①母国アメリカではパワーポップ的な…
ファストボールはアメリカのテキサス州で結成された3人組バンド。母国ではパワーポップ的な扱いになっていたけど、曲を聴いてみた感じでは少なくともパワーポップって表現はしっくりこない。ポップはポップでもちょっと渋めの大人のポップって感じ。
アメリカとカナダではアルバムがバカ売れしたこともあるみたいだけど、たぶん日本ではグループ名を知ってる人は少ないと思う。日本の昭和の曲にありそうなメロディっぽくもあるので、日本語の歌詞に訳して歌われたとしても意外としっくりハマるかも…。
そんな彼らの曲で一番おすすめしたいのが「Out of My Head (アウト・オブ・マイ・ヘッド)」という3分もない短い曲。2ndアルバム All the Pain Money Can Buy に収録されてます。
この曲は1999年にリリースされ、アメリカビルボードのシングルチャートで20位のヒットを記録した哀愁たっぷりのバラードナンバー。空気をたっぷり含んだようなハモンドオルガンの音色がゴスペルをも連想させる荘厳系ポップソング。哀愁たっぷりなんだけどところどころに耳なじみの良いポップなボーカルラインも散りばめられているので、ただ切ないだけじゃなく意外と心温まる佳曲です。
ちなみにアルバムのタイトル All the Pain Money Can Buy は直訳すると『金で買えるすべての痛み』。もうアルバムタイトルからして悲哀や憂いの匂いがにじみ出てますね…。
↓Youtube【Fastball - Out Of My Head (Official video) www.fastballtheband.com】
②歌詞の和訳
Songwriter - Tony Scalzo
Sometimes I feelLike I am drunk behind the wheelThe wheel of possibilityHowever it may rollGive it a spinSee if you can somehow factor inYou know there's always more than one wayTo say exactly what you mean to say★Was I out of my head? Was I out of my mind?How could I have ever been so blind?I was waiting for an indicationIt was hard to findDon't matter what I say only what I doI never mean to do bad things to youSo quiet but I finally woke upIf you're sad then it's time you spoke up too(Repeat ★)
③ノスタルジックな雰囲気と…
「アウト・オブ・マイ・ヘッド」の曲の長さは2分30秒とかなり短め。聴けばわかると思うけど、短いからといって片手間に作った小品というわけじゃない。ノスタルジックな雰囲気と淡い感動にどっぷりと浸れる素晴らしい曲です。
演奏はシンプルだけど、渋くて悲しげなボーカルのこの曲にはそれがすごくよく合う。パワーバラード的な演奏だったらここまで哀愁が漂う曲にはならなかっただろうし。
バンドメンバーがセピア調の画面の中で特に盛り上がることなく、それぞれの演奏をしみじみと楽しんでいるようなミュージックビデオも曲の世界観にぴったり。
他のミュージシャンのミュージックビデオでも、この「アウト・オブ・マイ・ヘッド」みたいにそれぞれのメンバーの演奏がひっきりなしに映ってるちょっとライブを想像させるようなミュージックビデオが個人的には一番好みかも。
余談だけどセンスを表現する「渋い」って言葉はイギリスの辞書にも載ってるらしくて、そのまま「shibui」で通用するんですね…知りませんでした💧