①デンマーク出身の美メロバンド…
デンマーク出身の美メロバンド、マイケル・ラーンズ・トゥ・ロック。エア・サプライやTOTOあたりのAORを、90's J-POP風のポップロックに変換したような甘く切ないバラードが魅力のバンドです。
でも、彼らのバラードはその辺のバンドとは一線を画してる。それは人気絶頂の1995年にリリースした「That's Why (You Go Away)」を聴けば一発でわかるはず。
この曲は、ヤーシャ・リヒターの優しく透き通った歌声と哀しげなピアノのメロディが、遠い昔に別れた恋人との眩しかった日々を鮮やかにフラッシュバックさせてくれるドラマチックなバラード。
特に大サビ前のブリッジ部分は、こらえていた感情が一気に溢れ出したかのようなボーカルとギターソロに胸を締めつけられること必至で、往年のパワーバラードの名曲と比べてもまったく引けを取らないクオリティです。
甘く切なかったあの頃にタイムスリップしたい人にはぴったりの一曲です。
Youtube【Michael Learns To Rock - That's Why You Go Away (Official Music Video)】
②歌詞と和訳
Songwriter - Jascha Richter
Baby won't you tell me why there is sadness in your eyesI don't wanna say goodbye to youLove is one big illusion I should try to forgetBut there is something left in my head
You're the one who set it up now you're the one to make it stopI'm the one who's feeling lost right nowNow you want me to forget every little thing you saidBut there is something left in my head
I won't forget the way you're kissingThe feeling's so strong were lasting for so longBut I'm not the man your heart is missingThat's why you go away I know
You were never satisfied no matter how I triedNow you wanna say goodbye to meLove is one big illusion I should try to forgetThere is something left in my head
I won't forget the way you're kissingThe feeling's so strong were lasting for so longBut I'm not the man your heart is missingThat's why you go away I know
Sitting here all alone in the middle of nowhereDon't know which way to goThere ain't so much to say now between usThere ain't so much for youThere ain't so much for me anymore
I won't forget the way you're kissingThe feeling's so strong were lasting for so longBut I'm not the man your heart is missingThat's why you go away I know
③オンエアされるたびに問い合わせの…
名古屋のZIP-FMでチャート58位に初登場したこの曲。ところが、オンエアされるたびに「この曲、誰の?」と問い合わせが殺到し、「曲目問い合わせランキング」では瞬く間に1位を獲得。その勢いのまま、およそ1か月後にはチャートでも1位に輝きました。
まさに、日本でマイケル・ラーンズ・トゥ・ロックの存在を知らしめた一曲です。
実は「That's Why (You Go Away)」は1991年のデビューアルバム発売より前に、すでにデモバージョンが完成していたそう。
これだけの名曲なのに、デビュー作どころか2ndアルバムにも入らなかったなんて。ヤーシャ・リヒターは後にベストアルバムのインタビューで「埋もれていたけど忘れられることはなかった曲」と振り返ってますが、本当に信じられない判断です…。
「この曲は絶対に出すべきだ!」って涙ながらに推してくれるスタッフはいなかったのかな?
戦略的な理由でリリースを遅らせたならまだしも、この仕打ちはちょっともったいない…。
④美メロが好まれる東南アジアで…
美メロの歌ものが好まれるタイ・マレーシア・シンガポール・インド・フィリピン・台湾・韓国・中国など、アジア圏での人気がとにかくすごかったMLTR。
そういえば『のど自慢THEワールド』で、フィリピンの方が「壊れかけのRadio」や「Missing」みたいな日本の名バラードを熱唱してたのを思い出します。
そんなわけで、アジア諸国ではMLTRが爆発的な人気を誇っていたのに、なぜかここ日本ではヒットしなかったんですよね。
透明感のあるボーカルと圧倒的な美メロは、どう考えても日本人好みだと思うんですけど…。
しかも驚くべきことに、日本では1stアルバムも2ndアルバムもリリースされていません。日本デビュー作となった3rdアルバムは、HMV全店で1週間に1万枚を売り上げるヒットを記録しましたが、それでも知名度は今ひとつだったような。
とはいえ、ちょっと長くてインパクト強めのバンド名も、ヒットしなかった一因なのかも。「マイケル」って略すとジャクソンの方を思い浮かべちゃうし、「ラーンズ」ってのもちょっとわかりにくいかも。
たぶん「MLTR」で定着してたら、もっと早く人気が出てたんじゃないかな?なんて思ったりもするんですけどね…。