①ドイツのバンド『フールズ・ガーデン』

ドイツのバンド Fool's Garden(フールズ・ガーデン)。90年代の洋楽、特にポップスが好きだった人なら一度くらいは名前を聞いたことがあるはず。

逆に言えばそういったジャンルにリアルタイムでハマっていた人じゃなければ『誰それ?』なバンドかもしれませんけど…。

当時の私はドイツ音楽といえばジャーマンメタルかクラシックしか頭になかったので、こんなビートルズ的なポップソングを歌っているバンドがドイツ出身だったことが一番の驚きでした。

 

 

1995年リリースの3rdアルバムに収録されて全世界で600万枚以上を売り上げたシングル「レモン・トゥリー」は、そのビートルズの匂いがプンプンするポップバラードです。

軽やかなリズムと、哀しげなんだけどどこか懐かしさを感じるような不思議なメロディ。

これがまた孤独になった男の喪失感をテーマにした「レモン・トゥリー」の歌詞にピッタリで、その世界観に悶絶するポップマニアが続出したそうな。

【Fools Garden - Lemon Tree (Official HD Video)】

 

 

②歌詞の和訳

Songwriter(s) - Peter Freudenthaler, Volker Hinkel

I'm sitting here in a boring room
It's just another rainy Sunday afternoon
I'm wasting my time I got nothing to do
I'm hanging around I'm waiting for you
But nothing ever happens
And I wonder
I'm driving around in my car
I'm driving too fast, I'm driving too far
I'd like to change my point of view
I feel so lonely, I'm waiting for you
But nothing ever happens
And I wonder
I wonder how, I wonder why
Yesterday you told me 'bout the blue, blue sky
And all that I can see
Is just a yellow lemon tree
I'm turning my head up and down
I'm turning turning turning turning
Turning around
And all that I can see
Is just another lemon tree
I'm sitting here, I miss the power
I'd like to go out, taking a shower
But there's a heavy cloud inside my head
I feel so tired, put myself into bed
well, nothing ever happens - and I wonder
Isolation is not good for me
Isolation, I don't want to sit on a lemon tree
I'm stepping' around in a desert of joy
Maybe anyhow I'll get another toy
And everything will happen
And you'll wonder
I wonder how, I wonder why
Yesterday you told me 'bout the blue, blue sky
And all that I can see
Is just another lemon tree
I'm turning my head up and down
I'm turning turning turning turning
Turning around
And all that I can see
Is just a yellow lemon tree
And I wonder, wonder
I wonder how I wonder why
yesterday you told me 'bout the blue, blue sky
And all that I can see
And all that I can see
And all that I can see
Is just a yellow lemon tree
退屈な部屋の中でただ座ってる
ありふれた雨の日曜の午後
時間を無駄にしてるけど何もすることがない
うろうろしてキミを待つ
だけど何も起こりはしない
不思議だよ
車に乗って走り回る
飛ばし過ぎてかなり遠くまで来た
視点を変えてみたいんだ
とても寂しいよ 僕はキミを待ってるのさ
だけど何も起こりはしない
不思議だよ
どうしてこうなったんだろう なぜなんだろう
昨日キミは青い青い空の話をしてくれたよね
でも今の僕に見えるのは黄色いレモンの木だけ
頭をぐるぐる回したり上下を見たり
ぐるぐるぐるぐる周りを見渡すけど
僕には黄色いレモンの木しか見えないんだ
ここに座ってる 力が出ないんだ
外に出かけたくてシャワーを浴びるけど
頭の中には分厚い雲がかかってる
ひどく疲れを感じてベッドに入った
何も起こらない
不思議だよ
独りは僕には合わないよ
孤独さ レモンの木の上に座っていたくはないんだ
喜びのない砂漠を歩き回る
どうにかして僕は別の楽しみを手にするのさ
そして色んなことが起こり始める
キミは不思議に思うだろうね
どうしてこうなったんだろう なぜなんだろう
昨日キミは青い青い空の話をしてくれたよね
でも今の僕に見えるのは黄色いレモンの木だけ
頭をぐるぐる回したり上下を見たり
ぐるぐるぐるぐる周りを見渡すけど
僕には黄色いレモンの木しか見えないんだ
不思議だよ
どうしてこうなったんだろう なぜなんだろう
昨日キミは青い青い空の話をしてくれたよね
だけどいま僕の目に映っているのは
僕の目に映るのは
僕の目に映るのは
黄色いレモンの木だけなんだ

 

 

③レモン・トゥリーを知ったのは…

「レモン・トゥリー」とフールズ・ガーデンを知った”いきさつ”は高校生の時に見ていた深夜の音楽番組、ビルボードTOP40。

毎週この番組のエンディングでは、DJの女性がおすすめする曲のMVを1曲だけ流して番組を締めていました。

私はほぼ欠かさずビルボードTOP40を見ていたけど、毎週見ていてもそれほど大きくチャートの顔ぶれが変わるわけじゃありません。

むしろ前の週の内容とあんまり変わらずで、チャート自体には新しい発見が無い時がほとんどだったかも。

だからアメリカビルボードのチャートに食い込んでこなくても、そのエンディングのおすすめMVだったり、イエスターヒッツ(過去のヒット曲のMVを流すコーナー)だったりとかで好きになった曲やアーティストも多かったような気がします。

 

 

そうしていつだったか番組の最後に流れたのが、フールズ・ガーデンの「レモン・トゥリー」。

『ズンチャッ、ズンチャッ』のリズムとエキゾチックなメロディに一瞬で耳と心を持っていかれてしまい、CDショップで即購入。

寂しげな異国の街並みをトボトボ歩いているようなスティングの名曲「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」に近い雰囲気があるかもなんて感じたりもしたけど、まあ個人の感想なんで異論もあると思います(笑)

 

 

④3rdアルバムが発売された時は…

3rdアルバム「ディッシュ・オブ・ザ・デイ」が発売された時は、ビートルズ直系のバンドとも言われていたフールズ・ガーデン。

ビートルズに影響を受けたことを公言しているバンドの中でも、オアシス系よりジェリーフィッシュ系が好きな方は間違いなく「レモン・トゥリー」も気に入るハズ。

特にジェリーフィッシュの1stアルバム収録曲には曲調が近いので、もしそこにこの曲が収録されていたとしてもあまり違和感はないかも。

 

 

そんなフールズ・ガーデンですが、ポップアルバムとしての合格ラインを間違いなくクリアしているアルバムを3枚目、4枚目と立て続けにリリースしておきながら「レモン・トゥリー」しかヒットしなかった一発屋的な扱いなのがホントに惜しい。

独特な雰囲気の「レモン・トゥリー」が世界中であまりにも売れすぎてしまったことも影響してるのかな?

 

そういえば「キラメキ☆MMMBOP」が世界27か国で1位になる大ヒットを記録したハンソンも、この超絶ポップなデビューシングルのイメージが強すぎてその後かなり苦労したみたいだったしなあ。

 

 

ところでMVで歌ってるボーカルのペーター・フロイデンターラーを見ていると、どうしても『志村けん』さんを思い出してしまうのは私だけでしょうか?

でも一番似ているのはビージーズ全盛期の時のロビン・ギブだと思いますけど…。

【Bee Gees - Stayin' Alive (Official Music Video)】