①イントロのシンセが…
イントロのシンセが鳴り響いた瞬間にかかってしまう80年代の魔法。カーズの代表曲「You Might Think」の最大の魅力は、一度聴いたら忘れられない中毒性の高いリフにあると思う。80年代特有のシンセサイザーの旋律にギターが重なる瞬間の高揚感、曲全体を覆うキャッチーなリフが心を鷲づかみ。ロックな声のベンジャミン・オールじゃなくてポップ色の強いボーカルスタイルのリックが歌っているからっていうのも、ポップでキャッチーな曲に聴こえる理由だったりするんかな?
Youtube【The Cars - You Might Think (Official Music Video)】
②歌詞と和訳
Songwriter - Ric Ocasek
You might think I'm crazyTo hang around with youMaybe you think I'm luckyTo have something to doBut I think that you're wildInside me is some child
You might think I'm foolishOr maybe it's untrueYou might think I'm crazyBut all I want is you
You might think it's hystericalBut I know when you're weakYou think you're in the moviesAnd everything's so deepBut I think that you're wildWhen you flash that fragile smile
You might think it's foolishWhat you put me throughYou might think I'm crazyBut all I want is you
And it was hard, so hard to takeThere's no escape without a scrapeYou kept it going 'till the sun fell downYou kept it going
Well you might think I'm deliriousThe way I run you downBut somewhere sometimes, when you're curiousI'll be back aroundOh I think that you're wildAnd so uniquely styled
You might think it's foolishThis chancy rendezvousYou might think I'm crazyBut all I want is youAll I want is youAll I want is you
③カーズは1970年代後半の…
カーズは1970年代後半のニューウェイヴシーンを代表するバンド。ギターとシンセサイザーを融合させたキャッチーなサウンドが特徴で、リック・オケイセックとベンジャミン・オールがそれぞれリードボーカルを担当しています。オアシスのリアムとノエルみたいな感じですね。
「You Might Think」のPVは、1984年に第1回MTV最優秀ビデオ賞を受賞。当時としては画期的だったCG技術を駆使した映像で、リック・オケイセックが様々な姿に変身し、女性を追いかけるコミカルなストーリーで展開されるPVでした。リックが虫歯菌になったり、ハエになったり、口紅から飛び出してきたりと、これは当時としては斬新な映像表現。そりゃあ現在のCG技術と比べると見劣りするのは当然だけど、当時の映像技術としてはかなり評価が高かったんですね。
実はこの時、他に最優秀ビデオ賞にノミネートされていた曲が、なかなかに豪華で…。マイケル・ジャクソンの「Thriller」、シンディ・ローパーの「Girls Just Want to Have Fun」、ポリスの「Every Breath You Take(見つめていたい)」といった、のちに名曲として歴史に名を刻むような超メジャー曲ばかりがノミネートされていたんですよね。そんな偉大な楽曲たちと肩を並べてカーズの「You Might Think」が並み居る強豪ミュージシャンを抑えて、最優秀ビデオ賞を受賞しちゃってるんですから。ゾンビに扮したマイケルが踊りまくるPV映像が有名な、マイケル・ジャクソンのスリラーに勝ったってだけでもその凄さが伝わってきませんか?
④You Might ThinkはPVの内容や…
「You Might Think」は、PVの内容や歌詞から『ストーカーっぽい曲』と思われることもしばしば。まあ確かに歌詞をよく見ると、相手を束縛したり、見張るような表現も含まれてますからね…。でもコミカルなPVの映像とリックのボーカルスタイルがそんなイメージをうまく中和してくれているので、あんまり狂気的にならずに済んでるような気がします(笑)。ちなみに、ポリスの「Every Breath You Take(見つめていたい)」や、ダリル・ホール&ジョン・オーツの「Private Eyes」も、歌詞の内容からストーカーっぽいと捉えられることもあるみたいで。歌詞の解釈は聴く人によって変化するから、色々な解釈があって当たりまえと言えば当たりまえですけどね。実際にこの歌詞に近いことをやられた経験がある人だったらなおさらなんでしょうけど、どの曲も何回聴いてもやっぱり名曲なんだよなあ…。
ところで「You Might Think」はweezerによってカバーされて、2011年のピクサー映画「カーズ2」で使用されてます。実はweezerのデビューアルバムと3rdアルバムのプロデュースを担当したのはリック・オケイセック。ああ、なるほど。それなら音楽の志向が近いweezerがこの曲をカバーするのもうなずけますよね。もともとカーズを知る前からweezerにハマっていたこともあってか、この繋がりを知った時は目からウロコでしたよ…。