①デビューシングルがいきなり…

デビューシングルの「I Bet You Look Good on the Dancefloor」が初登場でいきなり全英1位を獲得。

リリース初週すでに36万枚もの売り上げ枚数を記録したデビューアルバム「Whatever People Say I Am, That's What I'm Not」は当然の如く初登場1位に。

見事に2冠を達成し『オアシス以来の衝撃』と絶賛され、世界の音楽シーンに旋風を巻き起こしたイングランドはシェフィールド出身のアークティック・モンキーズ。

 

ガレージロックともポストパンクともとれるエネルギッシュなサウンドでダークな曲からポップな曲までその音楽性は幅広く、ストロークスに比較されるギターのカッティングは五感のすべてが痺れるくらいカッコいいし、若さのわりにシニカルで文学作品のようなアレックス・ターナーの歌詞も本当にスバラシイ…。

 

退廃的な世界観、スリリングで無骨さ全開のギター、若干20歳とは思えないほど渋い声で次から次へとまくしたてるアレックス・ターナーのボーカル、そういったアークティック・モンキーズの魅力がつめ込まれている「When the Sun Goes Down」はフェイバリットソングに挙げるファンも多い初期の名曲です!

 

【Arctic Monkeys - When The Sun Goes Down (Official Video)】

アコースティックな曲の入りから爆発的にテンポアップ。その勢いのままエンディングに向かうのかと思いきや、哀しげにトーンを落とすラストからの響き渡る乾いた余韻がたまりません。

デビューシングルの「I Bet You Look Good on the Dancefloor」に引き続き、当然のようにこの曲も全英1位を記録。

これらのシングル曲以外にもファンから推される曲が盛り沢山のデビューアルバム。史上最高の1stアルバムについて議論すると必ず候補に挙げられるのも納得です。

 

 

②歌詞と和訳

『俺』は彼女の境遇に同情はしているけれども手を差し伸べることはない。

治安の悪い貧困街で売春婦として生計を立てている女性に焦点を当てた、無情さ・非情さを感じる歌詞はまさにアレックス・ターナーの真骨頂ですね。

 

Songwriter - Alex Turner

I said, who's that girl there?
I wonder what went wrong
So that she had to roam the streets
She doesn't do major credit cards
I doubt she does receipts
It's all not quite legitimate
あの女の子は誰だ?
なぜ彼女は街を
さまよい歩かなければならなくなったんだ?
彼女はクレジットカードなんて使わないし
領収書をもらえるかどうかも怪しいだろう
全てが完全に違法なんだからな
And what a scummy man
Just give him half a chance
I bet he'll rob you if he can
Can see it in his eyes, yeah
That he's got a driving ban
Amongst some other offences
どれだけクソ野郎なんだ
少しでも隙を見せれば
奪い取られるに決まってる
奴の目を見ればわかるのさ
免停をくらってるし
他の犯罪もやらかしてやがる
And I've seen him with girls of the night
And he told Roxanne to put on her red light
They're all infected but he'll be alright
Cause he's a scumbag, don't you know
I said he's a scumbag, don't you know
奴が夜の女と一緒にいるのを見たことがある
ロクサーヌに声をかけて体を売らせてた
みんな性病に感染しても奴は気にしない
なぜなら奴はクソ野郎なんだからな わかるだろ?
クソ野郎だって言ったのさ そうだろ?
Although you're trying not to listen
Avert your eyes and staring at the ground
She makes a subtle proposition
I'm sorry love, I'll have to turn you down
俺の話を聞かないように
目を逸らせて地面を見つめるけど
彼女はそれとなく誘ってくる
ごめんな、悪いけど断らせてもらうよ
And oh, he must be up to something
What are the chances? Sure it's more than likely
I've got a feeling in my stomach
You start to wonder what his story might be
What his story might be, yeah
奴は何か企んでるに違いない
可能性? かなり高いだろうな
なんだかワクワクするぜ
奴の行く末が気になり始めただろ
一体どんな人生になるんだろうな
They said it changes when the sun goes down
Yeah, they said it changes when the sun goes down
And they said it changes when the sun goes down
Around here
Around here
日が沈むと何かが変わってしまう
日が沈むと何かが変わってしまう
日が沈むと何かが変わってしまうらしい
この辺りでは
この辺りでは
Look, here comes a Ford Mondeo
Isn't he Mr. Inconspicuous
And he don't even have to say owt
She's in the stance ready to get picked up
見ろよ、フォード・モンデオを走らせて来たぜ
マジで目立たない野郎だ
奴は何も言わなくていいのさ
すでに彼女は拾われる気でいるんだからな
Bet she's delighted when she sees him
Pulling in and giving her the eye
Because she must be fucking freezing
Scantily clad beneath the clear night sky
It doesn't stop in the winter, no
彼女は奴に会って喜んでるのさ
奴が引き寄せて視線を向けることを
なぜなら彼女は死ぬほど凍えてたから
凍てつくほど澄んだ夜空の下に露出した服装で
冬でもやめようとしないんだ
They said it changes when the sun goes down
Yeah, they said it changes when the sun goes down
And they said it changes when the sun goes down
Around here
日が沈むと何かが変わってしまう
日が沈むと何かが変わってしまう
日が沈むと何かが変わってしまうらしい
この辺りでは
この辺りでは
Well they said it changes when the sun goes down
Over the river, going out of town
They said it changes when the sun goes down
Around here
Around here
日が沈むと何かが変わってしまう
河を越えて街を出るのさ
日が沈むと何かが変わってしまう
この辺りでは
この辺りでは
And what a scummy man
Just give him half a chance
I bet he'll rob you if he can
Can see it in his eyes, yeah
That he's got a nasty plan
I hope you're not involved at all
どれだけクソ野郎なんだ
少しでも隙を見せれば
奪い取られるに決まってる
奴の目を見ればわかるのさ
卑劣な計画に
キミが巻き込まれないことを願ってるよ

 

 

③真冬の乾いた空気を感じさせる…

真冬の乾いた空気を感じさせるようにクリアで、それでいてどこかドス黒い緊張感も感じずにはいられないギターの旋律とアレックスの渋いボーカルで幕を開ける「When the Sun Goes Down」。

混沌とした静寂の中でストーリーが進んでいくのかと思いきや、一気にヘビーでダークで衝動的なサウンドが正体を見せ始める。

焦燥感を煽るかのようにかき鳴らされるエモーショナルなギターに耳を奪われ、目を見開き、一瞬で世界観にどっぷりハマったあの頃の私。

 

 

当時、アレックス・ターナーはなんと弱冠20歳。こんなに若いにもかかわらず、声がエキセントリックなほど渋い。

スモーキーというかハスキーというかそんな声質。だけど聴いていてとても心地良いのはなぜなんだろう?

1stアルバムが売れなかったら大学で文学を学ぶつもりだったらしいけど、この声の持ち主はボーカリスト以外の仕事を選んだらダメですよ、ホントに。

 

 

④あるお店の有線でたまたま…

あるお店の有線でたまたま流れた洋楽がメチャメチャ良い曲だったので、なんとかヒアリングできた歌詞から曲名を検索することに。

でも聞き取れた歌詞でハッキリと思い出せるのはサビの「when you go ~ ♪」の部分だけ。

 

『情報が少なすぎるからまぁ無理だろうな…』

 

ハーフタイムまでに5点差をつけられたサッカーチームくらいの諦めムードでイチかバチかGoogle先生に聞いてみたところ、アークティック・モンキーズの「When the Sun Goes Down」なる曲が検索結果にヒットしたではありませんか!

『ヨッシャー!!』と心の中でシャウトしつつYouTubeのサムネイルをタップ!

そしたら探してた曲とは全く違っていたという…oh。

もう歌い始めの1秒でわかりましたね。

『この曲じゃないわ』って(笑)

 

 

それからしばらくしてこの時探していた曲はマイ・ケミカル・ロマンスの「I Don't Love You」だったことは無事に判明したわけなんだけど、結果としてたまたま立ち寄ったお店の有線のおかげでアークティック・モンキーズ、マイ・ケミカル・ロマンスと2つも素晴らしいバンドを発見できたわけだからラッキーでしたね。

 

それにしても、When the Sun Goes Downにはどこを見ても「when you go ~ ♪」と一致する歌詞は無いのに、あの時なぜ検索結果の1ページ目にアークティック・モンキーズの曲が表示されたのか謎だなあ…。