長い曲はどうしても飽きてしまう!
もっとテンポよくサビまで聴きたい!
ギュッと凝縮された曲を聴きたいから間奏とかは特に必要ない!
短い曲は1回ハマったら何度もリピートしたくなるような中毒性が高くて、激ポップなものが多いのが最大の魅力。
そこで今回は、短い時間で一気に楽しめる『2分以内に終わる曲』『3分以内に終わる曲』をいくつかまとめました!
① You Gave Your Love to Me Softly (ユー・ゲイヴ・ユア・ラヴ・トゥ・ミー・ソフトリー) / Weezer (ウィーザー)
現在では再評価され名盤との呼び声も高いアルバムでありながら、当時は商業的に伸びなかった2ndアルバム、ピンカートン。このアルバムからシングルカットされたEl Scorcho(エル・スコルチョ)のカップリングだった曲がYou Gave Your Love to Me Softlyです!
それまでのウィーザー(とは言ってもこの段階では2ndアルバムまでしか出てなかったけど)とは全く印象が違うハードめなギターのリフが光るロックな曲。
もともとは、当時話題だったポップバンド、パンクバンドの新曲が使われた映画「Angus(アンガス)」のサウンドトラックに収録されていた曲だけど、サントラバージョンは違うアレンジです。カップリングバージョンのほうはソロがシンセサイザーとギターのユニゾンになっており、より情熱的に訴えかけてくるこちらのバージョンの方が絶対におすすめです!
バラードだけど、同じくエル・スコルチョに収録されていた「Devotion」、グッドライフのカップリングに収録されていた「Waiting on You」も良い曲でした。
② Brat (ブラット) / Green Day (グリーン・デイ)
ポップなパンクで今や知らない人はいないほどビッグなバンドになったグリーン・デイ。勢いがあって速い曲が多い2ndアルバムの中で、わずか1:43であっという間に終わってしまう曲がBrat(ブラット)です!
短い曲で、しかもメロディアスでわかりやすくノレるので、私がこのアルバムで一番最初にハマった曲。ポップなノリとは対照的に歌詞は結構ダークというかネガティブな内容です。
「両親の体調が悪くて死が迫ってて、俺は両親の死と遺産の相続を待ってるんだ」みたいな感じ。ちなみに、Brat=手に負えないガキ、クソガキって意味らしいです。
③ Chi Ga (チ・ガ) / Mando Diao (マンドゥ・ディアオ)
シングルになったThe Bandのカップリングで収録された曲で、ライブでも盛り上がること間違いなしのマンドゥ・ディアオ初期の名曲。強烈な哀愁を感じるような緊迫感のあるヒリヒリしたメロディが素晴らしく、特にイントロや間奏部分のトランペットがいい味を出してます!
これだけのクオリティなのにカップリングとして発売することになったのは、1stアルバムの他の曲よりも退廃的な雰囲気過ぎたからなんでしょうか…。
マンドゥ・ディアオの魅力のひとつでもあるビョルンとグスタフの掛け合いによるサビにも痺れるし、シャウト気味に張り上げるようなサビのボーカルもかなりエモーショナルで曲の世界にどっぷりと浸れます。
グスタフによると、Chi gaとはマンドゥ・ディアオの出身地スウェーデンのボーレンゲの大きな鉄鋼工場で働いていた実際の人物の名前みたいです。
④ Hi Scorpia (ハイ・スコルピア) / Silver Sun (シルヴァー・サン)
どキャッチーなメロディ、おバカなノリ、肩の力が抜けたコーラス、すべてが最高で一部ではUKのウィーザーとも言われていたシルヴァー・サン!実は日本の人気バンドASIAN KUNG-FUGENERATIONたっての希望で『NANO- MUGEN FES』にも出演したこともあるんです。
短い曲が多いにもかかわらずひねりの効いたアレンジができるから飽きることなく何回も聴きたくなる。これほどポジティブ路線でポップ道を追求したバンドはなかなかいないんじゃないかなと思います。歌詞は意味不明なものが多いですけどね(笑)
Hi Scorpiaは期待を裏切らないハーモニーと軽やかなギターサウンドを絡めたサーフポップの教科書的な曲。この曲が収録されているアルバム、Dad's Weird Dreamは13曲中8曲が3分以内のかなり聴きやすいアルバムだけど、特に一瞬にして爽やかでポジティブになれるこの曲はかなりおすすめです!
⑤ Is That Love (イズ・ザット・ラヴ) / Squeeze (スクイーズ)
イギリスで35位のスマッシュヒットを記録したシングル。洗面台の石鹸の横に結婚指輪が置いたままだったことにインスピレーションを得て書かれたという、メンバーであるクリス・ディフォードの結婚後の体験がもとになった曲です。
「君は僕のあげた指輪を石鹸の横に置きっぱなし。それが愛と言える?」
「君が僕のお金を使い切ってしまったから僕はもうお金を持っていない。それが愛と言えるのかい?」
超リズミカルでテンポのいい曲だけど、どこかセンチメンタルで切ない雰囲気を感じるメロディはこの歌詞にピッタリ。もともとはミドルテンポだったけど、しっくりこなかったので速いスピードのアレンジに変更したらしいです。エンディング部分のアレンジはエルヴィス・コステロのアイデアで弾いているのもコステロ自身。
曲が始まってわずか1分ちょいでここまでフックの効いたメロディと歌詞を詰め込めるんだから、ほんとスクイーズのポップセンスは群を抜いてますね!
⑥ Caught by the Fuzz (コウト・バイ・ザ・ファズ) / Supergrass (スーパーグラス)
スーパーグラスはブリットポップブームの初期に若さ爆発のエネルギッシュでポップなサウンドで瞬く間にブレイクを果たしたバンド。
『caught by the fuzz = サツに捕まっちまった』
薬をやって独房にぶち込まれた若者が『今夜は外にでなけりゃよかった…』と嘆く様子を悲観的にならずにポップのアクセルをベタ踏みで歌っています!
日本ではそこまで知名度は高くないバンドかもしれませんが、海外のミュージシャンからはかなり高い評価を受けているバンド。特にオアシスのリアムは2009年のインタビューで、「ブリットポップでまともなのと言ったらオアシスとスーパーグラスくらいで、スーパーグラスはまさにブリットポップって感じだよな。他の奴らはただのパロディさ!」と発言するほど。
他にもブラーのデーモン・アルバーン、ブルートーンズのマーク・モリス、元ジェリーフィッシュのジェイソン・フォークナー、くるりの岸田繁(くるりはスーパーグラスを歌詞にも登場させてます)、マイ・ケミカル・ロマンスのジェラルド・ウェイ、スウェードのブレット・アンダーソン…などなどそうそうたるミュージシャンがスーパーグラスに影響を受けたことや、好きなバンドであることを公言しています。
今や世界的なバンドでもある、コールドプレイやアークティック・モンキーズといった後輩バンドからはサポートアクトのオファーも受けることがあり、どちらかと言えばミュージシャンからの評価が高い「ミュージシャンズ・ミュージシャン」なバンドかもしれません。キース・ムーンを彷彿とさせるダニー・ゴフィーの憑りつかれたようなドラムプレイもスーパーグラスの聴きどころです。
⑦ So Serious (SO・シリアス) / Electric Light Orchestra (エレクトリック・ライト・オーケストラ)
ストリングスと決別し、シンセサイザーを多用したデジタルなバンド路線に完全に移行した時期のELOのアルバム、バランス・オブ・パワーからの2ndシングル。1970年代後半に発売され、名作アルバムとしての評価が高かった全盛期のような壮大さは感じられないけど、シンプルでポップなサウンドが好きな方ならこのアルバムをフェイバリットに上げる方もいると思います!
この曲はコミカルで軽快なギターポップで、バンドメンバーが楽しそうに演奏している感じが伝わってくるようなノリが私にはかなりツボ。
ファンによる『バランス・オブ・パワーの好きな曲アンケート』では1stシングルのコーリング・アメリカに次ぐ2位だったことから2ndシングルに選ばれたけど、ジェフ・リン自身が一番気に入っているのはこの曲、So Seriousなんですよね。
⑧ Sandstorm (サンドストーム) / Cast (キャスト)
イギリス、リヴァプール出身のキャストはブリットポップブームで成功を収めた代表的なバンドのひとつ。カリスマ的な人気を誇っていたバンドであるThe La's(ザ・ラーズ)のベーシストで中心人物だったジョン・パワーが脱退して新たに結成したバンドがキャストです!キャストはデビュー曲から10週連続で全英トップ20以内を記録するなど、ザ・ラーズを上回るヒット曲を発表し続けました。
『I've got a sandstorm blowin' in my head = 砂嵐が俺の頭の中で吹き荒れる』
という、ハスキーでパンキッシュなジョン・パワーの歌い出しで始まるこの曲Sandstormは、最後のパート前に短いブリッジ部分があるだけであとは基本的にずっと同じメロディ。スピード感があるわけじゃないけどテンポがよく、ギュッと詰め込まれた歌詞がやや早口で歌われているので英語の歌ならではの言葉のリズムの良さが堪能できる曲です。
⑨ Volcano(ボルケーノ) / The Presidents of the United States of America (ザ・プレジデンツ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ)
バンド名のインパクトで言ったら間違いなくナンバー1!日本のバンド『official髭男dism』の名前を初めて知った時と同じくらい衝撃を受けたバンド名です。あまりにも長いので、『PUSA』と訳されることが多いかも。
当時話題になったのは長すぎるバンド名だけじゃありません。バンド編成が、ドラム、3弦しかないギター、2弦しかないベースという謎の編成!ギターもベースも本来の弦の数の半分しかない異色のバンドってことで当時はめちゃめちゃ話題になりました。
でもメロディはどれもこれも鬼コミカルで、歌詞もおバカで能天気で、だけどポップで心に引っかかる独特なものばかり。もちろん音が少し軽い感じは否めないけど、どれもこれもかなりインパクトが強くて、意外と低音域を強調したサウンドなのも初めて聴いた時は衝撃的でした…。
この曲、ボルケーノのPVは、火山の研究員?を演じたバンドメンバーが変な装置を開発してそれをお客さんに説明してるというもの。曲の歌詞をすべてセリフの部分に一致させているのも結構面白いので一見の価値ありです!
⑩ I Bet You Look Good on the Dancefloor (アイ・ベット・ユー・ルック・グッド・オン・ザ・ダンスフロア) / Arctic Monkeys (アークティック・モンキーズ)
やや陰鬱でシニカルな世界観とヘビーなリフを持ったかなりテンポの速いガレージロック風な曲。歴史に残るデビューアルバムの歴史に残る1曲と言っても言い過ぎではなく、もちろんアルバムもこの曲も当然のように全英で初登場1位を記録しています。
初期衝動のような荒々しさを感じる強烈なグルーブ感!弱冠20歳とは思えないほど渋いアレックス・ターナーのハスキーボイス!どれをとっても最高です!
初期の曲からは距離を置いているアレックス・ターナー。だけどこの曲に関しては「ライブで演奏しないなんて考えられない」と2011年に発言しているくらいお気に入りの曲らしいですね。
そしてこの曲をさらにヘヴィにした感じなのが2ndアルバムのブライアンストーム。こちらはグルーブ感が強過ぎてファンじゃないと苦手な人も多いかもしれないけど、個人的にはどちらもこのジャンルの最高峰の曲だと思う。
⑪ Hush (ハッシュ) / Kula Shaker (クーラ・シェイカー)
Rockにインド音楽をミックスしたサイケデリック・ロックで人気を獲得し、デビューアルバムが全英初登場1位に輝いたクーラ・シェイカー。この曲ハッシュは、ヘイ・デュードと同じくイギリスのシングルランキングで2位まで上り詰めた彼ら最大のヒット曲!ただ、シングルとして発売(日本ではミニアルバムで発売)された曲なのでオリジナルアルバム未収録です。
もともとはアメリカのギタリスト、ジョー・サウスという人の曲で色んなミュージシャンに時代を超えてカバーされてきた曲で、大御所ディープ・パープルもカバーしています。
クリスピアン・ミルズのカッティングギターがカッコイイ、クーラ・シェイカー流のアレンジが施されたこの曲は、クーラ・シェイカーの個性でもあるインドの要素は感じられません。躍動的でうねりまくっているグルーブ感は彼らの代表曲、グレイトフル・ホエン・ユーアー・デッドのそれに近い。
バンドメンバーが全員、憑りつかれたように演奏しまくっているこのYou Tube動画を見ると、ある意味サイケな部分は残ってるかもしれないですね!