①ピアノ、ベース、ドラムのギターレスバンド

ベン・フォールズ・ファイヴのデビューアルバムは衝撃でした。

 

ギターを一切使わない、ピアノとベースとドラムのシンプルな三人編成。

 

それなのにアルバムのどこをとっても似たような曲が無くて、しかもどの曲もシングルカットできそうなほど1曲1曲のクオリティが高いんですから。

 

【ビリー・ジョエルmeetsニルヴァーナ?クイーンmeetsジョー・ジャクソン?】

 

なんて感じでアルバムの帯に書いてあった紹介コメント。売るためだけにテキトーなことを言ってるわけじゃなかったんですね…

ゴメンナサイ。

 

 

どれもこれも良い曲ばかり。非の打ちどころがない上にバラエティが豊か過ぎるデビューアルバムなので、たぶん好きな曲アンケートをとったらかなり票が割れるんじゃないかなと思う。

 

私のイチオシは9曲目の「ベストイミテーション・オブ・マイセルフ(Best Imitation of Myself)」です。

 

 

時に繊細、時にダイナミックなベンのピアノプレイ。ブンブンうなるベース。あまりにも飾り気のない間の抜けたコーラス。

 

まるで色あせた写真を眺めているような懐かしい気分になれる、魂抜かれる系の切ないメロディも最高。

 

わずか2分30秒の中にベン・フォールズ・ファイヴの魅力がギッチギチに詰め込まれたポップバラードです。

YouTube【Best Imitation Of Myself】

 

 

②歌詞の和訳

Songwriter - Ben Folds

I feel like a quote out of context
With holding the rest
So i can be for you what you want to see
I got the gesture and sound
Got the timing down
It's uncanny, yeah, you'd think it was me
Do you think i should take a class
To lose my southern accent
Did i make me up
Or make the face
'Til it stuck?
I do the best imitation of myself
The "problem with you" speech
You gave me was fine
I liked the theories about my little stage
And i swore i was listening
But i started drifting
Around the part about me acting my age
Now if it's all the same
I've people to entertain
I juggle one handed
Do some magic tricks and
The best imitation of myself
Maybe i'm thinking myself in a hole
Wondering, who i am when i ought to know
Straighten up now time to go
Fool somebody else, fool somebody else
Last night i was east with them
And west within
Trying to be for you what you want to see
But i can't help it with you
The good and bad comes through
Don't want you hanging out with
No one but me
Now if it's all the same
It comes from the same place
And if my mind's somewhere else
You won't be able to tell
I do the best imitation of myself
Yes it's uncanny to see
You'd really think it was me
The best imtitation of myself
Do the best imitation of myself

 

適当な引用をして
あとは保留にしていたい
そうして僕はキミが会いたい男になれるんだ
仕草と音
それとタイミング
とても不思議だよね
キミがそれを僕だと思うなんて
授業を受けて
この南部なまりを消した方がいいと思うかい?
僕が僕自身を作ったのかな
それともこんな僕になるまで仮面を着けてただけ?
僕は最高に自分の真似をしてみせるよ
キミがくれた「あなたの問題点」ってスピーチ
素晴らしかったよ
僕が子供の頃についての見解が
特に良かった
誓って言うけど僕はちゃんと聞いてたんだ
でも「年齢らしい振舞い」ってあたりから
僕の意識はさまよい始めた
誰もがもし同じなんだとしたら
僕はみんなを最高に楽しませてやるさ
片手でジャグリングをして
いくつもマジックを披露して
最高に自分自身の真似をしてみせるよ
たぶん僕はいま穴の中にいるんだ
不思議だよ 僕が誰なのか知るべき時が来たんだ
体を起こして さあ行こう
他の誰かを騙すのさ 他の誰かを騙すんだ
昨日の夜はあいつらと東にいたけど
僕の心は西にいた
キミが会いたいと思える男になろうとしたけど
どうにもならないよ
キミの良いことも悪いことも聞こえて来るのさ
一緒にいてほしくないんだ
それが僕以外の誰であっても
誰もがもし同じだとしたら
きっと境遇は一緒なんだ
僕の心はここじゃない場所にある
もうキミは僕に伝えることはできない
僕は最高に自分の真似をしてみせる
とても不思議に見えるよね
キミは本当の僕だと思っただろうね
それは最高に上手い僕自身のまねさ
僕は最高に僕自身の真似をしてみせる

 

 

 

③J-WAVEの年間最優秀新人賞を…

このデビューアルバムは日本での売り上げが30万枚を超え、1996年にはJ-WAVEの年間最優秀新人賞を獲得。

 

さらに当時大ブームだった月9ドラマ「ロングバケーション」では劇中歌として「Philosophy」が使用されるなど、日本で一気にブレイクしました。

 

そのお返しとばかりに、1997年リリースの2ndアルバムには「Song for the Dumped」を日本語で歌った「金返せ」を収録したりと、まさに日本のファンに愛し愛されたバンド。

 

だけど日本ではファンが多かったのになぜか本国アメリカでは不発。チープ・トリックやMr.BIGと同じでアメリカよりも日本にファンが多かったビッグ・イン・ジャパンなアーティストなんですよね。

 

 

 

ノッてくると椅子から腰を浮かせ、体全体を使って鍵盤を叩くことが多いベン。

 

ピアノ1本での弾き語りライブの模様を収録した「Ben Folds Live」でもベストイミテーション・オブ・マイセルフを披露してるけど、これがまた凄かった。

 

ピアノだけでこんなに抑揚をつけて、聴かせる、魅せるライブができるとは…。

 

こんな風にピアノが弾けたらきっとめちゃめちゃ楽しいんだろうなあ。

 

 

それにしても2000年に解散は早すぎ。

 

ベンのソロ時代のCDも、3人編成に戻ったアルバム「Songs for Silverman」もCDコンポの再生ボタンが壊れるんじゃないかってくらい聴きまくったけど、やっぱり初期メンバーのベン・フォールズ・ファイブが一番好きだったかな…。