①The Go-Go’sの中心メンバーだった…
1980年代前半に活躍したThe Go-Go’s(ゴーゴーズ)の中心メンバーだったベリンダ・カーライル。女性だけのバンドの"アルバム"として初の全米No.1を獲得し、その後ソロに転向したシンガーです。
(※ちなみに、女性バンドとして"シングル"で初めて全米1位を取ったのは、1986年のバングルス「Walk Like an Egyptian」だと思う。違ったらすみません…)
ベリンダ・カーライルといえば「Heaven Is a Place on Earth」。
アメリカとUKの両方で1位を記録した、彼女最大のヒット曲です。日本でもCMなどで使われていたので、耳に残っている人も多いはず。今でも“80年代ポップスの象徴”として根強い人気がありますね。
でも、私が一番好きなのは断然「Leave a Light On」。
1989年にリリースされたこの曲は、アメリカで11位、UKで4位を記録。オーストラリアやカナダなどでもTOP10入りし、世界的ヒットになりました。
「Heaven Is a Place on Earth」ほど日本では知られていないけれど、80年代の洋楽ファンなら、このがイチオシだって人も多いんじゃないかな。
出だしのAメロから終わりまで、「これぞ80年代ポップス!」と言いたくなるほどキャッチーで、一度聴いたらすぐ口ずさめるメロディ。加えて、ベリンダの透明感のあるボーカル。曲を包む爽やかさがたまらないんですよ…。
Youtube【Belinda Carlisle - Leave A Light On】
②歌詞の和訳
Songwriter(s) - Rick Nowels / Ellen Shipley
Take my handTell me what you are feelingUnderstandThis is just the beginning
Although I have to goIt makes me feel like cryingI don't know when I'll see you again
Darling leave a light on for meI'll be there before you close the doorTo give you all the love that you need
Darling leave a light on for me'Cause when the world takes me awayYou are still the air that I breathe
I can't explain I just don't knowJust how far I have to goBut darling I'll keep the keyJust leave a light on for me
Yes I knowWhat I'm asking is crazyYou could goJust get tired of waiting
But if I lose your loveTorn out by my desireThat would be the one regret of my life
Darling leave a light on for meI'll be there before you close the doorTo give you all the love that you need
あなたが扉を閉めてしまう前に、私は戻ってくるから
あなたが求めるすべての愛を抱えて
Darling leave a light on for me'Cause when the world takes me awayYou are still the air that I breathe
I can't explain I just don't knowJust how far I have to goBut darling I'll keep the keyJust leave a light on for me
Just like a spark lights up the darkBaby that's your heartBaby that's your heartBaby that's your heart
Darling leave a light on for meI'll be there before you close the doorTo give you all the love that you need
あなたが扉を閉めてしまう前に、私は戻ってくるから
あなたが求めるすべての愛を抱えて
Darling leave a light on for me'Cause when the world takes me awayYou are still the air that I breathe
③愛の灯りを消さないでほしい…
歌詞のテーマは、少し距離を置かなければならない恋。「あなた」のことを変わらず想い続けながら、いつかまた戻れる日を信じて“愛の灯りを消さないでほしい”と願う女性の歌です。
別れではなく、“つながりを信じる”強さと優しさに満ちた物語。
恋をして、前を向いて、また未来を信じる。そんな女性のポジティブなエネルギーが、当時30代でノリにノッていたベリンダの姿とぴったり重なって見えるんですよね。
この曲を語る上で外せないのが、ジョージ・ハリスンのスライドギター。間奏で流れる、かすかに震えるようなあの音色…最高ですよね。
優しくて、少し切なくて、でも温かい。
このスライドギターがあるからこそ、曲に深みが生まれてる気がします。もし入っていなかったら、「Leave a Light On」はもう少しあっさりした印象になっていたかも…。
それでもいい曲には違いないですけどね。
④聴くたび不思議に思って…
「Leave a Light On」を聴くたび不思議に思ってました。
サビの入りの「Darling leave a light on for me」の部分、音程がそんなに高いわけでもないのに、起伏があるわけでもないのに、ものすごく印象に残るんですよね。
なぜだろう?
よくあるポップスの構成って、Aメロで低めに始まって、Bメロで少し盛り上げて、サビで一気に高音を開放する――いわば“山を登っていく”ような流れ。
でもこの曲はその逆。
Aメロの一発目でかなり高めの音から入っていて、サビではむしろ音程が下がる。
普通なら盛り上がりそうなところで、あえてトーンを落とす。その変化球的な構成が耳を惹きつけるのかも。
しかも「Darling leave a light on for me」というフレーズ、抑揚があまりなくて淡々としているのに、言葉のリズムがすごく心地いい。“light on”のところで少し強調されるドラムのタイミングが絶妙なんですよね。
ベリンダの声もまた、この低めの音程によく合っていて。高音で張るよりも、中低音で抑えながら感情を込めたときのほうが、
彼女の声って、ぐっと説得力が増すような気がします。
“灯りを消さないで”と祈るようなそのボーカルが、曲全体に温かく、でもちょっと切ない余韻を残しているところも最高なんだよなぁ。