①黒いジョン・レノンと呼ばれたことも
Lenny Kravitz(レニー・クラヴィッツ)はロック、ファンク、ポップなどジャンルにとらわれない幅広い音楽性で数々のヒット曲を生み出してきたアメリカ出身のミュージシャン。
ジミ・ヘンドリックスやプリンスなどのブラックミュージックだけでなく、ジョン・レノンの影響も受けていたことから『黒いジョン・レノン』とも呼ばれていました。
『黒い…』なんて言葉は差別的な言い方になっちゃうので今はそんな呼ばれ方はしないと思いますけど…。
レニー・クラヴィッツはボーカルとギターだけでなくベースやドラム、キーボードなどの以外にも、グロッケンシュピール、カリンバなど、色んな楽器を演奏できるマルチプレイヤーとしても有名。
『グロッケンシュピール』っていうのは子供のころ音楽の授業で使った鉄琴のような楽器。『カリンバ』は小型のオルゴールみたいな見た目で、両手に持って親指で弾いたり撫でるようにして弾く楽器です。
音楽に詳しくないと聴いたことも無いような楽器まで使いこなす、多才でクリエイティブなミュージシャン。
さらには世界で最も権威のある音楽賞の一つであるグラミー賞において、1999年から2002年の4年連続で最優秀男性ロックボーカルパフォーマンス賞も獲得。ボーカリストとしても名実ともにスゴイ人なんです。
1993年にリリースされイギリスで1位、アメリカで12位を記録。レニー・クラヴィッツの人気を不動のものにした3rdアルバム「Are You Gonna Go My Way(自由への疾走)」。
イカしたギターリフのタイトルチューン「自由への疾走」がたぶんファンの間では一番人気なんだろうけど、ワタシ的にはサイケで美しい世界観のバラード「ビリーヴ」がこのアルバムのハイライト。
神々しさの中に安らぎを感じるような、目を閉じて身をゆだねているとそのまま召されてしまいそうなほど高揚感のあるコーラスパートは控えめに言って至福。
ただ、『神の子』『永遠の祝福を与える』『神を信じることだ』的なワードが出てくる、ちょっと宗教的な歌詞は好みが別れるところかもしれないですね…。
YouTube【Lenny Kravitz - Believe】
②歌詞の和訳
Songwriter(s) - Lenny Kravitz, Henry Hirsch
I am you and you are meWhy's that such a mystery?If you want it you got to believeWho are we? We're who we areRiding on this great big starWe've got to stand up if we're gonna be free, yeahIf you want it you got itYou just got to believeBelieve in yourselfCause it's all just a gameWe just want to be lovedThe Son of God is in our faceOffering us eternal graceIf you want it you've got to believeCause being free is a state of mindWe'll one day leave this all behindJust put your faith in God and one day you'll see itIf you want it you got itYou just got to believeBelieve in yourselfCause it's all just a gameWe just want to be lovedThe future's in our present handsLet's reach right inLet's understandIf you want it you've got to believe, yeahIf you want it you got itYou just got to believeBelieve in yourself yeahCause it's all just a gameWe just want to be loved
③CMでゆっくりと優雅に走る…
まだ私が高校生だった1993年。
朝起きて眠い目をこすりながら朝ゴハンを食べている午前7時ころに放送されていた日産『ラルゴ』のCM。
そのCMでゆっくりと優雅に走る車に合わせて流れる「ビリーヴ」を初めて耳にしたときは、あまりの美しさに心を奪われて学校に行く気が失せてしまいました…。
そうは言ってもちゃんと学校には行きましたけど、まったく授業には集中できず放課後すぐにレンタルショップへ直行。
家に帰ってCDをセット。さっそく2曲目のビリーヴまでスキップして再生ボタンをON。
そしてスピーカーから流れてきたのはCMで虜にされたメロディ・・・
からは全然イメージできないような、ほわほわしたミステリアスなイントロ。
(あれ?)
Aメロに入ってからも中期ビートルズに似たようなサイケデリックな雰囲気は変わらずで呪術的で独特な曲調だし、ボーカルはフワフワしたエフェクトが強めにかかってる。
(こんな曲だったっけ?)
この時点で完全に曲名を間違えたと思ってかなりガッカリしてました。
だけど・・・
コーラスパートに入った瞬間、サイケな雰囲気から一転して聴こえてきたのは紛れもなくあのCMの美しいメロディ。
いったん諦めてたので感動もひとしおでした(笑)
そんな感じでAメロとコーラスで印象が180°変わる曲なのでドライブデートで彼女さんに聴かせる時は、
『違う曲にしていい?』
って言われたとしても気合でコーラスパートまで聴かせ続けましょう…。