①アメリカのパワーポップを…

アメリカのパワーポップを語る上で欠かすことのできないバンド、チープ・トリック。

ブロンド長髪のボーカリスト、ロビン・ザンダーはまるで王子様のように整った顔立ちだけど、ボーカルの実力は折り紙付き。

ハスキーな声質を活かした甘く力強いボーカルが特徴で、渋く歌い上げたり、激しくシャウトしたり、ため息が出るような美しいハイトーンボイスを使い分けたりできることから、デビュー当時は「千の声を持つ男」「七色の声を持つ男」と評価されていました。

2009年にはロックミュージックを専門としたイギリスの雑誌「Classic Rock」で、ロックで最も偉大な歌手として23位にランクインしたりもしています。

 

 

「Time Will Let You Know」は神聖な泉に投げ入れられた小石が作りだす波紋のように、静かな感動が胸に広がるゴスペルチックなバラードナンバーです。

二ルソンがカバーしたことで有名な「Without You」を想起させるピアノのイントロ、随所で効果的に挿入されるハープのような音色のギター。

どこか繊細さも感じるロビンの歌声は曲が進むにつれて徐々に力強くなっていき、感情を絞り上げながらラスト圧巻のコーラスパートへ。

心が浄化された感覚になるほどの美しさと感動を全身全霊で感じることができる、もっと評価されるべき珠玉のバラードです。

↓Youtube【Robin Zander Time Will Let You Know】

 

 

②歌詞と和訳

Songwriter(s) - Robin Zander, Brian O'Doherty

Look at you and look at me
Now what are we supposed to be?
We're so afraid of something new
You know it's true
You turn around and then it's gone
You can't be sure if it's the same old song
We're so afraid of everyone
Afraid of the sun
Please let this be love
A love that's so true
Oh
It's all up to me
It's all up to you
Time will let you know
Whatever will be
Whatever you do
Time will let you know
You see your folks and all their friends
Ain't it funny how the story ends?
You wonder why you're hangin' on
When it's gone
Repeat(■ → ★ → ■ → ★ → ★ → ※)
キミの姿、僕の姿を見てみなよ
僕たちはどうなっちゃうんだろう
二人とも新しいことをすごく恐れてる
キミもわかっているはずさ
振り返るといつのまにか消えている
これまで通りの歌かどうか確信が持てない
二人とも皆をこんなに恐れている
太陽を恐れている
どうかこれが愛でありますように
愛が真実でありますように
すべては僕しだい
すべてはキミしだい
時間がキミに教えてくれるさ
この先どうなろうと
この先何をしようと
時間が君に教えてくれるだろう
両親やその友達を見ると
物語の結末はおもしろいね
彼らがなぜしがみついているのか不思議だろ?
愛がなくなっているのに

繰り返し(■ → ★ → ■ → ★ → ★ → ※)

 

 

③1993年のソロデビューアルバムは…

「Time Will Let You Know」が収録されている1993年のソロデビューアルバム「Robin Zander」は、ロビンが自分の視野を広げていろいろな角度から音楽のスタイルに挑戦することに成功したアルバム。

のちにロビン本人も「楽しく快適に自分のやりたい音楽を作ることができた」と振り返っています。

 

ちなみに「Time Will Let You Know」では、

  • エルトン・ジョンの「Your Song」
  • 二ルソンの「Without You」
  • デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」

など数多くの名曲のアレンジで知られるPaul Buckmaster(ポール・バックマスター)が指揮する60人編成のオーケストラと聖歌隊が参加。

曲が進むにつれてだんだんと分厚くなっていくコーラスやオーケストレーションの仕事ぶりはさすがですね。

壮大でゴスペルチックなアレンジが好きな人なら百発百中でハマれる曲だと思います。