①1980年代に多くのヒット曲を生み出したシンセポップデュオ
ティアーズ・フォー・フィアーズ(Tears for Fears)は1983年リリースのデビューアルバムがいきなりの全英1位に。
1980年代を通して数々のヒット曲を世に送り出したイギリス出身の2人組シンセポップデュオです。
今回の曲「Woman In Chains (ウーマン・イン・チェインズ)」はTears for Fearsが1989年に発表した3rdアルバムのオープニングナンバー。
大陸的で雄大なメロディとエレクトリカルなサウンドが絶妙にマッチしたバラードです。
カート・スミスのベース、後半に向けてじわりじわりと厚みを増していくギターのアルペジオもかなりドラマチック。
シングルランキングではアメリカで36位、イギリスで26位がピークなのでそれほどヒットしていないように感じるかもしれません。
だけどオーストラリア、ベルギー、アイルランド、イタリア、ニュージーランドの各国で40位以内、カナダでは11位を記録しており、世界的に広く受け入れられた曲なのは間違いありません。
↓Youtube【Tears For Fears - Woman In Chains】
↓Songwriter【Roland Orzabal】
You better love loving and you better behaveYou better love loving and you better behaveWoman in chains, woman in chainsCalls her man the great white hopeSays she's fine, she'll always cope, oohWoman in chains, woman in chainsWell, I feel lying and waiting is a poor man's deal (A poor man's deal)And I feel hopelessly weighed down by your eyes of steel(Your eyes of steel)Well, It's a world gone crazy keeps woman in chains, woh woh wohWoman in chains, woman in chainsTrades her soul as skin and bones(You better love loving and you better behave)Sells the only thing she owns(You better love loving and you better behave) ooh oohWoman in chains (the sun and the moon), woman in chainsMen of stone, men of stone, hey baby, no no no, oohWell, I feel deep in your heart there are wounds time can't heal(The time can't heal)And I feel somebody somewhere is trying to breatheWell, you know what I meanIt's a world gone crazy keeps woman in chainsIt's under my skin but out of my handsI'll tear it apart (somebody somewhere is trying)But I won't understand (to breathe)I will not accept the greatness of manIt's a world gone crazy keeps woman in chainsGone crazy keeps woman in chainsSo free her, so free her, so free herSo free her, so free her (the sun and the moon)So free (the wind and the rain) her, so free herSo free her, so free her, so free her, so free herSo free her, so free her (the sun and the moon)So free (the wind and the rain) her, so free her
鎖に縛られた女、鎖に縛られた女
②ドラムでフィル・コリンズが参加
ツアーの日々に疲れ切っていた当時のTears for Fearsが方向性を見つめ直すきっかけになった、アメリカのミズーリ州に位置するカンザスシティのホテル・バーでたまたま耳にした黒人シンガー、オリータ・アダムスの美しい歌唱。
この時まだ無名だったオリータ・アダムスをデュエットシンガーに迎えたこと、ドラムでフィル・コリンズが参加していること、そして女性の尊厳について歌ったフェミニズムな歌詞など「Woman In Chains」は色々と話題性のある曲かもしれません。
この曲は静かに始まりラストに向かって徐々に盛り上がっていく展開で、誰もが一聴して感動できるわかりやすいさは無いので最初は退屈なだけの曲に感じる人も多いと思います。
そういう私も昔は「シャウト」「ルール・ザ・ワールド」「シーズ・オブ・ラブ」みたいなキャッチー路線のヒットソングしかあんまり聴いてませんでした。
それが今ではTears for Fearsの中で1,2を争うくらい好きな曲になってるんだから、曲の好みはいつ変わるかわからないもんです。
それにしてもあの頃はそんなに気にも留めなかったけど、アルバムの1曲目にこの手の曲を持ってくるセンスはすごい。
たぶん普通の感覚だったら3曲目の「シーズ・オブ・ラヴ」と逆にするか、アルバムのラスト付近がピッタリの曲じゃないですかね?
③目を閉じると広がる神秘的な風景
暗い夜が明ける直前、360度見渡せる小高い丘に立っている自分
ぼんやりと光り始めた地平線は徐々に、青とも白とも言えないような神秘的な色合いのグラデーションを空に描き始める
あまりの美しさに夢見心地になってしまい、何にもする気がおきないし、何も考えられない
いつの間にか吹き始めていた頬をなでる風は温かくも冷たくもなく、ただひたすらに心地良く、ずっとこの時間が続けばいいのにと願う
まだ輝き始めたばかりの柔らかく優しい太陽の光を眺めていると、体中の細胞がゆっくりと修復されていくような不思議な感覚に満たされていく…
目を閉じて「Woman In Chains」を聴いていると、そんな美しくも荒涼とした風景が脳裏に浮かびます。
エンヤの「Anywhere Is」とはまたちょっと違った趣の神秘的な風景イメージを持った曲です。
夢うつつなメロディと情感たっぷりなローランドとオリータのボーカルの相乗効果で、曲の世界観にどっぷりと浸ってしまいます。
④モノクロで統一されたPV
ところで、モノクロで統一されているPV映像はすごくこの曲に合ってると思う。
抽象的に感じられる色のない世界だからこそ、想像力をかき立てられてグイグイと引き込まれるような魅力を感じるのかも。
PVのところどころでローランドとカートの演奏している映像がしっかりと映っているのも嬉しいですね。
だけど何度か一瞬だけ映るドラマーが明らかにフィル・コリンズじゃないような気がするんだけど、誰なんでしょうか?
ネットでどれだけ検索してもこのPVに映ってるドラマーが誰なのか、よくわかりませんでした。
1989年当時のフィル・コリンズはこんなロン毛じゃなかったと思うんですよね。
知ってる方がいたら教えてもらえたらありがたいです…。