①全米No.1デュエットソングをパワーポップ風にアレンジ

グリグリめがねのジェームス・ブロード率いるイギリスのパワーポップバンド、シルヴァー・サン。

1998年にリリースした2ndアルバム「Neo Wave(ネオ・ウェイブ)」はパワーポップの教科書的な佳曲ぞろいのアルバムだと思うんですが、母国イギリスでは74位とまったくヒットしませんでした。

ノリは最高だけど歌詞はけっこう意味不明というかクセが強めだから英語圏では受け入れられにくかったのかな?

 

 

アルバムの4曲目に収録されている「Too Much, Too Little, Too Late」は、1978年にジョニー・マシスがデニース・ウイリアムスとのデュエットで全米1位を記録した名バラードのカバーです。

原曲の良いところを残しながらも絶妙なパワーポップバラードにアレンジされたシルヴァー・サンのカバーバージョンは、全英シングルチャートで20位を記録。

彼らがリリースしたシングルの中で最もチャートの上位にランクインした曲になっています。

ちなみに、2006年にデビューしたアメリカの Silversun Pickups(シルヴァーサン・ピックアップス) はまったく別のオルタナティブ系ロックバンドなので間違えないように注意しましょう…。

 

↓Youtube【Silver Sun - Too Much, Too Little, Too Late (7inch)】

 

↓Songwriter(s)【John Vallins,  Nat Kipner】

Guess it's over, call it a day
Sorry that it had to end this way
No reason to pretend
We knew it had to end someday
this way
Guess it's over, the kicks are gone
What's the use of trying to hang on
Somewhere we lost the key
So little left for you and me
And it's clear to see
Too much, too little, too late
To lie again with you
Too much, too little, too late
To try again with you
We're in the middle of ending
Something that we knew
Was over
Oh, it was over
Too much, too little, too late
To ever try again
Too much, too little, too late
Let's end it being friends
Too much, too little, too late
We knew it had to end
And it's over
It's over
Guess it's over, the chips are down
Pity all our bridges tumbled down
Whatever chance we try
Let's face it, widened-eye
It's over
(Repeat ★×2)
Too much, too little, too late…
Too much, too little, too late…
終わりなんだね、ここまでにしておこう
こんな結末を迎えることになって悪かった
もう無理に振舞う必要はないよ
いつかこんな風に終わらなければならないことを
僕たちはわかっていた
終わりなんだよ、楽しい日々は消え去ってしまった
しがみついても仕方がない
僕たちはどこかでカギを無くしてしまった
キミと僕にはほとんど何も残らなかった
それははっきりとわかるんだ
今となってはどうしようもない
キミともう一度抱き合おうにも
今となってはどうしようもない
キミともう一度やり直そうと思っても
僕たちは終わりを迎える途中にいる
僕たち二人が何かを知ることは
もうないんだ
終わったんだよ
今となってはどうしようもない
もう一回やってみようと思っても
今となってはどうしようもない
終わらせて友達に戻ろう
今となってはどうしようもない
僕らは終わらせないといけないことはわかっていた
そして終わったんだ
終わったんだよ
終わりなんだよ、もうどうにもならない
残念だけど僕たちを繋ぐ橋はすべて崩れ落ちてしまった
これからどんなチャンスが来るとしても
目を開いて現実を見よう
もう終わったんだよ
(繰り返し ★×2)
今となってはどうしようもない
今となってはどうしようもない

 

 

②ブリットポップ末期にデビューしたシルヴァー・サン

私が初めてシルヴァー・サンを聴いたのはネオ・ウェイブがリリースされるおよそ1年前。1997年に発売されたセルフタイトルのデビューアルバム「SILVER SUN」でした。

当時は、ブラーがオルタナティブに舵を切ったアルバム「ブラー」だったり、ノエル・ギャラガーが後に失敗作と評価するオアシスの「ビィ・ヒア・ナウ」だったりが発表されたブリットポップの末期。

地元のヴァージンメガストア(ヴァージンメガストア自体いまはもうないのかもしれません…)で偶然このデビューアルバムが目に入り、それほど期待せずに視聴してみたら…これがもう大当たり!

一瞬でシルヴァー・サンの爽快サーフポップの虜になってしまいました。

 

ちなみにデビューアルバムで演奏してたのはこんな超ポップな曲。歌詞はやっぱり意味不明です(笑)

 

↓Youtube【Silver Sun - Lava】

 

③随所に感じるチープトリック、トッド・ラングレンの影響

デビューアルバムでガッチリ心を鷲づかみにされたファンがよだれを垂らしながら待ち望んだであろう2ndアルバム、ネオ・ウェイブはパワーポップ最盛期にリリースされたアルバムってこともあり、前作の鬼キャッチーな楽曲を上回るほどポップな曲のオンパレード。

曲はほとんどが3分程度でサビまでの時間が短くて、飽きずに一気に聴ける曲ばかりなのもイイ。

それもそのはず、実は作詞作曲をしているボーカルのジェームス・ブロードはチープトリック、トッドラングレンの大ファン。

たしかにフックの効いたメロディだったり、時おりのぞかせるハードなリフだったりは、チープトリックやトッドラングレンに通じるものを感じるかも。

 

 

このネオ・ウェイブ、ベルギーでレコーディングされたのに発売前の時点ではアルバムタイトルは「スウィッツランド」という名前だったそう。

スウィッツランドとはスイスのこと。

このアルバムを初めて聴いた人が

 

「なんだかスイスあたりまで飛ばされたような気分だなあ。」

みたいな感想を言ったことがきっかけらしいですけど、かなりシュールな感想ですね…。

 

④歌詞カードには英詞も日本語訳も載ってない…

カバー曲だからレコード会社の権利の問題があるからなのか、アルバム「ネオ・ウェイブ」の歌詞カードには「Too Much, Too Little, Too Late」の日本語訳だけでなく、英語の歌詞すら掲載されてません。

それでも100回くらい聴いていると英詞がなんとなく聴きとれるようになってきて、なんとかちょっとずつ自分なりに頭の中で日本語に変換できるようになったんです。

だけどタイトルにもなっているサビの「Too Much, Too Little, Too Late」の意味だけは、ググっても辞書を見ても「多すぎる、少なすぎる、遅すぎる」ってそのまま訳した結果しか出てこなくてついにギブアップ。

 

結局、英詞と日本語訳を知るためだけにジョニー・マシスとデニース・ウイリアムスが歌ってるオリジナルバージョンが収録されているCDの国内版を購入。

一部分の日本語訳を知るためだけに2,500円出したみたいな感じになってしまいましたが、要はそれくらいシルヴァー・サンのカバーした「Too Much, Too Little, Too Late」にハマっちゃったんですね。

 

 

ところでオリジナルの曲はどんな感じだったかというと、かなりゆーったり、あまーく歌っているムード歌謡的な曲調。

なので、シルヴァー・サンのパワーポップ風な味付けで曲にハマった私にはちょっと合わなかったかも…。

↓Youtube【Johnny Mathis & Deniece Williams - Too Much Too Little Too Late】