①耳なじみの良いスムースな声質と…

母国イギリスでこれまでにシングル20枚、アルバム7枚をTOP40位以内に送り込んできたCraig David(クレイグ・デイヴィッド)。CDの総売り上げ枚数は1500万枚以上。

耳なじみの良いスムースな声質とR&B調のサウンドは世界中で受け入れられ、デビュー当時には「キング・オブ・2ステップ」と呼ばれていたこともあるミュージシャンです。

 

Craig Davidの「You Don't Miss Your Water ('Til the Well Runs Dry)」は、2002年にリリースされた2ndアルバムに収録された曲で、その後シングルとしてリリース。

それまでの “踊れるクレイグ・デイヴィッド” という印象とは異なり、この曲はしっとりと歌い上げる切ないスローバラード。

デビュー作にも「Walking Away」のようなバラードはあったけれど、この曲はより落ち着いた表情をくっきりと打ち出していて、さらに深まった一面が伝わってくる、胸に染みる曲に仕上がっています。

【Craig David - You Don't Miss Your Water ('Til the Well Runs Dry) (Official Audio)】

イギリスで4位、アメリカで32位を記録した2002年リリースの2ndアルバム。
デビュー作で特徴的だった2stepの要素は控えめに、新たな方向性を模索した意欲作です。
スティングとの共演が話題を呼んだ「Rise & Fall」は一聴の価値ありです。

 

 


2008年にリリースされたベストアルバム。
超絶ポップでキラキラなダンスナンバー「Insomnia」をはじめ、3曲の新曲を収録。
これまでの集大成と新たな魅力を感じさせる内容になっています。

 

 

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②UKのシングルチャートではなぜか…

物悲しいメロディが胸を締め付けるバラード、「You Don't Miss Your Water」。

ネットを見ていると、この曲を好きだと言う人をチラホラ見かけます。でも、イギリスでのシングルチャートではなぜか43位止まりなんですよね。

しかもこの曲は、それまでに出した10枚のシングルの中で最高順位がいちばん低い曲。こんなに美しいメロディで、こんなに切なくて心に残るサビなのに、なぜ?

 

…思うに、原因はCDリリースのタイミングだったんじゃないかな。シングルリリース時、この曲が収録されているアルバム『Slicker Than Your Average』は、すでにダブル・プラチナムの大ヒットになっていたわけで。アルバムを買っているのであれば、そのアルバムで聴くことが出来るシングルをあとから買う人はそう多くないと思うんですよね。

先にシングルとしてリリースされていれば――もっと違う結果になっていたかもしれませんね。

 

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③歌詞と和訳

Songwriter(s) - Craig David / Mark Hill

As I sail with you across the finest oceans
On our way to find the key to our emotions
Together, we will move the clouds to brighter days
Some people question what I say,
try to break up you and me
キミと素晴らしい海を船で横切っているみたいだ
僕らの感情のカギを探しに行く途中でね
一緒に、輝ける日々のために二人で雲をかきわけよう
中には僕が言うことに疑問を持ち、
僕らの仲を裂こうとするヤツもいる
But I know this love between us is growing stronger
You can call me whenever from wherever
Just remember that I'll be there
Through all the stormy weather
だけど僕は知っている 僕らの愛がどんどん強くなっていることを
どんな時でも どこにいようと僕を呼んでくれ
覚えていてほしい
どんなに荒れた天候の時も僕がそこにいることを
Us break up never
No, we'll be together
Forever
僕たちは絶対に離れることはない
僕らはこの先も一緒なんだ
永遠に
You don't miss your water 'til the well runs dry
But I believe so strongly in you and I
Can't somebody answer me the question why
You don't miss your water 'til the well runs dry
井戸が枯れるまで水が恋しくなることはない
でも僕は強く信じている キミと僕の愛の深さを
誰か理由を答えてくれないか
愛の渇きは、失って初めて知るものなんだ
As I close my eyes, sit back while reminiscing
Of when we used to fuss and fight, but end up kissing
There may be sad and painful times along the way
But in my heart, you'll always be everything and more to me
目を閉じて、座って、思い出している
言い争いやケンカをしてもキスで終わったあの時のことを
僕らの道のりには悲しくて辛いこともあったかもしれない
だけど心からキミは僕のすべて、いやそんな言葉じゃ足りない存在なんだ
For I know this love between us is growing stronger
You can call me whenever from wherever
Just remember that I'll be there
Through all the stormy weather
なぜなら僕は知っている 僕らの愛がどんどん強くなっていることを
どんな時でも どこにいようと僕を呼んでくれ
覚えていてほしい
どんなに荒れた天候の時も僕がそこにいることを
Us break up never
No, we'll be together
Forever
僕たちは絶対に離れることはない
僕らはこの先も一緒なんだ
永遠に
You don't miss your water 'til the well runs dry
But I believe so strongly in you and I
Can't somebody answer me the question why
You don't miss your water 'til the well runs dry
井戸が枯れるまで水が恋しくなることはない
でも僕は強く信じている キミと僕の愛の深さを
誰か理由を答えてくれないか
愛の渇きは、失って初めて知るものなんだ
For you are always on my mind
You are always on my mind
Girl, you know that you
You are always
You're always on my mind
You are always
forever
キミはいつも僕の心にいる
キミはいつも僕の中にいるんだ
ねえ、わかるだろう?
キミはいつも
いつだって僕の心にいるんだ
永遠に
You don't miss your water 'til the well runs dry
But I believe so strongly in you and I
Can't somebody answer me the question why
You don't miss your water 'til the well runs dry
井戸が枯れるまで水が恋しくなることはない
でも僕は強く信じている キミと僕の愛の深さを
誰か理由を答えてくれないか
愛の渇きは、失って初めて知るものなんだ
yeah listen
If you ever get the feeling
You wanna play around starting cheating,
remember
You don't miss your water 'til the well runs dry
聞いてくれ
もしキミが
キミが遊びまわったり裏切りたいと感じ始めたら
思い出してほしい
愛の渇きは、失って初めて知るものなんだ

 

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④300枚のCDから史上最高の一枚を…

2008年頃、イギリスのMTVで「1981年以降に発売された300枚のCDの中から、史上最高の一枚を選ぶ」という企画がありました。

4万人以上が投票に参加したこのランキングで、数々の歴史的名盤を抑え――なんとクレイグ・デイヴィッドの2000年のデビューアルバム『Born to Do It』が、マイケル・ジャクソンのあの世紀の名盤『Thriller』に次ぐ2位に選ばれています。

 

20位までの順位はざっとこんな感じ。

  1. マイケル・ジャクソン – Thriller
  2. クレイグ・デイヴィッド – Born To Do It
  3. ガンズ・アンド・ローゼズ – Appetite For Destruction
  4. レディオヘッド – OK Computer
  5. ニルヴァーナ – Nevermind
  6. オアシス – (What's The Story) Morning Glory?
  7. オアシス – Definitely Maybe
  8. U2 – The Joshua Tree
  9. アークティック・モンキーズ – Whatever People Say I Am, That's What I'm Not
  10. エイミー・ワインハウス – Back to Black
  11. ザ・ストロークス – Is This It?
  12. カニエ・ウェスト – The College Drop Out
  13. ザ・ストーン・ローゼズ – The Stone Roses
  14. エミネム – The Marshall Mathers LP
  15. ザ・スミス – The Queen Is Dead
  16. レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン – Rage Against The Machine
  17. プリンス&ザ・レヴォリューション – Purple Rain
  18. R.E.M. – Automatic For The People
  19. アッシャー – 8701
  20. ピクシーズ – Doolittle

 

「1981年以降」という条件なので、ビートルズやレッド・ツェッペリン、ボブ・ディラン、ローリング・ストーンズ、ザ・フーといったレジェンドたちはほとんど対象外なわけだけど……それにしても、この顔ぶれの中で2位というのはすごい。

初めてこの結果を見たとき、「え、ホントに?間違ってない?」と思ってしまったのも無理はないですよね?
そして今、あらためて見返してみても――やっぱり「ホントに?」と思ってしまう。

だってオアシスやレディオヘッドよりも、ニルヴァーナよりも上だなんて、普通は想像できないじゃないですか?

でも僕が知らないだけで、あの頃のクレイグ・デイヴィッドにはそれだけの勢いがあったってことなんでしょうね…。

 

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