①ドラマチックなシンセサウンド

1980年代に数々のヒットを記録したティアーズ・フォー・フィアーズの魅力はメロディアスでドラマチックなシンセサウンド。

 

どちらかと言えばダンスやハウスミュージック寄りのペット・ショップ・ボーイズとは違ってティアーズ・フォー・フィアーズの曲は『ミステリアス』『ドラマチック』って表現がしっくりくるかも。

 

 

ティアーズ・フォー・フィアーズが1989年にリリースした「Sowing the Seeds of Love(シーズ・オブ・ラヴ)」は万華鏡のように展開が目まぐるしく変わる、それこそミステリアスでドラマチックなシンセポップの名曲。

全英5位、全米2位の大ヒットを記録しています。

 

 

まだ夜が明ける直前、青白い光が差し込みかけた薄闇を駆け抜けているような幻想的で緊迫感のあるAメロ。

 

『愛の種をまこう』と繰り返すサビではまるで突然雲間から光が差し込んできたかのような開放的な曲調に。

 

トーンを抑えた神秘的なブリッジからラストへの流れも最高です。

 

 

「ボヘミアン・ラプソディ」ほどではないけど雰囲気の違ったパートで組曲的に構成されてるので何回聴いても全く飽きないし、全部のパートがことごとくメロディアスなのもすごい。

イギリス・アメリカの両方で大ヒットしたのも頷けます。

一回聴いただけではすぐには理解しきれない難解な歌詞だけど、その奥深さもこの曲の魅力ですね。

 

↓【Tears For Fears - Sowing The Seeds Of Love (Official Music Video)】

 

 

②歌詞の和訳

Songwriter(s) - Roland Orzabal,  Curt Smith

High time we made a stand
And shook up the views of the common man
And the love train rides from coast to coast
D.J.'s the man we love the most
Could you be, could you be squeaky clean
And smash any hope of democracy?
As the headline says you're free to choose
There's egg on your face and mud on your shoes
One of these days they're gonna call it the blues, yeah, yeah
Sowing the seeds of love, seeds of love
Anything is possible when you're sowing the seeds of love
Sowing the seeds
Sowing the seeds of love
Anything is possible
Seeds of love
Sowing the seeds of love
Sowing the seeds
I spy tears in their eyes
They look to the skies for some kind of divine intervention
Food goes to waste
So nice to eat, so nice to taste
Politician granny with your high ideals
Have you no idea how the majority feels?
So without love and a promised land
We're fools to the rules of a government plan
Kick out the style, bring back the jam
Sowing the seeds of love, seeds of love
Anything
Sowing the seeds of love
Sowing the seeds of love, seeds of love
Sowing the seeds
Sowing the seeds
The birds and the bees
My girlfriend and me
In love
Feel the pain, talk about it
If you're a worried man, then shout about it
Open hearts, feel about it
Open minds, think about it
Everyone, read about it
Everyone, scream about it
Everyone
Everyone, yeah, yeah
Everyone read about it, read about it
Everyone
Read it in the books, in the crannies and the nooks, there are books to read for us
Sowing the seeds of love
Sowing the seeds of love
We're sowing the seeds
Sowing the seeds
Sowing the seeds of love
We're sowing the seeds
Sowing the seeds of love
Sowing the seeds of love
Mr. England sowing the seeds of love
Time to eat all your words
Swallow your pride
Open your eyes
Time to eat all your words
Swallow your pride
Open your eyes
Time to eat all your words
(High time we made a stand and shook up the views of the common man)
Swallow your pride
(And the love train rides from coast to coast)
Open your eyes
(Every minute of every hour)
Open your eyes
(I love a sunflower)
Open your eyes
(And I believe in love power, love power)
Open your eyes
(Love power)
Sowing the seeds of love, seeds of love
Sowing the seeds
Sowing the seeds of love, the seeds of love
Sowing the seeds
Sowing the seeds
Sowing the seeds of love, seeds of love
Sowing the seeds of love, sowing the seeds
Sowing the seeds
An end to need
And the politics of greed
With love
僕たちの立ち上がるべき時がきた
大衆の意見を揺さぶって
大陸の端から端まで愛の列車を走らせる
僕らの愛するDJがいるところまで
キミは非の打ち所がないほど清く正しい人間になれるのか?
民主主義という希望を打ち砕く存在になれるのか?
新聞の見出しにあるのは「選択の自由」
キミは恥をかき、靴には泥がこびりつく
いずれ彼らはそれをブルースと呼び始めることだろう
愛の種を蒔こう、愛の種を
キミが愛の種を蒔いた時あらゆることが可能になる
種を蒔こう
愛の種を蒔こう、愛の種を
どんなことも可能になるんだ
種を蒔こう
愛の種を蒔こう
種を蒔こう
僕は彼らの目に浮かぶ涙を密かに見ている
ある種の神による干渉を求め、彼らは空を見上げてる
食べることもできるし、美味しく味わうこともできる
だけど食べ物は無駄に消費されていく
崇高な理想を持った政治家のおばあちゃん
大多数の民衆がどう感じているか想像できないのか?
愛も約束された地も無く
政府の計画に従うだけの僕たちは愚か者
体裁なんて蹴り飛ばし、楽しかった時を思い出そう
愛の種を蒔こう、愛の種を
どんなものでも
愛の種を蒔いていくのさ
愛の種を蒔こう、愛の種を
愛の種を蒔いていくんだ
種を蒔こう
鳥たちも、ミツバチの群れも
僕の恋人も、そして僕も
みんな愛の中で生きている
痛みを感じろ それについて話をしよう
もしキミが悩める人であるならば、その悩みを叫べばいい
心を開いて、そして感じるのさ
偏見を捨てて、考えを巡らせていくんだ
みんな、読んで学ぼう
みんな、声を張り上げてわめきたてろ
みんな
本を読もう、隅から隅まで、僕らが読むべき本はたくさんある
愛の種を蒔こう
愛の種を蒔こう
僕たちは愛の種を蒔いているんだ
種を蒔こう
愛の種を蒔こう
僕たちは愛の種を蒔いているんだ
愛の種を蒔こう
愛の種を蒔こう
Mr.イングランドが愛の種を蒔いている
前言を取り消す時が来た
プライドを捨てろ
目を覚ませ
前言を撤回するんだ
自尊心は捨てて
その目を開け
前言を取り消す時が来た
(僕たちの立ち上がるべき時がきたんだ 大衆の意見を揺さぶって)
プライドを捨てろ
(大陸の端から端まで愛の列車を走らせる)
その目を開け
(毎分、毎時間、いつだって)
目を覚ますんだ
(僕はヒマワリを愛していて)
目を開けろ
(愛の力を信じてる、愛の力を)
その目でしっかり見据えるんだ
(愛の力を)
愛の種を蒔こう、愛の種を
種を蒔こう
愛の種を蒔こう、愛の種を
種を蒔こう
種を蒔こう
愛の種を蒔こう、愛の種を
愛の種を蒔こう、種を蒔こう
種を蒔こう
終わらせる必要がある
強欲な政治を
僕らの愛で

 

 

③日産シルビアのCMソングに…

「シーズ・オブ・ラブ」は1984年、1985年に2曲連続で全米1位を獲得した「シャウト」「ルール・ザ・ワールド」に次ぐヒット曲で、1993年には日産シルビアのCMソングに起用されたりしたことで日本のファンの間でもかなり人気の曲です。

 

実際に私が見たCMで使われていたのはAメロの歌い始め。

 

そこの部分をちょっと聴いただけでもわかるくらいの名曲っぷりだったけど、通して聴いてみたらサビのコーラス部分もメチャメチャ良いし『Time to eat all your words ~』の部分もかなり印象的。

 

とにかく全てのパートが魅力的なメロディなので、たぶん曲のどこを切り取ってCMに起用してもアリだったんじゃないかなと思う。

 

 

 

ところで、

 

アルバム名が「The Seeds of Love(邦題…・シーズ・オブ・ラヴ)」なのに対し、

曲のタイトルは「Sowing the Seeds of Love(邦題…シーズ・オブ・ラヴ)」になっています。

 

アルバム名とシングル名で微妙にタイトルが違うので検索するときはちょっと混乱するかもしれないですね…。

 

 

④中学時代に音楽の授業で…

中学時代に音楽の授業で聴いた世紀の名曲 ウィー・アー・ザ・ワールド。

 

アメリカを代表するヴォーカリストの歌唱と感動的なメロディに心を奪われた私は ウィー・アー・ザ・ワールド だけを目当てに1000円のオムニバスアルバムを購入。

 

そのオムニバスアルバムにたまたま収録されていたのがティアーズ・フォー・フィアーズの全英2位、全米1位を記録した大ヒット曲  ルール・ザ・ワールド で、そこからティアーズ・フォー・フィアーズの曲にのめり込んでいきました。

 

余談ですけど、フィル・コリンズを聴き漁るきっかけになったのもこのオムニバスアルバムに収録されていた名バラード「ワン・モア・ナイト」がきっかけでした…。

 

 

 

このオムニバスアルバムの収録曲には他にも、

 

  • スティービー・ワンダー  - 「パートタイム・ラヴァー」
  • スティング  - 「セット・ゼム・フリー」
  • ジョージ・マイケル  - 「ケアレス・ウィスパー」
  • ブライアン・アダムス  - 「ヘブン」
  • ホイットニー・ヒューストン  - 「すべてをあなたに」

 

 

などなど、そうそうたるアーティストの代表曲が収録されていました。

 

今になって思うと洋楽の入門編にはこれ以上ない選曲だったかもしれません。

 

1000円という安さにもかかわらず各アーティストの簡単な解説文がついてたのも良かったなあ。

 

 

⑤ティアーズ・フォー・フィアーズの第一印象は…

でも実はこのオムニバスアルバムで聴いたティアーズ・フォー・フィアーズの ルール・ザ・ワールド の第一印象はそれほど良くなかったんですよね。

 

歌詞がちょっと抽象的で難解だし、メロディもドラマチックに盛り上がる部分があるわけじゃないし。

 

だけどこのオムニバスアルバムには上に挙げたアーティストを筆頭に、洋楽ド素人の中学生だった私でもイイ曲だと思える名曲が目白押し。

 

なので、1曲目の ウィー・アー・ザ・ワールド から最後の曲、ブライアン・アダムスの「ヘブン」までアルバムを通して毎日繰り返し聴いてました。

 

そしたらアルバムに収録されていた全ての曲を耳にする機会も増えて、そしたらいつの間にか ルール・ザ・ワールド にもハマってました。

 

メロディアス…というわけじゃないんだけどなんだかちょっと独特なリズムでクセになってきちゃって。

 

気づけば依存症になっていて、ルール・ザ・ワールド を聴きたくてCDをセットすることも増えていきました…。

 

 

YouTube動画を見るとわかるけど、ルール・ザ・ワールドのリードボーカルはベーシストのカート・スミス。

 

一方、シーズ・オブ・ラヴ のボーカルはローランド・オーザバル。

 

曲によってボーカリストが変わるスタイルは海外では結構ありがちですよね。

 

↓【Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World (Official Music Video)】

 

 

おすすめ記事