①弱虫が歌う弱虫のためのパワーポップ
バンド名の weezer(ウィーザー) は弱虫とか、泣き虫とか、まわりに馴染めないタイプの問題児のこと。そんなバンド名がピッタリの泣き虫パワーポップを引っさげてデビューしたWeezerは、デビューアルバムがいきなり300万枚の大ヒットを記録。
ボーカルのリヴァース・クォモはハーバード大学を卒業するほどの頭脳の持ち主で、ガンズ・アンド・ローゼズに出会わなかったら今の自分はないと公言するほどのガンズファン。ウィーザーとは雰囲気がだいぶ違うのでちょっと意外でした😅
2001年リリース、アメリカではアルバムチャートの4位を記録したウィーザーの3rdアルバム「The Green Album(グリーン・アルバム)」。デビューアルバム同様にザ・カーズのリック・オケイセックがプロデュースしているので、どの曲も超絶ポップで聴きやすい曲ばかり。
その中でも特におすすめな曲はシングルにもなった「Photograph(フォトグラフ)」。ファニーで軽やかなボーカルとへなちょこなコーラスはポップファンならずともクセになる曲だと思います!
Weezer - Photograph
②歌詞の和訳
Songwriter - Rivers Cuomo
If you want it (oo-oo-oo)You can have it (oo-oo-oo)But you've got to learn to reach out there and grab it (oo-oo-oo)'Cause everybody wants some love (oh, baby)Shooting from the stars above (oh, baby)And though my heart will breakThere's more that I could takeI could never get enoughIf you need it (oo-oo-oo)You should show it (oo-oo-oo)Because you might play so monastic that you blow it'Cause everybody wants some hope (oh, baby)Something they can barely know (oh, baby)And though my heart will breakThere's more that I could takeI could never let it goIt's in the photographIt's in the photographIt's in the photograph of love'Cause everybody wants a dream (oh, baby)Something they can barely see (oh, baby)And though my heart will breakThere's more that I could takeI could never let it beIt's in the photographIt's in the photographIt's in the photograph of loveIf you blew it (oo-oo-oo)Don't reject it (oo-oo-oo)Just sit, drawing up the plans and re-erect it (oo-oo-oo)Just sit, drawing up the plans and re-erect it (oo-oo-oo)Just sit, drawing up the plans and re-erect it (oo-oo-oo)
③ポップセンスが凝縮された2分20秒
1stアルバムの様な泣き虫パワーポップ感の無い、明るくてポジティブ全開なグリーンアルバムの中でも特に私がツボった「Photograph」。
極端に短いAメロはリヴァース・クォモの軽妙なボーカルと、楽しげな手拍子、そして上手いんだか下手なんだかよくわからない裏声コーラス。でもサビに入ったとたん一気にエネルギッシュな曲に変わるその瞬間が狂おしいほど爽快!
曲は2分20秒くらいしかないけど、コミカルなAメロ、力強いサビ、曲に抑揚があって単調になることがないからホント飽きない。一本調子じゃないちょっとひねくれたメロディもクセになるので、短時間のうちに何度も何度もリピートしたくなる。心なしかリヴァース・クォモのもデビュー当時とは違って楽しそうに歌ってるような気がします。
1stアルバムが300万枚以上を軽く売り上げたのに2ndアルバムの「ピンカートン」が50万枚しか売れなかったので、ある意味ヤケクソになって吹っ切れたのが良かったのかも…。ちなみに「ピンカートン」は酷評されて解散説まで飛び出したけど、今ではちゃんと再評価されているみたいですね。
「ピンカートン」をリアルタイムで聴きまくってた自分としては嬉しい限りです😄
④デビューアルバムは300万枚のヒットに
ガンズ・アンド・ローゼズに憧れてバンドを始めたリヴァース・クォモによってロサンゼルスで結成されたウィーザー。リック・オケイセックをプロデューサーに迎えて制作されたデビューアルバム(通称:ザ・ブルーアルバム)がいきなり300万枚のヒットを記録します。
80年代に「You Might Think(ユー・マイト・シンク)」を筆頭に数々のポップソングをヒットさせたあのザ・カーズのリック・オケイセックですから曲のクオリティは言わずもがなって感じですが、ちょうどこのころは日本でもいろいろな洋楽がCDのランキングに食い込んでくるいわゆるCDバブルの時代。
日本のレコード会社も海外の勢いのあるバンドをガンガン売り込んでて、洋楽の国内盤CDの帯には必ずと言っていいほどちょっと気を引くような販促コメントが書いてあったんですよね。そんなこんなでウィーザーのデビューアルバムも、
「一度聴いたら忘れられない大ヒットシングル、バディ・ホリー収録!!」
みたいなことが帯コメントに書かれてました。
これはまあ普通過ぎるくらい普通…ですけど、ジャケット写真のインパクトはとにかく強かった。
ペンキを塗ったようにのっぺりしてるブルーだけを背景に、ウィーザーのメンバー4人があの有名なサスペンス映画「ユージュアル・サスぺクツ」のワンシーンのようにただ突っ立ってる。
だけどウィーザーのジャケット写真は映画のようなカッコよさはみじんも感じられなくて、ただ居心地が悪そうに突っ立っているだけ💧
こんなんで全米300万枚以上を売ったポップバンド?ってな感じで半信半疑で視聴してみたら…これがもうストライクゾーンど真ん中。
全曲ヘロヘロなパワーポップなんだけど、それが無性に心地いい。
ポップでもロックでもない。まさにウィーザーというジャンルを確立させたデビューアルバムでした。
そして一方、グリーンアルバムのジャケット写真。4人がシンプルに立ってるだけの構図はデビューアルバムと同じ。でもなんだか自信に満ちてる…ように見える(笑)。デビューアルバムからの曲調の変化とリンクさせた写真になってるように感じますね。
ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズに憧れてギターを持ち始めたはずなのに、演奏もメロディも歌い方もガンズとは似ても似つかなかったウィーザー。
ゴリゴリのハードロックを歌ってるウィーザーを想像するだけでワクワクします😁