①友情から愛情に変わったことへの葛藤がテーマ

REOスピードワゴンは1980年代~90年代にかけて数々のヒット曲をランキングに送り込んだ、アメリカを代表するバンドの一つ。

1971年のデビューから地道にライブ活動を続けて徐々に人気を獲得し、1980年リリースのシングル「Keep On Loving You」で初の全米No.1に。

この曲が収録されたアルバム『Hi Infidelity(禁じられた夜)』はアメリカのアルバムチャートで15週連続No.1に輝き、1981年度の年間最高セールスを達成するほどの大ヒットを記録しました。

 

それからおよそ4年後の1985年にリリースされ、彼らにとって2作目のNo.1シングルになったのが「Can't Fight This Feeling(涙のフィーリング)」です。

アメリカでは3週連続1位、イギリスでも最高位16位まで上り詰めたこの曲。

ずっと友達だと思っていた女性に、いつの間にか恋心を抱いてしまった男性の切ない気持ちを美しいメロディに乗せて歌った感動のバラードです。

 

↓Youtube【REO Speedwagon - Can't Fight This Feeling (Official HD Video)】

 

オフのための活動停止明けに発売された13枚目のオリジナルアルバム。年間シングルチャートでもTOP10に入り、名実ともに80年代を代表するバラードとなった「Can't Fight This Feeling(涙のフィーリング)」収録。

 

美しくメロディアスな曲を武器にアメリカを代表するロックバンドとなったREOスピードワゴン。彼らの軌跡を追ったヒット曲満載のベストアルバム。新曲も2曲収録。

 

②曲との出逢いは「ビルボードTOP40」

イントロとラストのピアノが特に印象的な「Can't Fight This Feeling」を初めて耳にしたのは、今から20年以上前。

私がまだ高校生だった頃に地元の深夜番組として放映されていた『ビルボードTOP40』という音楽番組でした。

その番組で過去のヒット曲のビデオクリップを流すコーナーがあったんですが、そこでこの曲のイントロが流れた瞬間の感動は今でも覚えています。

 

名曲が多かった当時のバラードと比較しても群を抜いて美しいメロディと、一途な歌詞にピッタリなケヴィン・クローニンの朗らかで透き通ったボーカル。

抑えきれない感情を徐々に打ち明けるかのように盛り上がっていく展開はドラマチックで、何度聴いても感動できてしまう。

産業ロックだなんだと批判されることもあったみたいですが、80年代の洋楽バラードを語る上で絶対に外すことのできない曲ですね。

 

③産業ロックとは?

産業ロックという表現は日本独自のもの。

今までよりもポップで万人受けする音楽に路線を変更することで、鳴かず飛ばずの状況から抜け出すことに成功した主に70年代~80年代のアーティストのことを指す言葉です。

キャッチーでわかりやすく感動できる曲が多いけど、昔からの根強いファンからは軽い・個性がない・金もうけといった感じにとらえらりたりすことも。

 

 

一時期、産業ロックと揶揄されたバンドとしては、ジャーニー、TOTO、デフ・レパード、フォリナーなどが日本でも有名ですよね。

特にヴァン・ヘイレンの大ヒット曲「JUMP」は、それまでの激しい曲が好きだったファンにとってはまさに産業ロックになった瞬間だったんじゃないかと思います。

つまりは、今までの方向性を突然変えて売れる曲を歌い始めた…ってのがデビュー当初からのファンや評論家の反感を買ってしまったみたいな感じなんでしょうけど、産業ロックと言われている曲はどれもこれも素晴らしい曲ばかり。

「Can't Fight This Feeling」も産業ロックと批判されることのあった曲なので、この曲を聴いて素直に感動できた人はジャーニー、TOTO、デフ・レパード、フォリナーのバラードも好きになれるでしょうね。

 

④「涙のフィーリング/REOスピードワゴン」の和訳

結婚式にもピッタリな、甘く情熱的な歌詞。

ビデオクリップも感動的で、一人の男性の誕生、結婚、そして年老いていくまでを描いた内容になっています。

ビデオのラストは、真っ暗で何もない部屋に一人きりになった老人がそばにあるドアの向こう側に向かって歩いていく…といった終わり方。

どんな世界が待ち受けているのか、想像するとなんとも切ない気持ちになりますね。

 

↓Can't Fight This Feeling [Songwriter - Kevin Cronin]

I can't fight this feeling any longer
And yet I'm still afraid to let it flow
What started out as friendship
Has grown stronger
I only wish I had the strength to let it show
もうこれ以上はこの気持ちに逆らえない
でも感情を溢れさせてしまうのはまだ怖いんだ
最初は友情だった気持ちが
どんどん強くなっていった
僕に打ち明けるだけの強さがあったなら…
I tell myself that I can't hold out forever
I said there is no reason for my fear
'Cause I feel so secure when we're together
You give my life direction
You make everything so clear
永遠に抑えておくことはできないと自分に言い聞かせる
恐れる理由なんてどこにもない
だって一緒にいると安心するから
キミは僕の進むべき道を教えてくれる
キミがいるとすべてが澄んで見えるんだ
And even as I wander
I'm keeping you in sight
You're a candle in the window
On a cold, dark winter's night
And I'm getting closer
than I ever thought I might
さまよってしまったときも
キミの姿は見失わないようにしてる
キミは寒くて暗い冬の夜に
窓辺に灯るキャンドルの灯り
そして僕はキミに近づいていたんだ
これまで僕が思っていた以上にね
And I can't fight this feeling anymore
I've forgotten what I started fighting for
It's time to bring this ship into the shore
And throw away the oars, forever
もうこの気持ちには逆らえない
今では何のために逆らってたのかも忘れてる
乗っていた船を岸につけて
永遠にオールを手放すときが来たみたいだ
'Cause I can't fight this feeling anymore
I've forgotten what I started fighting for
And if I have to crawl upon the floor
Come crashing through your door
Baby, I can't fight this feeling anymore
もうこの気持ちには逆らえない
今では何のために逆らってたのかも忘れてる
もし床に這いつくばることになるとしても
キミのドアを突き破っていくよ
ベイビー、もうこの気持ちはどうにもならないんだ
My life has been such a whirlwind since I saw you
I've been running round in circles in my mind
And it always seems that I'm following you, girl
'Cause you take me to the places
That alone I'd never find
僕の人生はキミに逢ってから目まぐるしく変わった
同じ考えが頭の中をぐるぐる回って
気づけばいつもキミのことを考えてばかり
僕一人では決して見つけることのできない場所に
キミは連れて行ってくれるんだ
(繰り返し ※→★→■)