①1997年リリースのアルバム…

1997年リリースのアルバム『Destination Anywhere』(デスティネーション・エニィホエア)。これはジョン・ボン・ジョヴィのソロアルバムだ。

Bon Joviのヴォーカリストとして世界中で有名なジョン・ボン・ジョヴィ。彼が1997年にリリースした、2枚目のソロアルバムに収録された「Janie, Don't Take Your Love To Town」は、後にシングルカットされ全英13位のヒットを記録した。

当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったバンド、ボン・ジョヴィの名曲の数々を生み出したメロディメーカーだっただけあって、曲はメロディアスで覚えやすい。哀愁を帯びたロックナンバーというのも私の好み。

ただ、アルバム『Destination Anywhere』自体が打ち込み主体であるため、耳の良い人には少し無機質なサウンドに感じるかもしれない。だけど、メロディラインも曲の構成も、バンドとしてのBon Joviに劣ることはない。

 

『Destination Anywhere』収録曲全体を通して、ジョンはバンド時代ほど高いキーでは歌っていないように感じる。「Janie, Don't Take Your Love to Town」以外は特に、低いキーで渋く歌う曲が多い。

なので、アルバムの他の収録曲にもこの曲のクオリティ、方向性と同じものを求めてしまうと、期待外れに感じる可能性もあるので注意が必要かも…。

 

Youtube【Jon Bon Jovi - Janie, Don't Take Your Love To Town】

 

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②歌詞と和訳

Songwriter - Jon Bon Jovi

Sitting here just watching you sleep
Wish I could slip inside and be
In some Technicolor dream
But the air's too thick for one of us to breathe
I'm not fool enough to think
You couldn't live life without me
ここに座ってキミの寝顔を眺めているだけじゃなくて
キミと一緒に横になって
鮮やかな色彩の夢を見ていたいのに
部屋の空気が重すぎて息苦しいんだ
キミは俺なしじゃ生きられないなんて
考えるほどバカじゃないよ
I didn't come this far to throw the towel in
I didn't fight this hard to walk away
If I ain't smart enough to say I'm sorry
It's just because the words got in the way
俺は降参するためにここに来たんじゃない
逃げるために必死に戦ってきたわけでもない
ゴメンのひとことが言えるほど俺は賢くないかもしれないけど
それは言葉が邪魔をしただけなんだ
I remember how it used to be
I was you and you were me
We were more than just the same
Now these shoes don't fit, my skin's too tight
When you want a kiss, I take a bite
Let your heart call up the cops, read me my rights
昔のことを思い出してみた
俺はキミで、キミは俺だった
似た者同士よりもっと似ている2人だったよね
なのに今となっては靴は合わなくて窮屈だし
キスを求められても噛んでしまう
キミの心が警察を呼びたいのなら、俺の権利も教えてくれよ
Last night I drak enough to drown
Raise a toast to your good looks and to my health
Look, we both know how much I've let you down
Janie don't you take your love to town
昨夜は溺れるほど飲んで
キミの美貌と俺の健康に乾杯したね
聞いてほしい 俺がどれだけキミを失望させたか2人ともわかってるはずだ
ジェニー、キミの愛を街に連れて行かないでくれ
Janie don't you take your love to town
Janie don't you take your love to town
If I've got to beg, I'll beg, just don't walk away
Janie don't you take your love to town
ジェニー、キミの愛を街に連れて行かないで
ジェニー、キミの愛を街に連れて行かないでくれ
膝をついて頼めと言うんなら、その通りにするから離れていかないでくれ
ジェニー、キミの愛を街に連れて行かないでくれ
You deserve a shooter, a saint
Someone to give it to you straight
To find the soul throught flesh and bone
My life's a treasure, full of sunny weather
But it's left me feeling cold
Now all you want to do is take me home
キミは射撃の名手や聖人になれる人
ストレートに伝えてくれる誰かが必要なのさ
体の底から魂を与えてくれる人が
俺の人生は宝物、雲一つない晴天さ
だけどなぜか心は肌寒い
今キミは俺を家に連れて帰るだけでいいんだ
I hated you, the night you said you loved me
I hated you, 'cause I couldn't love myself
I'm begging you now, baby please just hold me
I got one foot in, one foot off the ground
俺はキミを憎んだ、愛していると言われたあの夜に
俺はキミを憎んだ、なぜなら自分で自分を愛せなかったから
お願いだから、どうか抱きしめてほしい
俺は今、片足しか地面に着いていないんだ
(繰り返し ★)
Sitting here while you're fast asleep
In the bathroom by the sink
Trying to write the right words down
I turn out the lights, close my eyes
There ain't no prayers or kiss goodnight
What I'll forget to say tomorrow, I'll say now
Janie don't you take your love to town
キミがぐっすり寝ている間、俺はここに座ってる
このバスルームのシンクの横で
この状況にふさわしい言葉を書こうとしている
明かりを消して、目を閉じる
捧げる祈りもおやすみのキスもない
明日になったら忘れてしまいそうな言葉を今言うよ
ジェニー、キミの愛を街に連れて行かないでくれ

(繰り返し ★)

 

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③1作目はほぼ映画のサントラに…

『Destination Anywhere』はジョンの2作目のソロアルバムにあたる。しかし、1作目はほぼ映画のサントラに近い位置づけだったため、純粋なソロアルバムとしてはこれが1作目と言えるかもしれない。

『Destination Anywhere』がリリースされる2、3年前。バンドとしてのBon Joviは2枚のアルバムをリリースした。『クロス・ロード 〜ザ・ベスト・オブ・ボン・ジョヴィ(1994年)』と『ジーズ・デイズ(1995年)』だ。

当時、日本でも大人気だったボン・ジョヴィ。日本のオリコンチャートでもこの2枚のアルバムは見事1位を獲得し、もちろんU.K、アメリカを始め世界中で大ヒット。飛ぶ鳥を落としまくっていたバンドが活動休止に入ったタイミングでリリースされたのが本作である。

 

話は逸れるが、ベスト盤『クロスロード』に収録された新曲「ALWAYS」は本当に名曲で、この1曲のためだけに定価でアルバムを買っても後悔しないほどの価値があった。

『ジーズ・デイズ』も日本で1位を記録したのが頷けるほど良い曲が目白押し。ハードな曲、ポップな曲、泣けるバラード、アコースティックなナンバーなど、バラエティ豊かな1枚で、当時は毎日このアルバムばかり聞いていた。特に、アップテンポなら「Something for the Pain」、バラードなら「Hearts Breaking Even」の出来が素晴らしかった。

 

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④この曲のプロデュースはジョンと…

この曲「Janie, Don't Take Your Love to Town」のプロデュースは、ジョンと、ステファン・リロニという人が共同で行った。

このステファン・リロニという人物、音楽に詳しい人は名前を聞いたことがある人もいるかもしれない。

彼は、世界27か国で1位に輝いた「キラメキ☆MMMBOP」で有名な3人兄弟のバンド、Hansonのデビューアルバム『middle of nowhere』や、SpaceというU.Kポップバンドのデビューアルバム『Spiders』などのヒット作も手掛けているプロデューサー。

Hansonのゴスペルチックな感動的のバラード「I will come to you」や、Spaceのスーパーポップな「Me & You Vs The World」は、どちらも彼のプロデュースだ。

 

⑤仲直りしたい男の気持ちを…

この曲のテーマは、夫婦または付き合っている2人の喧嘩。仲直りしたいけれど素直になれない男の気持ちを、ちょっとカッコつけた言葉で歌った曲、という感じだろうか。

結婚している人は自分が喧嘩をした時のことを思い出しながら、結婚していない人は映画やドラマを見るような気持で感情移入しながら聞けば、曲の世界観にどっぷりと浸ることができる。そんな、具体的でイメージしやすい歌詞だと思う。

 

この曲には面白い噂もある。この曲はジョンが実際に夫婦喧嘩をした後、トイレで作り始めた曲だというのだ。

夫婦喧嘩の後というのは、感情的になり、少し興奮状態でもあるはずなのに。そんな状況で、こんなメロディアスな曲が思い浮かぶとは…。

もし本当にトイレで曲のアイデアが浮かんだのだとしたら、そこで歌詞をメモしたりしていたんだろうか?私も夫婦喧嘩はたまにするけれど、そんなハードな状況の最中に曲作りをしてしまうあたり、さすがとしか言いようがない…。

 

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