①ビートルズ未発表曲のプロデュースをしたポップ職人

ストリングスを取り入れたオーケストラ風のアレンジで、1970年代、1980年代にヒット曲を量産しまくったELO。

「アームチェア・シアター」はELOのフロントマンで、稀代のメロディメーカーとの呼び声も高かったジェフ・リンが1990年にリリースした初のソロアルバム。

 

ビートルズの未発表曲「フリー・アズ・ア・バード」のプロデュースを手掛けたジェフ・リンのアルバムということで期待して聴いてみると、これが意外にも落ち着いた曲ばかり。

全盛期のELOサウンドのような壮大さや盛り上がりは感じられず、後期ELOのようなキャッチーなエレポップでもない。

そう感じたのは私だけではなかったようで、「アームチェア・シアター」はUKで24位、USにいたっては83位という低評価に終わっています…。

 

↓Youtube【Jeff Lynne - Lift Me Up Remastered】

 

 

②歌詞と和訳

Songwriter - Jeff Lynne

Love is what I want, oh yeah
And all you gotta do is bring it to me, baby
Talk is what I want, oh yeah
(What I want, what I want)
And all you gotta do is bring it to me, baby
(Talk) Come on, let's talk about it
(Talk) Can't seem to do without it
(Talk) Don't want to be one of
The broken-hearted
So lift me up, finish what you started
Take me on for a ride
Lift me up from the broken-hearted
River's deep and wide
All I want is love, oh yeah
(What I want, what I want)
And all you gotta do is listen to me, baby
(What I want, what I want)
(Think) You've got to think about it
(Think) And do something about it
(Think) No use complainin'
When it's over (Over)
So lift me up, finish what you started
Take me on for a ride
Lift me up from the broken-hearted
River's deep and wide
'Cause life gets tougher every day
If you can't afford to pay
Even so, you've got to carry on (Carry on)
So lift me up, finish what you started
Take me on for a ride
Lift me up from the broken-hearted
River's deep and wide
Lift me up
Take me on for a ride
Lift me up from the broken-hearted
River's deep and wide
(Lift me up)
Oh yeah, now
Lift me up, oh
The river's deep and wide
僕が欲しいもの それは愛
キミは愛を持ってきてくれればいいのさ
僕が望むもの それはキミとの会話
僕としゃべってくれるだけでいいんだよ
さあ話をしよう
僕は愛なしじゃいられないみたいだ
哀しみにとらわれた男には
なりたくないんだ
だから僕を引き上げて キミとの別れを終わらせて
僕を乗せていって欲しいんだ
失意の底から僕を引き上げて
深くて広いその川から
僕が欲しいのは愛だけ
キミは僕の言葉に耳を傾けてくれるだけでいい
キミにも考えて欲しいんだ
2人のために何ができるのか
完全に終わった後で
文句を言っても無駄なんだから
だから僕を引き上げて キミとの別れを終わらせて
僕を乗せていって欲しいんだ
失意の底から僕を引き上げて
深くて広いその川から
人生は日ごとに辛くなっていく
キミに失恋の代償を払う余裕がないのなら
それでも続けていかなきゃならないんだよ
だから僕を引き上げて キミとの別れを終わらせて
僕を乗せていって欲しいんだ
失意の底から僕を引き上げて
深くて広いその川から
僕を引き上げて
乗せていって欲しいんだ
失意の底から僕を引き上げて
深くて広いこの川から
今すぐ僕を引き上げてくれ
深くて広いこの川から

 

 

③アルバム収録曲は全体的に…

全体的に「アームチェア・シアター」の収録曲はELOのようなフックの効いたポップな曲がほとんどなく、地味な曲がほとんど。

なので、メロディアスで聴きやすい曲ばかり収録されていることを期待したELO時代からのファンの中にはガッカリした人も多かったかもしれません。

 

そんなアルバムの中で唯一、ポップ職人として手腕を発揮していた往年のジェフ・リンを彷彿とさせてくれるのが3曲目の「リフト・ミー・アップ」。

ジェフ・リンと親交の深い、ビートルズのジョージ・ハリスンがお得意のスライドギターとコーラスで参加したこの曲は、後期ELOのアルバム「バランス・オブ・パワー」で披露したエレポップワールドに近く、聴く人を選ばない万人受けするタイプのポップソングに仕上がっています。

 

 

まるで「アームチェア・シアター」のジャケット写真を思い起こさせる、爽やかな青空のようなサビは控えめに言って感動モノ。清々しさと切なさが同居しているようなメロディには不思議と心が温まる…。

 

地球を見ながらどこまでも宇宙空間を漂っているかのような浮遊感が心地いいバラード「Getting to the Point」あたりのELOが好きな人なら間違いなくハマれると思いますよ!