①ノーザン・ライツの作曲担当はデヴィッド・フォスター
「Tears Are Not Enough(ティアーズ・アー・ノット・イナフ)」は、1985年にエチオピアを始めとするアフリカの飢餓と貧困を救うために作られたチャリティーソングで、アルバム「We Are The World」の5曲目に収録されています。
結果として30万枚以上を売り上げ、1990年までのおよそ5年間で約300万ドルが飢饉への救済にあてられました。
カナダ版「We Are The World」とも言われるこの曲を歌っているのは、カナダのアーティストらにより結成されたNorthern Lights(ノーザン・ライツ)。
作曲は、シカゴの「Hard to Say I'm Sorry(素直になれなくて)」で知られるカナダ出身の大物プロデューサー、デヴィッド・フォスターがメインで担当しています。
どことなくAORの雰囲気を感じる壮大な曲に仕上がっているので、世界的に大ヒットした「We Are The World」よりもこちらの方が好きだという方も多いかもしれません。
↓Youtube動画はこちら
- We Are The World - USA For Africa
- If Only For A Moment, Girl - Steve Perry
- Just A Little Closer - The Pointer Sisters
- Trapped - Bruce Springsteen and the E Street Band
- Tears Are Not Enough - Northern Lights
- 4 The Tears In Your Eyes - Prince and the Revolution
- Good For Nothing - Chicago
- Total Control - Tina Turner
- A Little More Love - Kenny Rogers
- Trouble In Paradise - Huey Lewis and the News
②日本で有名なアーティストは少ない?
カナダ出身の歌手で結成されているノーザン・ライツ。
歌っているメンバーはカナダではかなり有名な方たちみたいだけど、ぶっちゃけ日本ではあまりなじみのないアーティストが多いかも。
私はブライアン・アダムス、デヴィッド・フォスター、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、マイク・レノ、コリー・ハート以外のアーティストはあまりわかりませんでした…。
それでもブライアン・アダムスが作詞を担当し、ヒットメイカーのデヴィッド・フォスターが作曲したのなら名曲でないはずがありません。(※歌詞の一部はジム・ヴァランス、フランス語はレイチェル・ペイメントが担当)
そう確信しながら聴いてみたら、曲の方向性は期待通り。でも聴き終わった後の感動は想像の遥か上をいきました。
メロディの良さはデヴィッド・フォスターの手腕によるところが大きいんでしょうけど、歌に関しても感動するのは当然ですよね。
だって私が名前を知らないというだけで、歌っているのは全員カナダではトップクラスのシンガーなんですから。
「Tears Are Not Enough」の中で自分が良いなと思う歌声があったからそのアーティストの曲を聴いてみよう、って感じに新たなアーティストとの出会いを探すのも面白いかもしれませんね。
③参加アーティストを簡単に紹介
日本でも知名度のあるアーティストが多い1番のパートについて、歌っている順番にアーティストの情報を簡単にまとめてみました。
ちなみにコリー・ハートだけは1番のパートには参加してません。
でも、カナダを代表するシンガーとしてブライアン・アダムス同様に日本でも人気のあるアーティストなので紹介しています。
(1)Gordon Lightfoot - ゴードン・ライトフット
魅力的なバリトンボイスの持ち主で、カナダのグラミー賞と呼ばれるJUNO賞を数多く受賞。ボブ・ディランも好きなアーティストとして敬意を表している、カナダが誇る世界的なフォークレジェンド。
- If You Could Read My Mind(1970) … 全米5位
- Sundown(1974) … 全米1位
- Carefree Highway(1974) … 全米10位
- The Wreck of the Edmund Fitzgerald(1976) … 全米2位
(2)Burton Cummings - バートン・カミングス
3週連続全米No.1を記録した「American Woman」で知られるバンド、ゲス・フー(The Guess Who)の元リードシンガー兼キーボード。American Womanはレニー・クラヴィッツのお気に入りの曲でもあり、1999年にカバーバージョンがリリースされています。
- These Eyes(1969) … 全米6位
- No Time(1969) … 全米5位
- American Woman(1970) … 全米1位
- No Sugar Tonight(1970) … 全米1位
(3)Anne Murray - アン・マレー
1974年度のグラミー賞で最優秀カントリー女性歌手賞を受賞。1978年の「You Needed Me(辛い別れ)」での全米No.1獲得は、カナダ出身の女性ソロアーティストとしては史上初の快挙。
- Snowbird(1970) … 全米8位
- Danny's Song(1972) … 全米7位
- You Won't See Me(1974) … 全米8位
- You Needed Me(1978) … 全米1位
(4)Joni Mitchell - ジョニ・ミッチェル
フォークをベースにジャズやロックなどを取り入れた繊細な楽曲は多くのフォロワーを生み出しました。1969年~2016年にかけて9つものグラミー賞を獲得し、ロックの殿堂入りも果たしているカナダが世界に誇る女性シンガーソングライターです。
- Chelsea Morning(1969) … アルバム「Clouds」収録
- Both Sides Now(1968) … アルバム「Clouds」収録
- The Circle Game(1970) … アルバム「Ladies of the Canyon」収録
- Help Me(1974) … 全米7位
(5)Dan Hill - ダン・ヒル
繊細で誠実な雰囲気の大人のバラードが得意で、ジョージ・ベンソンやセリーヌ・ディオンのプロデュースをしたことも。1978年の「Sometimes When We Touch(ふれあい)」は全米3位を獲得しており、カナダでは根強いファンが多いアーティストです。
- Sometimes When We Touch(1978) … 全米3位
- Can't We Try(1987) … 全米6位
(6)Neil Young - ニール・ヤング
CSN&Y(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)や、バッファロー・スプリングフィールドのメンバーとして活躍。1970年代前半にはフォークロック界に燦然と輝く名盤「After The Gold Rush(アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ)」「Harvest(ハーヴェスト)」を立て続けに発表。2010年のバンクーバーオリンピックの開会式では、カナダ代表のアーティストとしてパフォーマンスを行っています。
- Only Love Can Break Your Heart(1970) … 全米33位
- I Believe in You(1970) … アルバム「After The Gold Rush」収録
- Heart of Gold(1971) … 全米1位
- Old Man(1972) … 全米31位
(7)Bryan Adams - ブライアン・アダムス
ハスキーでパワフルなボーカルを武器に1980年代~1990年代を中心に数多くのヒット曲を世に送り出した、世界でも有数のロックスター。1991年にリリースされ、イギリスで16週連続No.1を記録し、ギネスにも認定された大ヒット曲「(Everything I Do) I Do It for You」を始めとした数々のバラードは日本人好みのキャッチーなメロディが多い。1993年には映画『三銃士』のテーマソング「All for Love」をロッド・スチュワート、スティングと歌っており、当然のようにアメリカで1位、イギリスで2位の大ヒットを記録しています。
- Straight from the Heart(1983) … 全米10位
- Heaven(1985) … 全米1位
- (Everything I Do) I Do It for You(1991) … 全米1位
- Please Forgive Me(1993) … 全米7位
- All for Love(1993) … 全米1位
(8)Mike Reno - マイク・レノ
キーボードを前面に押し出したポップなハードロックで1980年代にヒットしたバンド、ラヴァーボーイのリードボーカル。1984年の映画『フットルース』では挿入歌の甘いバラード「Almost Paradise(パラダイス~愛のテーマ)」をアン・ウィルソンとデュエットしたことでも当時話題に。
- Turn Me Loose(1980) … 全米35位 ※Loverboy
- Working for the Weekend(1981) … 全米29位 ※Loverboy
- Lovin' Every Minute of It(1985) … 全米9位
- This Could Be the Night(1986) … 全米10位
(9)Liberty Silver - リバティ・シルヴァー
カナダのグラミー賞と言われるJUNO賞(ジュノー賞)を受賞した初の黒人女性。R&Bだけでなく、ポップやロックはもちろんのことジャズやゴスペル、レゲエといった多くのジャンルからインスピレーションを受けた幅広い楽曲が特徴です。
- Lost Somewhere Inside Your Love(1985)
- Heaven Must Have Sent You(1989) ※Otis Gayle & Liberty Silver
(10)Corey Hart - コリー・ハート
1980年代に甘いルックスとセクシーな歌声で、同じくカナダ出身のブライアン・アダムスと共に本国のカナダだけでなく日本でも人気を獲得。日本ではエルヴィス・プレスリーのカバーソングである「Can't Help Falling In Love(好きにならずにいられない)」が有名で、1989年には日本武道館のステージにも立っています。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主演をスピルバーグ監督に打診されるも、音楽に集中したいという理由から断ったという逸話も。
- Sunglasses at Night(1984) … 全米7位
- It Ain't Enough(1984) … 全米17位
- Never Surrender(1985) … 全米3位
- Can't Help Falling in Love(1986) … 全米24位
④「ティアーズ・アー・ノット・イナフ」歌詞の和訳
見てみぬふりなんかできないよ
(※ 繰り返し)【1番、2番を歌った18人全員】
(★ 繰り返し)【1番、2番を歌った18人全員】
(※ 繰り返し)【1番、2番を歌った18人全員】
(★ 繰り返し)【1番、2番を歌った18人全員】