの間で人気が高い曲が、5曲目に収録されている「The Band(ザ・バンド)」。
ジャカジャカしたギターの疾走感が他の追随を許さないほど爽快なガレージロック風ナンバーです!
↓Youtube【Mando Diao - The Band (Official Video)】
Songwriter(s) - Björn Dixgård , Gustaf Norén
I've played that song from long agoWhen every morning longed to fallIt broke my sighs and my regretsIt stumbled on the stepsYou've build for climbing towards meNow it feels like sinners in the sunWhen I say -★I said I'd die for youOr was it in my headI took you down on ouzoAnd now I think I'd rather see you deadI said I'd die for youOr was it in my headYou took me down on ouzoAnd then you say you'd rahter see me deadIf my depression stood the windI spat the devil up his chinIt couldn't do me any harmIt roughed my steel and shut my mouthMy late impressionOh, that rain that's itching on my skinWhen I say-(Repeat ★)Hold me, scratch my shoulderFold me, sue me, watch me going mad(Repeat ★)
②オルガンの存在感が抜群
良い曲揃いのアルバムの中でも、私にとって一番のハイライトになった「The Band」。
激しい演奏が鳴り響くイントロの高揚感に心拍数は増え、若さと渋さが絶妙なバランスで共存したビョルンのボーカルに脳が覚醒していく。
一心不乱にかき鳴らされるサビのギターから感じるのは、まるで溜まった鬱憤をすべて吹き飛ばしてくれるかのような有無を言わせぬ爽快感。
さらにこの曲のイメージを印象付けているのが、若干レトロな雰囲気で曲全体を包み込んでいるオルガンのむせび泣くような音色。
このオルガンの存在がなかったら「The Band」もここまでインパクトのある曲にはなってなかったかもしれません。
片手でオルガンを弾きながらもう片手でタンバリンをノリノリで振ってるPV映像でのプレイスタイルも楽しげで好印象です(笑)
そしてPV映像で私がもう一つ好きなところ、それはグスタフのギターの弾き方。
両腕に力をめいっぱい込めて一心不乱にギターをジャカジャカかき鳴らしてるのを見ると、ムシャクシャした気分も吹っ飛びます!
③タイプの異なる2人のボーカリスト
このアルバムを発売した当時マンドゥ・ディアオは5人組。ボーカルはビョルンとグスタフの二人がそれぞれが作った曲を自分が歌うといったやり方で担当していました。
それぞれの声や歌い方の特徴としては「The Band」などを歌っているビョルンはブルージーかつロックな歌声。1曲目の「Sheep Dog」などを歌っているグスタフはちょっとパンクっぽいというか、衝動的でエネルギッシュな歌声。
残念ながらグスタフは2015年に脱退してしまっているので現在ボーカルはビョルン一人。
グスタフのパンキッシュなボーカルで歌われる曲にも素晴らしいものが多かったので、グスタフの脱退のニュースが流れた時には膝から崩れ落ちたファンも多かったことでしょう…。
特に2006年に発売された3rdアルバム「Ode To Ochrasy(オード・トゥ・オクラシー)」に収録されている「Tony Zoulias (Lustful Life)」は、グスタフの曲の中でも1、2を争うくらい素晴らしい出来栄え。
↓Youtube【Tony Zoulias (Lustful Life)】
そして同じく「オード・トゥ・オクラシー」に収録の「TV & Me」ではグスタフがマンドゥ・ディアオのポップな才能が開花。
グスタフの声じゃないと良さを100%発揮できない曲は他にもたくさんあるので、グスタフの脱退はほんと惜しかったですね。
↓Youtube【Mando Diao - TV & Me (Official Video)】
④バンド名はちょっと変わってるけど…
ブリング・エム・インのCDを初めて目にしたCDショップのレコメンドコーナー。
その時の第一印象は「マンドゥ・ディアオって変なバンド名だな…」でした(笑)
でもモノクロのアルバムジャケットに写っているバンドメンバーがめっちゃ渋くて、強烈に期待させる何かを感じたのでとりあえず試聴してみることに。
そしたらこれがもう、期待を遥かに上回るレベルの大当たりだったわけです。
印象的でシビレるリフで一気にマンドゥ・ディアオの世界観に没入させてくれる、ザ・1曲目といった感じの「Sheep Dog」!
初期衝動のような疾走感、そしてビートルズの「A Hard Day's Night」を意識したようなメロディセンスがわずか2分間に凝縮された 、これぞマンドゥ・ディアオ流ガレージロックと呼ぶにふさわしい「Sweet Ride」!
これまたビートルズの名曲「Mr.Moonlight」を意識したかのようなタイトルの渋く、熱いバラード「Mr.Moon」!
そしてマンドゥ・ディアオの人気を確立させたストレートかつ爽やかなガレージロック「The Band」!
5曲目に収録されている「The Band」まで試聴した瞬間、財布の中身を確認している自分がいました。
⑤「マンドゥ・ディアオ」バンド名の由来
曲もルックスもカッコいいけどマンドゥ・ディアオってバンド名、なんか少しカッコ悪いというか変な響きに聞こえないですか?
2ndアルバム以降もシビレる曲をたくさん作ってるんですけど、日本に関しては名前でちょっと損してる部分もあるかもしれない。
ディアオはまだいいけどマンドゥの方がちょっと…ってこんなこと言ってたらファンの方に怒られちゃいそうですけど(汗)
ちなみにこのMando Diao(マンドゥ・ディアオ)って言葉には特に意味はなくて、フロントマンの一人であるビョルンの夢の中に出てきただけの言葉なんだそう。
つまり「Mando」も「Diao」も、彼らの母国スウェーデン語でも英語でも存在しない単語ってことみたいです。
夢の中に出てきた言葉から思い付きで決めた謎のバンド名、他のメンバーはすんなり受け入れられたんでしょうか?
マンドゥ・ディアオはもっと世界的に成功してもいいバンドだと思っていたけど、なぜかイギリスやアメリカでは人気が出なくてアルバムはチャートの200位に入り込むのがやっとだったっていうんだから驚きです。
ソングライティングも、ボーカルも、演奏も、せめて40位以内には入っていいクオリティだと思うんですけどね…。