①ベース奏者としても有名なボーカリスト
ロックにレゲエの要素を取り入れたイギリスのバンド、The Police(ポリス)のボーカル兼ベースで活躍したスティング。
ポリス時代には全英4週連続1位、全米8週連続1位を記録した大ヒット曲「見つめていたい (Every Breath You Take)」 で新たな魅力が開花。
「見つめていたい」のミュージックビデオでは、スティングの身長ほどもある大きなウッドベースを弾きながら歌っているモノクロの映像が印象的でした。
そんなスティング、実はポリス解散後ソロになってもクオリティの高い楽曲を作り続けグラミー賞も10回以上も受賞しているほどのミュージシャン。
なので当然のことながらスティングが歌う曲には「見つめていたい」以外にも良い曲がたくさんあるんですよね。
中でも『もっと日本でもCMとかテレビで起用して欲しい!』と思う曲、それが「ルーズ・マイ・フェイス・イン・ユー (If I Ever Lose My Faith In You)」です。
1994年にスティングが第36回グラミー賞の最優秀ポップボーカルパフォーマンス(男性)を受賞したこの曲は、1993年にリリースされたスティング4枚目のソロアルバム「テン・サマナーズ・テイルズ (Ten Summoner's Tales)」に収録。
シングルとしてのランキングは全英14位、全米17位止まりでしたがアルバムのほうは全英・全米それぞれ2位の大ヒットを記録しています。
↓Youtube【Sting - If I Ever Lose My Faith In You】
②歌詞の和訳
↓Songwriter - Sting
You could say I lost my faith in science and progressYou could say I lost my belief in the holy churchYou could say I lost my sense of directionYou could say all of this and worse but★If I ever lose my faith in youThere'd be nothing left for me to doSome would say I was a lost man in a lost worldYou could say I lost my faith in the people on TVYou could say I'd lost my belief in our politiciansThey all seemed like game show hosts to me(Repeat ★)I could be lost inside their lies without a traceBut every time I close my eyes I see your faceI never saw no miracle of scienceThat didn't go from a blessing to a curseI never saw no military solutionThat didn't always end up as something worse butLet me say this firstIf I ever lose my faith in you(If I ever lose my faith in you)There'd be nothing left for me to do(There'd be nothing left for me to do)If I ever lose my faithIf I ever lose my faithIf I ever lose my faithIf I ever lose my faithIn you
③『レオン』のエンディングテーマで…
ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマンが出演していた映画『レオン』。
この映画のエンディングテーマ「シェイプ・オブ・マイ・ハート (Shape Of My Heart)」はスティングのソロで私が初めて聴いた曲。
『レオン』はかなり有名な映画なので、洋画好きな人にとってはスティングの中で一番有名な曲なんじゃないかなと思います。
↓Youtube【Sting - Shape of My Heart (Official Music Video)】
レオンの悲壮感漂うエンディングに絶妙に合った「シェイプ・オブ・マイ・ハート」にハマった結果、スティングの他の曲にも興味が湧いた私。
だけどまだまだ聴いてみたい洋楽ミュージシャンがたくさんあってスティングは順番待ちの状態(?)だったので、すぐにレンタルショップで借りて聴くことはありませんでした。
そんなある日、テレビのCMを何気なく見ていたら突如流れてきた「ルーズ・マイ・フェイス・イン・ユー」。
透明感があって、力強くて伸びのある歌声を聴いた瞬間にスティングの曲だと確信。
すぐにレンタルショップへ走りました💦
④『天使のはしご』を見たときのような…
浮遊感のあるメロディに乗せた、スティングのソフトで心地いい歌声に夢見心地になるAメロ。
サビに入った瞬間、雲が開けて光が差し込んできたかのような開放感のあるメロディに変わり、スティングの伸びやかで透明感のあるハイトーンボイスが響きわたる。
その瞬間はまるで『天使のはしご』を見たときのような、ある種の神々しさすら感じてしまうことでしょう。
参考までに『天使のはしご』とはこんな感じの風景です。
「ルーズ・マイ・フェイス・イン・ユー」のサビは一瞬だけかなりキーが高そうなところがあるので、最近のライブ映像を見るとスティングもちょっと辛そうに見える時があります…。
にしてもこの曲、ラストのサビのアレンジがすごくいい。
ラストのサビはかなり低いところから入って、落ち着いた声で歌い始めてるというか…うまく言えないけどそんな感じ(笑)。
だけどラストのサビの終盤では一気にキーが上がってスティングお得意のハイトーンボイスを披露してます。この抑揚がクセになるんですよね。
ちなみにこの曲が起用されていたCMを見たのはかなり昔のことなので、何を宣伝するCMだったかはちょっと記憶にありません…。
たくさんの気球が空を優雅に飛んでいる、とにかく美しい風景が映ったCMだったような気がします(笑)。
⑤音楽に潜む悪魔『トライトーン』が…
「ルーズ・マイ・フェイス・イン・ユー」は、バロック期のクラシックや教会などで使用が禁止された『トライトーン(三全音とか減5度とも言う)』という和音がイントロで使われています。
この和音は『音楽に潜む悪魔』とも呼ばれ緊急地震速報にも使われるような普段はあまり好まれない、いわゆる不協和音。
中世ではこれを聞いた者は火あぶりにされたと言われるほど忌み嫌われた音なんだそうです。
このトライトーンの怪しげな響きが作りだす冒頭の緊迫感がなんともたまりません。
ディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」、レッド・ツェッペリンの「移民の歌 (Immigrant Song)」などなど、他の有名ミュージシャンの曲にもトライトーンは使われているので、探して聴いてみると面白いかもしれませんね!