①U.Kが誇る3大ロックバンドの1つ
誰でもどこかで一度は名前や曲を耳にしたことがありそうなビートルズ、ローリングストーンズと比較すると、日本での知名度は高くなさそうなThe Who(ザ・フー)。
U.Kではビートルズ、ローリングストーンズと並ぶ『3大ロックバンド』の1つと言われてるけど、60年代、70年代の洋楽が好きな人じゃないとあまりピンとこないのかも。
日本での知名度だと、どちらかといえばクイーンの方が3大バンドっぽい。まあ活躍した時期がビートルズ、ローリングストーンズよりも少し後になっちゃうので違和感はあるけど。
ザ・フー全盛期のメンバーは以下の通り。(※キース・ムーン在籍は8thアルバム「Who Are You」まで。)
- 腕力とカリスマ性でバンドを仕切るボーカルの『ロジャー・ダルトリー』
- 曲の95%を作曲。バンドの核でウインドミル奏法が特徴のギター『ピート・タウンゼント』
- "リード・ベース" と評された超絶技巧のベーステクニック『ジョン・エントウィッスル』
- 圧倒的なセンスを持ちながらも酒に溺れて32歳でこの世を去った天才ドラマー『キース・ムーン』
憑依系の破天荒なドラムプレイで一部のファンからカリスマ的な人気を誇ったキース・ムーン。
2016年のローリングストーン誌が選んだ『歴史上もっとも偉大なドラマー100』では、Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)のジョン・ボーナムに次ぐ2位に輝いたキース・ムーンがドラムを叩いていた頃の曲が好きだって人は多いはず。
だけど私が和訳したくてたまらなかった曲はキース・ムーンが亡くなって、代わりに元フェイセズのケニー・ジョーンズがスティックを持った「You Better You Bet(ユー・ベター・ユー・ベット)」。
この曲はザ・フー後期の曲で、一番最後にU.Kでトップ10以内に入ったシングル。
キーボードでジョン・バンドリックが参加していることも功を奏し、彼らの曲の中でも圧倒的にテンポのいい洗練されたロックソングに仕上がっています。
YouTube【The Who - You Better You Bet (Promo Video)】
②歌詞の和訳
Songwriter - Pete Townshend
◆の歌詞はFull-Length Ver.(アルバムバージョン)のみ
I call you on the telephoneMy voice too rough with cigarettesI sometimes feel I should just go homeBut I'm dealing with a memory that never forgets
I love to hear you say my nameEspecially when you say, "Yes"I got your body right now on my mindBut I drunk myself blind to the sound of old T-RexTo the sound of old T-RexOh, and who's next?
When I say, "I love you," you say, "You better"(You better you better you bet)When I say, "I need you," you say, "You better"(You better you better you bet)You better bet your lifeOr love will cut you like a knife
◆I want those feeble minded axes overthrownI'm not into your passport pictureI just like your noseYou welcome me with open arms and open legsI know only fools have needsBut this one never begs
◆I don't really mind how much you love meA little is alrightWhen you say, "come over and spend the night"Tonight, tonight
◆When I say, "I love you," you say, "You better"(You better you better you bet)When I say, "I need you," you say, "You better"(You better you better you bet)You better bet your lifeOr love will cut you like a knife
I lay on the bed with youWe could make some book of recordsYour dog keeps licking my noseAnd chewing up all those lettersSaying, "You better you better bet your life"
You better love me, all the time nowYou better shove me back into line nowYou better love me, all the time nowYou better shove me back into line now
I showed up late one nightWith a neon light for a visaBut knowing I'm so eager to fightCan't make letting me in any easier
I know I've been wearing crazy clothesAnd I look pretty crappy, sometimeBut my body feels so goodAnd I still sing a razor line every time
And when it comes to all night livingI know what I'm givingI've got it all down to a teeAnd it's free
When I say, "I love you," you say, "You better"(You better you better you bet)When I say, "I need you," you say, "You better"(You better you better you bet)You better bet your lifeOr love will cut you like a knife
③キース・ムーン死亡後 最初のシングル
ロジャー・ダルトリーがお気に入りの曲として挙げている「You Better You Bet」はかなりテンポが良くてリズミカル。パートによって曲の雰囲気が変わるので聴いていて飽きません。
なので、アルバムバージョンは曲の長さが5分40秒くらいだけど体感ではそれよりもぜんぜん短く感じます。
キース・ムーンが亡くなってからリリースされた最初のシングルということもあって、それまでに発表された曲に比べてこの曲を推す人は多くないかも。
でもたぶん逆に、ザ・フーをそれほど知らない洋楽ファンにとってはハマりやすい曲だとも思う。
もちろんキース・ムーンがドラムを叩いた「You Better You Bet」はどんな感じになるのか興味があるけど、キース・ムーンの後任として立候補していたフィル・コリンズがもしメンバーに加わっていたら…なんて想像もちょっとワクワクしちゃいます(笑)。
④Led Zeppelinとの縁
楽器破壊の正統なる後継者としても知られる(?)ザ・フー。
キース・ムーンはライブでドラムを100セット壊すことを目標にしていたらしいです。
破壊への衝動を楽器だけにとどまらず、宿泊するホテルをことごとくぶっ壊したり、トイレを爆竹で壊したり、自宅の窓に暇つぶしでショットガンをぶっ放したりしてたっていうんだから…なかなかにヤバいですね(笑)。
ピート・タウンゼントが「キースを見つけたときが俺たちのターニングポイントだった」と語るほど、破天荒な天才ドラマーとして知られるキース・ムーン。
一番有名なのはなんといっても『Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)』に関するエピソード。
キース・ムーン、ジミー・ペイジなどのミュージシャンがジェフ・ベックのシングル曲レコーディングのためセッションをした時のこと。
「俺たちが抜けたらそれぞれのバンドは鉛(lead…レッド)の気球みたいに真っ逆さまだろうぜ!」なんて感じのことをキース・ムーンが言ったことがきっかけで、ジミー・ペイジが後に結成したバンドの名前は『Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)』になったそうな。
ちなみに、ザ・フーのキース・ムーンもレッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムも同じ32歳で亡くなってます。
レッド・ツェッペリンのドラマーとして誘われていたキース・ムーン。そのキース・ムーンが断ったことでレッド・ツェッペリンにドラマーとして加入することになったジョン・ボーナムが自殺ではないのに同じ年齢で…。偶然とはいえ驚きです。