①収録アルバム情報
- 発売年:2002年
- 収録アルバム:More Than You Think You Are(モア・ザン・ユー・シンク・ユー・アー)
- アルバム最高位:全英31位、全米6位
②ミック・ジャガーとの共作で話題に
(デビューアルバムまでのバンド名の表記は、Matchbox 20)
リズム&ブルース、カントリー、ブルースなどアメリカの伝統的な音楽を取り入れた高品質のアメリカンロックで90年代後半から2000年代前半まで数々のヒット曲を生み出しました。
ボーカルのロブ・トーマスは通っていた高校を中退してアメリカ各地をヒッチハイクしながら歌唱と作曲の技術を上げていったそうです。
そして1999年には、サンタナの世界的大ヒット曲「Smooth(スムース)」のボーカリストに抜擢され、この曲でのパフォーマンスによりグラミー賞(最優秀ポップ・コラボレーション)を受賞。
ソングライターとしての能力にも定評があり、特にローリング・ストーンズのミック・ジャガーとの共作で2002年にリリースしたシングル「Disease(ディジーズ)」では作詞作曲のセンスを剥き出しにしています。
憂いを帯びたハードなギターリフ、一音一音に無理やり歌詞をねじ込んだような変則的なサビのボーカルライン。一度聴いたら脳にこびりついて離れないくらい印象的なロックの名曲と言ってもいいんじゃないでしょうか?
ちなみにこの2人は過去にミック・ジャガーのソロアルバム『Goddess in the Doorway(ゴッデス・イン・ザ・ドアウェイ)』に収録されている「Visions of Paradise(ヴィジョンズ・オブ・パラダイス)」でも曲を共作。ロブ・トーマスはバックグラウンドでのボーカルとしても参加しています。
↓Youtube【Matchbox Twenty - Disease (Official Video)】
Songwriter(s) - Rob Thomas, Mick Jagger
Feels like you make a mistakeYou made somebody’s heart breakBut now I have to let you goI have to let you goYou left a stainOn every one of my good daysBut I am stronger than you knowI have to let you goNo one’s ever turned you overNo one’s tried to ever let you downBeautiful girl, bless your heart※I got a disease deep inside meThat makes me feel uneasy, babyI can’t live without youTell me, what am I suppose to do about it?Keep your distance from itDon’t pay no attention to meI got a diseaseFeels like you’re making a messYou’re the hell on wheels in a black dressYou drove me to the fireAnd left me there to burnEvery little things you do is tragicAll my life before was magicBeautiful girl, I can’t breathe★Well I think that I’m sickBetter leave me beWhile my world is coming down on meYou taste like honey, honeyTell me can I be your honeyBe, be strongKeep telling myselfThat I won’t take long till I’m free of my diseaseSet me free of my disease(Repeat ※ → ★)
③まとわりつくようにセクシーで『酔える』ボーカル
歌声だけでなく、メロディーラインもまとわりつくようにセクシーな「ディジーズ」。
一つの音に無理やり多くの文字を詰め込んで早口になっているサビの部分はクセが強く、正にロブ・トーマス節といった感じ。
メランコリックでハードなギターサウンドも素晴らしく、特に2番の冒頭でのハードで妖艶なギターの旋律がかぶさってくるアレンジは何度聴いてもゾクゾクします。
前作、2ndアルバムの「Mad Season(マッド・シーズン)」国内盤アルバムの帯には
『アメリカは今、この男のメロディに酔う。』
「ディジーズ」が収録されている3rdアルバム「More Than You Think You Are」の国内盤アルバムの帯には
『アメリカはまた、この男のメロディに酔う。』
なんて言葉が書いてあったけど、本当にロブ・トーマスの歌声はまとわりつくようにセクシーで渋くて、酔える歌声。
ワーナーミュージック・ジャパンが日本でCDが売れるために考えた文章なんでしょうけど、マッチボックストゥエンティをピッタリと言い表しているこのキャッチコピーもかなり秀逸で記憶に残りましたね。
④『スモール・イン・ジャパン』なバンド?
マッチボックス・トゥエンティは4枚のオリジナルアルバムと1枚のベストアルバムをリリース。全世界で4000万枚近いアルバムを売り上げています。
ところで、アメリカでは爆発的なヒットはしなかったけど日本では大人気だったバンドとして有名なのが、Mr.BIGやチープ・トリックなどのバンド。
クイーンは母国イギリスでも人気はあったけど初来日時点でのフィーバーっぷりは日本の方が断然上。当時は『ビッグ・イン・ジャパン』なミュージシャンとしてのイメージがついていました。
だけどマッチボックス・トゥエンティは彼らとは逆。
海外での熱狂に比べて日本ではそれほど大きくブレイクすることのなかった『スモール・イン・ジャパン』なバンドなんですね。
⑤バンドにとって唯一の全米No.1シングル「Bent」
私がマッチボックス・トゥエンティを知ったのは2ndアルバムに収録されていた、マッチボックス・トゥエンティにとって初の全米No.1シングル「Bent(ベント)」でした。
↓Youtube【Matchbox Twenty - Bent (Official Video)】
「ベント」は派手さはないけどロブ・トーマスの哀愁漂う渋い歌声が素晴らしいバラード。
緊迫感がありながらもメロディアスなサビのメロディがなかなか頭から離れず、気がつくと脳内で何度もリピートさせてました。
昔からの仲間で結成してデビュー直後からヒットを飛ばしまくってきたマッチボックス・トゥエンティですが、2004年にはリズムギターのアダム・ゲイナーが、2016年にはリードギターのカイル・クックが脱退。
海外ではバンド活動が長くなればメンバーが入れ替わるのはごく当たり前のことだと思います。
メンバーがそれぞれ個人としての活動はあるものの1980年のデビューから1度も解散やメンバーチェンジをしておらず、グラミー賞は22回以上受賞でグループとしての世界最多受賞数を誇っているU2がどれだけスゴイかがわかりますね…。