①グランジ全盛期の1992年に…

ジン・ブロッサムズはオルタナティブ、グランジが全盛期の1992年にメジャーデビュー。

爽やかで甘酸っぱいサウンドを武器にアメリカのカレッジチャートで人気を確立させたバンドです。

 

「Til I Hear It from You(ティル・アイ・ヒア・イット・フロム・ユー)」はアメリカで1995年に公開されたコメディ映画『エンパイアレコード』のサウンドトラックからシングルカットされ、全米シングルチャートでは9位になった曲。

シンプルだけど強烈にセンチメンタルなギターのリフ、そして繊細なロビンの歌声が胸に染みるポップバラード。

 

曲が始まって1分30秒以内に2番のサビまで歌い終わってしまうテンポの良さや、深い余韻を残すラストのコーラスアレンジは良い意味でクセが無くて、聴く人を選ばない。

派手なことや特別なことはやってないけど無駄なく切なさのツボを突いているのはさすがジン・ブロッサムズ。

 

この曲は1996年のアルバム「Congratulations I'm Sorry(コングラチュレイションズ…アイムソーリー)」の日本国内盤にのみボーナストラックとして収録されていますが、アメリカ盤ではなぜか未収録。

アメリカでは残念がったファンも多かったんじゃないかなあ…。

YouTube【Gin Blossoms - Til I Hear It From You (Official Music Video)】

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ユニバーサル ミュージック

 

 

②歌詞と和訳

Songwriter(s) - Jesse Valenzuela, Robin Wilson, Marshall Crenshaw

I didn't ask
They shouldn't have told me
At first I'd laugh, but now
It's sinking in fast
Whatever they've sold me
Well baby, I don't want to take advice from fools
I'll just figure everything is cool
Until I hear it from you
It gets hard
The memory's faded
Who gets what they say
It's likely they're just jealous and jaded
Well maybe I don't want to take advice from fools
I'll just figure everything is cool
Until I hear it from you
Until I hear it from you
I can't let it get me off
Or break up my train of thought
As far as I know, nothing's wrong
Until I hear it from you
Still thinking about not living without it
Outside looking in
'Til we're talking about it, not stepping around it
Maybe
I don't want to take advice from fools
I'll just figure everything is cool
Until I hear it from you (hear it from you)
Until I hear it from you (hear it from you)
Until I hear it from you (hear it from you)
僕から聞いたわけじゃない
だからあいつらは僕に教えるべきじゃなかった
僕も最初は笑ってた だけど今
すごい早さで落ち込んでる
僕を説得してきたことなんてどうでもいいんだ
馬鹿な奴のアドバイスなんて聞きたくない
なにもかもが順調だと僕は思うだろう
キミからそれを聞くまではね
どんどんキツくなってきて
想い出も色あせてしまった
あいつらの言うことなんて誰が理解できる?
嫉妬して疲れ切ってるだけかもしれない
馬鹿な奴のアドバイスなんて聞きたくない
なにもかもが順調だと僕は思うだろう
キミからそれを聞くまでは
キミからそれを聞くまでは
その考えから抜け出すことができない
一連の思考を断ち切ることも
僕が思う限りでは何の問題もないよ
キミからそれを聞くまでは
それなしじゃ生きられない まだそんなことを考えてる
僕は外から中を見てる
僕らが避けて通らず話せるようになるまで
たぶんね
馬鹿な奴のアドバイスなんて聞きたくない
なにもかもが順調だと僕は思うだろう
キミからそれを聞くまでは
キミからそれを聞くまでは
キミからそれを聞くまでは

 

 

③カレッジチャートとは…

ジン・ブロッサムズのファンが増えるきっかけになった『カレッジチャート』とは、大学の学生が運営している小さなFMラジオ局のリクエストをいくつかの大学から集計したもの。

 

アメリカではラジオ局を持っている大学が多く、学生DJが曲を流したり人気のバンドを大学に招いてコンサートを開くこともあったりするみたいです。

 

昔はCMJ(カレッジ・ミュージック・ジャーナル)という雑誌も発行されていて、この雑誌の付録CDを聴くことでアメリカの大学生は流行りの音楽を取り込んでいきました。

 

 

インディー・ロック愛好家からは絶大な人気を誇っていたカレッジチャート。

 

カレッジチャートで人気に火が付いて世界的なバンドになったグループと言えばREMが有名ですね。

 

それにしても、前作「ニュー・ミゼラブル・エクスペリエンス」に引き続いて2枚連続これだけクオリティが高いアルバムを作りながらも1997年には解散だなんてシビアすぎる…。(※2002年に再結成。2006年にはアルバムも発表しています)

 

 

④メンバーの自死とアルバムタイトル

コングラチュレイションズ…アイムソーリーからさかのぼること約4年。

 

 

彼らのメジャーデビューアルバムである「New Miserable Experience(ニュー・ミゼラブル・エクスペリエンス)」はいきなり200万枚を売り上げる大ヒットを記録。

 

 

Hey Jealousy(ヘイ・ジェラシー)などのヒットシングルも生まれ、ジン・ブロッサムズはめでたくブレイクを果たしました。

 

 

その出世作「ニュー・ミゼラブル・エクスペリエンス」でソングライターとして活躍していたのは、ギタリストのダグ・ホプキンス。

 

 

このアルバムでは「ヘイ・ジェラシー(全米25位)」「ファウンド・アウト・アバウト・ユー(全米25位)」などのヒットシングルを手掛けていました。

 

 

しかしダグはアルバム製作中にアルコール依存と鬱の症状が悪化。

 

 

症状はどんどん悪くなっていきレコーディング中に立つことさえままならない状態に。バンドメンバーが解雇をためらっていたことから、レーベルであるA&Mが半ば強制的にダグをバンドから解雇。

 

 

ダグはその後、拳銃自殺により32歳の若さでこの世を去っています。

 

 

そして1996年に発表された、Til I Hear It from Youを収録したアルバムのタイトルは直訳すると、

 

 

Congratulations… I'm Sorry

(おめでとう…ごめんな)

 

 

なんだか意味深なタイトルですよね。