①母国デンマークでは…
母国デンマークではデビューアルバムが5週連続1位を獲得。
センチメンタルで透明感のあるバラードを武器に東南アジアの国々を虜にしたバンド、Michael Learns to Rock(マイケル・ラーンズ・トゥ・ロック)。
バンド名がちょっと長いので、頭文字を取ってMLTRと表記されることも。
MLTRがアジアで人気を獲得することになったきっかけはインドネシアのラジオFM。
彼らの曲に好意を持ったDJがラジオで流したことから徐々にブレイクし、2ndアルバム「Colors(カラーズ)」はヨーロッパのみならずインドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドを含むアジア諸国で大ヒット。
その他のCDも含めたアジア諸国でのトータルセールスは1200万枚以上にものぼります。
それほどアジア圏で大人気だったMLTRですが、日本では1995年発売の3rdアルバム「Played on Pepper(プレイド・オン・ペパー)」でようやくデビュー。1st、2ndアルバムは当時の日本では購入することができませんでした。
というわけで晴れて日本でお披露目となった3rdアルバム。MLTRの持ち味でもある物悲しいギターのメロディと、ハスキーで透き通った歌声が最高の相乗効果を発揮した良曲ばかり。
バラードバンドの印象が強いけどそのクオリティは群を抜いているので、退屈になるなんてことはありません。
哀愁100%のギターから始まる「Someday」は、そんな彼らの数あるバラードの中でも特にテンポが良く、口ずさみやすいポップバラード。
ノスタルジックで切ないバラードが好きな日本人ならMLTRの曲は100%に近い確率で満足できるはず。
日本のレコード会社にもっとプロモーションされていれば確実にヒットしたバンドだと思うんだけどなあ…。
Michael Learns To Rock - Someday [Official Video] (with Lyrics Closed Caption)
②歌詞と和訳
『この恋は終わってしまうけどいつの日か僕たちはまた一緒になれる。だから今はお互いの時間を大切にしていこう』
といったことを歌っています。
女々しさに自信がある男性は思いっきり感情移入できてしまう危険な曲ですね。
Songwriter - Jascha Richter
In my search for freedom and peace of mindI've left the memories behindWanna start a new lifebut it seems to be rather absurdWhen I know the truth is that I always think of you[Chorus]Someday someway together we will be babyI will take and you will take your timeWe'll wait for our fate cas' nobody owns us babyWe can shake we can shake the rockTry to throw the picture out of my mindtry to leave the memories behindHere by the ocean wave's carry voices from youDo you know the truth I am thinking of you too[Chorus] RepeatThe love we had together just fades away in timeAnd now you've got your own worldand I guess I've got mineBut the passion that you plantedin the middle of my heartIs a passion that will never stop[Chorus] Repeat
③それは今からおよそ25年も…
それは今からおよそ25年も前のこと。まだ高校生の時、夜ももう遅い時間につけっぱなしだったテレビでたまたま放送されていた洋楽番組。
その曲こそが「Someday」で、後にMLTRのファンになる私がハマった記念すべき最初の曲です。
エア・サプライのペパーミントサウンドにも似たような、爽やかで哀愁を感じさせる90年代風のキャッチーなメロディ。
耳なじみよく何の抵抗も無くス―ッと心に染みていって、気付いた時には食い入るようにテレビを凝視してました。
曲の最後に表示されるバンド名と曲名を見逃したら絶対に後悔すると思ったので(笑)
MLTRの曲の構成はシンプル。
歌詞とメロディを聴かせることに重点を置いているので、アコースティックギター1本で弾き語っていたとしても感動して聴き入ってしまうような曲ばかり。
業物の弦楽器を思わせるような透き通るようなヤーシャ・リヒターの歌声と、クリーンなトーンのバンドサウンドはこれ以上ないくらいバラード向け。
ロマンティックなバラードが好まれる傾向にあった東南アジアにおいて、爆発的なヒットを連発させていたことも頷けます。
④フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドと…
「Relax」で有名なFrankie Goes to Hollywood(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド)と似ている、Michael Learns to Rockというちょっと変わったバンド名。
まだバンド名が決まっていないのに地元のタレントショーで優勝してしまい、とっさにバンド名を答えなくちゃいけなくなった時に思いついたんだとか。
マイケル・ラーンズ・トゥ・ロックを直訳すると・・・
『マイケルはロックを学ぶ』
マイケルって一体どのマイケルのこと?
考えられそうなところだとマイケル・ジャクソンとかジョージ・マイケルとか?
後のインタビューによると、実はこのマイケルとはマイケル・ジャクソンのことなんだとか。
『キング・オブ・ポップと呼ばれたマイケル・ジャクソンがロックを学んだらどんなサウンドになるんだろう?』
そんな意味も込められてるらしいけど、優勝してとっさにそんなことを思いつくかな…。
もしかしたら、ヤーシャ・リヒターがずっと頭の中で思い描いていたバンド名だったのかも。
でもバンド名が正式決定してからしばらくは『なんでこんなバンド名にしちまったんだ…』って感じで、MLTR自身も慣れるまでに時間がかかったそうで…。
しかも音楽性に関してはマイケル・ジャクソンからの影響はそれほど受けていないということも公言しています。
じゃあなんでこのバンド名にしたのか…謎ですね。