①音楽都市グラスゴー出身の…
スコットランドの音楽都市グラスゴー出身のバンド、TEXAS(テキサス)。1989年にデビューしてから、2025年までに10枚のスタジオアルバムをリリースしています。
ちなみに2024年には『The Muscle Shoals Sessions』っていうアルバムも出していて、これは昔の曲を再構築した特別な作品。完全な新作アルバムというより、セルフカバーやカバー曲も混ざった“企画盤”に近い感じなんですよね。
その10枚のアルバムのうち2枚がイギリスでNo.1、さらに他の5枚もトップ10入り。全世界でのCDセールスは3500万枚以上。まさに、イギリスを代表する人気バンドのひとつ。
スコットランド出身なのにバンド名が「TEXAS」なのは、1984年に公開された映画『Paris,Texas(パリ、テキサス)』から取ったからなんだそう。アメリカのテキサス州出身のバンド、というわけではないんですね。
彼らが1997年にリリースした4thアルバム『White on Blonde(ホワイト・オン・ブロンド)』は、全世界で400万枚以上を売り上げた彼ら最大のヒット作。このアルバムからは5曲がシングルカットされて、すべてイギリスのトップ10入り。その年のイギリスで最もラジオで流れたアーティストにもなったんです。
そのシングルのひとつ「Say What You Want」は全英3位を記録。2025年現在、彼らのシングルの中で最もヒットした曲です。シャーリーン・スピテリの伸びやかでちょっとセクシーな歌声と、気だるい雰囲気が心地いい、大人っぽいポップソングになっています。
Youtube【Texas - Say What You Want (Official Video)】
②歌詞と和訳
Songwriter(s) - Johnny McElhone / Sharleen Spiteri
Twenty seconds on the back timeI feel you're on the runNever lived too long to make rightI see you're doing fine
And when I get that feelingI can no longer slideI can no longer runAh no noAnd when I get that feelingI can no longer hideFor it's no longer funAh no no
Yeah, you can say what you wantBut it won't change my mindI'll feel the same about youAnd you can tell me your reasonsBut it won't change my feelingsI'll feel the same about you
What I am is what you want of meYeh, now that I'm not thereI took the tables away from youIt's turned and I don't care
And when I get that feelingI can no longer slideI can no longer runAh no noAnd when I get that feelingI can no longer hideFor it's no longer funAh no no
Yeah, you can say what you wantBut it won't change my mindI'll feel the same about youAnd you can tell me your reasonsBut it won't change my feelingsI'll feel the same about you
Yeah, you can say what you wantBut it won't change my mindI'll feel the same about youAnd you can tell me your reasonsBut it won't change my feelingsI'll feel the same about you
I've said goodnightTry to sleep tightAh just dream of meGo close your eyes'Cause I've closed mineThe sun will shine from time to timeOh, when you dream of me, yeh
Yeah, you can say what you wantBut it won't change my mindI'll feel the same about youAnd you can tell me your reasonsBut it won't change my feelingsI'll feel the same about you
③たまたま深夜まで点けていたテレビで…
学生時代にたまたま深夜まで起きていた時、テレビから流れてきたU.Kのシングルチャート。
一度聴いて強烈に惹きつけられるタイプの曲じゃなかったのに、なぜか耳に残る。若い頃の自分には、モダンでおしゃれな雰囲気にすぐ飛びつくような感性はなかったと思うんだけど、それでもなぜか忘れられなかったんですよね。
当時は田舎に住んでいて、海外アーティストのCDはなかなか手に入らなかった時代。Amazonなんてまだなかったし。だからCDを買うことはできなかった。
それから1〜2年後、大学進学で東京に出てきて、渋谷だったか新宿だったか…タワレコかHMVかも覚えてないけど、偶然このアルバムを見つけて、やっと…やっと…手に入れることができました。
アルバムの帯に書かれていたプロモーションコメントは「クラッシィでスタイリッシュ」。クラッシィは「上等・上品」、スタイリッシュは「しゃれてる・流行の」。
実際に聴いてみると、確かにクラッシィでスタイリッシュという言葉がピッタリ。日常の中にふっとおしゃれな風を吹き込んでくれるようなアルバムでしたね。
④私の中では「朝」のイメージが強く…
なぜか「Say What You Want」で歌われている時間軸は、私の中では「朝」のイメージ。
メロディが落ち着いていて、ギターの音が“目覚めてから動き出すまでの時間”を思わせること。シャーリーンのセクシーでアンニュイなのに自然体な声が、寝起きの空気感に重なること。そして歌詞の内容が、まるで恋人と過ごした翌朝の気持ちのように響くから。そんな理由が重なっているからだと思う。
清々しい朝というより、どこか気だるい朝。仕事が休みの日に、なんとなくYouTubeを流していたらこの曲がふいにかかって、1曲終わるまで動けなくなる。そんな日もあったなぁ。
倦怠期なのか愛想をつかしたのか、大人の女性のちょっぴり感傷的な歌詞。
それを包み込むように流れる落ち着いたメロディや、ポロロンとしたギターの響き。その音のゆるやかさが朝に特有の気だるさと重なるのかも…。