①全曲ライブ形式の一発録りアルバム
そう語るジョーの考えなのか、アルバム「パーム・トゥリー」収録曲はなんと全曲ライブレコーディング形式の1発録り。
全ての曲を全身全霊、魂を込めてワンチャンスで歌ってます。
中でも特に素晴らしいのが3曲目に収録されている「Breathing Space(ブリージング・スペース)」です。繊細なジョーのボーカルと心安らぐ荘厳なメロディ。
人生に疲れて生きる気力を失い「くつろげる場所」「息抜きできる場所」が欲しいと思っている方には猛烈に染みる曲だと思います。
↓Youtube【SUPERSTAR - Breathing Space】
②歌詞の和訳
To find a little place to unwindEverywhere I go there is someone elseI need some breathing spaceI read my heroes bore me to deathI close my eyes and I make it upI've found some breathing spaceAll the while keep moving onYou look at me as if there's something wrongYou'd knowAfter all I've said and doneI don't feel so lonelyI'm back and as I open my eyesIt comes as no great surprise to meThat you would like a sliceAll the while keep moving onYou look at me as if there's something wrongYou'd knowAfter all I've said and doneI don't feel so lonely
③バンド名で損をしてるような…
アコースティックで温かみのあるギターバンドを多く輩出したことで有名なスコットランドの都市グラスゴー。そのグラスゴーでは音楽シーンを代表するバンドとしても挙げられることのあるゴスペルチックなバンド、スーパースター(Superstar)。今このブログを見てる方はきっと誰も知らないんじゃないかな思います💧
まずスーパースターってバンド名が良くないですよ…。バンドの実績にふさわしくないとかそういうことじゃなくて。
色々なところで使われてしょっちゅう目にするワードだから、ネットで「Superstar」「スーパースター」なんて検索しても彼らにたどり着くのは難しいと思うんです。たぶん実際に検索したら1971年のヒット曲、カーペンターズの「Superstar」とかが出てきちゃうんじゃないですかね。
せっかく良いバンドなのに、出身地のグラスゴー以外ではほとんど知名度がなかったりするのはそういった理由もあったんだろうな…。
④フロントマンのジョー・マカリンデンは…
ボーカル&ピアノのジョー・マカリンデンはクラシック音楽にも明るく、ギターだけでなくベース、バイオリン、そしてストリングスのアレンジにも才能を発揮しており、グラスゴーで活動する多くのバンドからレコーディングミュージシャンとして声がかかるほどの才能の持ち主。
しかし、いよいよデビューアルバム制作!ということでグラスゴーからアメリカに活動の拠点を移した直後から雲行きが怪しくなっていきます。
レコード会社のトラブル、SUPERSTARと共に歩んできたスタッフの解雇などの影響により、デビューアルバムは満足なプロモーションもされないまま発売。
さらに、稼げないからという理由でなんとメンバーが全員脱退。トラブル続きでジョー・マカリンデンはアメリカでの4カ月を絶望の中で過ごし、その後グラスゴーに戻ることに…。
そんなズタボロな精神状態で制作されたデビューアルバムから約6年後の1998年にリリースされたアルバム「パーム・トゥリー」に収録された曲は、息をするのを忘れるほどゴスペルチックな美しい曲ばかり。
そういえばパーム・トゥリーの国内盤アルバムのライナーノーツにはこんなエピソードが載っていました。