①全曲ライブ形式の一発録りアルバム

「ライブレコーディングができるだけの力があれば、実際のライブでは聴く人の心をもっと動かすことができると思う」

 

そう語るジョーの考えなのか、アルバム「パーム・トゥリー」収録曲はなんと全曲ライブレコーディング形式の1発録り。

 

全ての曲を全身全霊、魂を込めてワンチャンスで歌ってます。

 

中でも特に素晴らしいのが3曲目に収録されている「Breathing Space(ブリージング・スペース)」です。繊細なジョーのボーカルと心安らぐ荘厳なメロディ。

 

人生に疲れて生きる気力を失い「くつろげる場所」「息抜きできる場所」が欲しいと思っている方には猛烈に染みる曲だと思います。

 

↓Youtube【SUPERSTAR - Breathing Space】

created by Rinker
Deconstruction

 

 

②歌詞の和訳

To find a little place to unwind
Everywhere I go there is someone else
I need some breathing space
I read my heroes bore me to death
I close my eyes and I make it up
I've found some breathing space
All the while keep moving on
You look at me as if there's something wrong
You'd know
After all I've said and done
I don't feel so lonely
I'm back and as I open my eyes
It comes as no great surprise to me
That you would like a slice
All the while keep moving on
You look at me as if there's something wrong
You'd know
After all I've said and done
I don't feel so lonely
少しくつろげる場所を探してる
どこに行っても誰かがいるのさ
僕には休める場所が必要なんだ
本に出てくるヒーロー達は死ぬほど退屈
目を閉じてありもしない話を作りあげる
休める場所が見つかった
動いている間ずっとキミは僕を見てる
まるで何かが間違ってるみたいに
キミが知るのは
結局すべてが終わった後
僕はそんなに寂しくない
僕は戻り、そして目を開ける
それほど驚きはしないよ
キミが分け前を求めても
動いている間ずっとキミは僕を見てる
まるで何かが間違ってるみたいに
キミが知るのは
結局すべてが終わった後
僕はそんなに寂しくない

 

 

③バンド名で損をしてるような…

アコースティックで温かみのあるギターバンドを多く輩出したことで有名なスコットランドの都市グラスゴー。そのグラスゴーでは音楽シーンを代表するバンドとしても挙げられることのあるゴスペルチックなバンド、スーパースター(Superstar)。今このブログを見てる方はきっと誰も知らないんじゃないかな思います💧

 

まずスーパースターってバンド名が良くないですよ…。バンドの実績にふさわしくないとかそういうことじゃなくて。

 

色々なところで使われてしょっちゅう目にするワードだから、ネットで「Superstar」「スーパースター」なんて検索しても彼らにたどり着くのは難しいと思うんです。たぶん実際に検索したら1971年のヒット曲、カーペンターズの「Superstar」とかが出てきちゃうんじゃないですかね。

 

せっかく良いバンドなのに、出身地のグラスゴー以外ではほとんど知名度がなかったりするのはそういった理由もあったんだろうな…。

 

 

④フロントマンのジョー・マカリンデンは…

ボーカル&ピアノのジョー・マカリンデンはクラシック音楽にも明るく、ギターだけでなくベース、バイオリン、そしてストリングスのアレンジにも才能を発揮しており、グラスゴーで活動する多くのバンドからレコーディングミュージシャンとして声がかかるほどの才能の持ち主。

 

しかし、いよいよデビューアルバム制作!ということでグラスゴーからアメリカに活動の拠点を移した直後から雲行きが怪しくなっていきます。

 

レコード会社のトラブル、SUPERSTARと共に歩んできたスタッフの解雇などの影響により、デビューアルバムは満足なプロモーションもされないまま発売。

 

さらに、稼げないからという理由でなんとメンバーが全員脱退。トラブル続きでジョー・マカリンデンはアメリカでの4カ月を絶望の中で過ごし、その後グラスゴーに戻ることに…。

 

 

そんなズタボロな精神状態で制作されたデビューアルバムから約6年後の1998年にリリースされたアルバム「パーム・トゥリー」に収録された曲は、息をするのを忘れるほどゴスペルチックな美しい曲ばかり。

 

そういえばパーム・トゥリーの国内盤アルバムのライナーノーツにはこんなエピソードが載っていました。

ライターさん
「ゴスペルみたいなアルバムだね!」
ジョー
「今から君の所に飛んで行って握手したい気分だよおぉぉぉ!」