①イントロのシンセが…

イントロのシンセが鳴り響いた瞬間にかかってしまう80年代の魔法。カーズの代表曲「You Might Think」の最大の魅力は、一度聴いたら忘れられない中毒性の高いリフにあると思う。80年代特有のシンセサイザーの旋律にギターが重なる瞬間の高揚感、曲全体を覆うキャッチーなリフが心を鷲づかみ。ロックな声のベンジャミン・オールじゃなくてポップ色の強いボーカルスタイルのリックが歌っているからっていうのも、ポップでキャッチーな曲に聴こえる理由だったりするんかな?

 

Youtube【The Cars - You Might Think (Official Music Video)】

 

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②歌詞と和訳

Songwriter - Ric Ocasek

You might think I'm crazy
To hang around with you
Maybe you think I'm lucky
To have something to do
But I think that you're wild
Inside me is some child
君は僕をどうかしてると思うだろう
いつも君のそばをうろついている僕を
あるいは僕をラッキーだと思ってるのかな
君のために色々やることがあるからって
でも僕は君の奔放さに惹かれてる
僕の中の子供っぽい何かがそう囁くんだ
You might think I'm foolish
Or maybe it's untrue
You might think I'm crazy
But all I want is you
君は僕を愚かなヤツと思うかもしれない
もしかしたらそれは的外れなのかも
君は僕が正気を失っていると思うだろうけど
僕が求めるのは君だけなんだ
You might think it's hysterical
But I know when you're weak
You think you're in the movies
And everything's so deep
But I think that you're wild
When you flash that fragile smile
君は僕をヒステリックだと思ってるかもしれない
でも僕は君が弱っている時に気付くんだ
君は映画のキャストになったように感じてるんだろ?
意味深いストーリーで作られた映画のね
それでも僕は君の奔放さに惹かれるんだ
君が一瞬、繊細な微笑みを向ける時にね
You might think it's foolish
What you put me through
You might think I'm crazy
But all I want is you
君は馬鹿げていると思うだろう
君が僕にさせたことを
君は僕が正気を失っていると思ってるんだろ
僕が欲しいのは君だけなんだ
And it was hard, so hard to take
There's no escape without a scrape
You kept it going 'till the sun fell down
You kept it going
とても辛かった 逃れる方法はない
擦り傷なしで逃れる方法はないんだ
太陽が沈むまで君はずっとそんな感じ
ずっとそんな感じさ
Well you might think I'm delirious
The way I run you down
But somewhere sometimes, when you're curious
I'll be back around
Oh I think that you're wild
And so uniquely styled
君は僕が錯乱してると思ってるんだろう
君を追い詰める僕のやり方に
でもいつかどこかで君に好奇心が芽生えた時
僕は君のまわりに現れるだろうね
ああ 君は奔放で
ユニークな個性を持ってる人だね
You might think it's foolish
This chancy rendezvous
You might think I'm crazy
But all I want is you
All I want is you
All I want is you
君は愚かだと思うだろう
この不安定で危ない出会いを
僕を狂ってると思うだろう
でも僕が欲しいのは君だけなんだ
僕が欲しいのは君だけなのさ
欲しいのは君だけなんだよ

 

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③カーズは1970年代後半の…

カーズは1970年代後半のニューウェイヴシーンを代表するバンド。ギターとシンセサイザーを融合させたキャッチーなサウンドが特徴で、リック・オケイセックとベンジャミン・オールがそれぞれリードボーカルを担当しています。オアシスのリアムとノエルみたいな感じですね。

 

「You Might Think」のPVは、1984年に第1回MTV最優秀ビデオ賞を受賞。当時としては画期的だったCG技術を駆使した映像で、リック・オケイセックが様々な姿に変身し、女性を追いかけるコミカルなストーリーで展開されるPVでした。リックが虫歯菌になったり、ハエになったり、口紅から飛び出してきたりと、これは当時としては斬新な映像表現。そりゃあ現在のCG技術と比べると見劣りするのは当然だけど、当時の映像技術としてはかなり評価が高かったんですね。

 

実はこの時、他に最優秀ビデオ賞にノミネートされていた曲が、なかなかに豪華で…。マイケル・ジャクソンの「Thriller」、シンディ・ローパーの「Girls Just Want to Have Fun」、ポリスの「Every Breath You Take(見つめていたい)」といった、のちに名曲として歴史に名を刻むような超メジャー曲ばかりがノミネートされていたんですよね。そんな偉大な楽曲たちと肩を並べてカーズの「You Might Think」が並み居る強豪ミュージシャンを抑えて、最優秀ビデオ賞を受賞しちゃってるんですから。ゾンビに扮したマイケルが踊りまくるPV映像が有名な、マイケル・ジャクソンのスリラーに勝ったってだけでもその凄さが伝わってきませんか?

 

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④You Might ThinkはPVの内容や…

「You Might Think」は、PVの内容や歌詞から『ストーカーっぽい曲』と思われることもしばしば。まあ確かに歌詞をよく見ると、相手を束縛したり、見張るような表現も含まれてますからね…。でもコミカルなPVの映像とリックのボーカルスタイルがそんなイメージをうまく中和してくれているので、あんまり狂気的にならずに済んでるような気がします(笑)。ちなみに、ポリスの「Every Breath You Take(見つめていたい)」や、ダリル・ホール&ジョン・オーツの「Private Eyes」も、歌詞の内容からストーカーっぽいと捉えられることもあるみたいで。歌詞の解釈は聴く人によって変化するから、色々な解釈があって当たりまえと言えば当たりまえですけどね。実際にこの歌詞に近いことをやられた経験がある人だったらなおさらなんでしょうけど、どの曲も何回聴いてもやっぱり名曲なんだよなあ…。

 

ところで「You Might Think」はweezerによってカバーされて、2011年のピクサー映画「カーズ2」で使用されてます。実はweezerのデビューアルバムと3rdアルバムのプロデュースを担当したのはリック・オケイセック。ああ、なるほど。それなら音楽の志向が近いweezerがこの曲をカバーするのもうなずけますよね。もともとカーズを知る前からweezerにハマっていたこともあってか、この繋がりを知った時は目からウロコでしたよ…。

 

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