①イヤー・オブ・ザ・キャット/アル・スチュワート
- 発売年:1976年
- 収録アルバム:Year of the Cat
- アルバム最高位:全米5位
シングルとしては1977年に全米で8位を記録するヒットになったアル・スチュワートの "イヤー・オブ・ザ・キャット" 。
アル・スチュワートは1967年にデビューしたシンガーソングライターで、歌詞は叙情的でストーリー性のあるものが多いのが特徴です。
クールなボーカルと楽曲の先進的なアレンジで特にアメリカで好意的に受け入れられました。
- Lord Grenville
- On The Border
- Midas Shadow
- Sand In Your Shoes
- If It Doesn't Come Naturally, Leave It
- Flying Sorcery
- Broadway Hotel
- One Stage Before
- Year Of The Cat
↓Youtube【The Year Of The Cat-Live /Al Stewart/ Album (The Best Of Al Stewart) (1976)】
②初めて聴いたのはカバーバージョン
実は、"YEAR OF THE CAT" を初めて聴いたのは他のアーティストにカバーされたバージョンの方が先でした。
大学生の時(今から20年くらい前)に購入したF.R DAVIDというフランス人アーティストのアルバム。
タイトル曲 "WORDS" 目当てで買ったんだけど、そのアルバムにたまたま収録されていたのがこの曲 "YEAR OF THE CAT" 。
もともとは "WORDS" が聴ければいいと思って買ったアルバムなので他の曲にはそんなに期待はしてなかったけど、大当たりでした。
カバーバージョンを先に聴いた時ってオリジナルも聴きたくなりません?
私はオリジナルのアレンジや雰囲気がどんな感じなのか知りたくなるタイプなので、必死に調べたけど全然情報が見つからない。
今だったらYouTubeで名前や曲名を検索したらすぐにライブ映像が見られたり、いろんな情報がゲットできたんでしょうけど。
当時はまだ西暦2000年くらい。
YouTubeが設立されたのは2005年なのでその頃はアル・スチュワートの "YEAR OF THE CAT" は聴いてませんでした。
③情感たっぷりでソフトなボーカル
YouTubeが世界的に有名な動画共有ツールになってから、いろいろと音楽動画を見ていた時になんとなく思い出して "YEAR OF THE CAT" と検索。
たぶん動画は出てこないだろうなと思ってましたけど、私が思っている以上にアル・スチュワートは世界的に有名だったみたいで、いろいろなライブ映像を見ることができました!
F.RDAVIDがカバーした "YEAR OF THE CAT" は原曲のイメージを大きく変えない程度に、それでいて現代風にポップにアレンジされてます。
歌声は男性の声に聞こえないくらい透き通るような高温できれいな歌い方なので、F.RDAVIDのカバーバージョンの方が好きな方も多いかもしれません。
だけど個人的には情感たっぷりな、ソフトで優しい歌唱のアル・スチュワートのオリジナルバージョンの方が私は好みです。
④ピアノのリフが印象的
"YEAR OF THE CAT" は、イントロのピアノの印象的なリフが曲を通して効果的に繰り返されてます。
そこに絶妙に重なるアル・スチュワートのメランコリックなボーカル。
ギターやサックスのソロも素晴らしく、特にサックスのソロはこれでもかというほど感傷的で何度聴いても胸が熱くなってしまう。
歌詞に出てくる街並みの物悲しさを表現しているともとれるし、主人公の男の感情を代弁しているともとれる。
その悲しくも美しい音色の魅力は凄まじく、あっという間に曲の世界に深く引きずり込まれてしまいます。
ボーカルについては優しめというか、例えるなら音楽に合わせて歌詞を読み聞かせるような柔らかい歌い方。
好き嫌いは別れるかもしれませんが、この哀愁漂う曲にはこの語りかけるくらいの歌い方が私にはベストでした。
夢なのか現実なのかわからない独特の世界観は、力強すぎる声だと壊れてしまうような気がします。
⑤歌詞の世界観
猫の年に見知らぬ街に来た男が美しい女性と出会い、幻想的な雰囲気の街を案内され恋に落ちる。
けれども男はいずれこの街を去る日が来ることを予感している。
だいぶざっくりとまとめると歌詞の内容はそんな感じです。
情景は浮かべやすくて、どちらかというと具体的な歌詞だと思います。
でも歌の中にも頻繁に出てくる「猫の年」っていう意味だけが、初めて聴いた当時はちょっとよくわかりませんでした…。
ベトナムやタイ、チベットには「卯年」の代わりに「猫年」があるそうです。
中国語でウサギは「マオ」、ベトナム語では「メオ」で発音が似てるだとか、ベトナムではウサギよりも猫の方が身近な存在だからだとか、理由については諸説あるみたいですけどね。
↓Year of the Cat[Songwriter(s) - Al Stewart, Peter Wood]
On a morning from a Bogart movieIn a country where they turn back timeYou go strolling through the crowd like Peter LorreContemplating a crime
あなたは人ごみの中をぶらついている
She comes out of the sun in a silk dress runningLike a watercolor in the rainDon't bother asking for explanationsShe'll just tell you that she cameIn the year of the cat
と言うだけだ
She doesn't give you time for questionsAs she locks up your arm in hersAnd you follow 'till your sense of which directionCompletely disappears
どこに向かっているのか完全にわからなくなってしまうまで
By the blue tiled walls near the market stallsThere's a hidden door she leads you toThese days, she says, I feel my lifeJust like a river running throughThe year of the cat
「私の人生って、猫の年を流れる川のように思えるの」と
While she looks at you so coolyAnd her eyes shine like the moon in the seaShe comes in incense and patchouliSo you take her, to find what's waiting insideThe year of the cat
この猫の年に
Well morning comes and you're still with herAnd the bus and the tourists are goneAnd you've thrown away your choice you've lost your ticketSo you have to stay on
ここにとどまるしかないんだ
But the drumbeat strains of the night remainIn the rhythm of the new-born dayYou know sometimeyou're bound to leave herBut for now you're going to stayIn the year of the catYear of the cat
猫の年に