①デビューアルバムはUK年間ランキング2位

叙情的な雰囲気が似ているから…?それともデビュー前に、ピアノのティムがコールドプレイのクリス・マーティンに勧誘されたことがあるから…?

とにかくやたらとコールドプレイと比較されることが多かったKeane(キーン)は、ギターレスのピアノオリエンテッドなバンドとしてデビュー。

UKではデビューアルバムから4作連続で1位を獲得するほど高いクオリティを維持し続けているバンドです。

2004年に発売されたデビューアルバムHopes and Fears世界中で600万枚以上を売り上げるほどヒットし、

  • 2004年にUKで2番目に売れたアルバム(1位はScissors Sistersのデビューアルバム)
  • UKで21世紀に売れたアルバムランキング第9位(2011年7月時点)

などの記録を残しています。

Hopes & Fears(ホープス・アンド・フィアーズ)/Keane(キーン)
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②ベースを加え再リリースされたEverybody's Changing

Hopes and Fearsから2ndシングルとしてリリースされたEverybody's Changingは、もともとはインディーズ時代にフィアース・パンダ・レコードから2003年にリリースされた曲。

フィアース・パンダ・レコード(Fierce Panda Records)はロンドンを拠点にするインディーズレーベルで、コールドプレイ、スーパーグラス、ザ・ブルートーンズなどといった名だたるバンドを輩出したレーベルです。

このフィアース・パンダから発売されたバージョンは、インディーズでデビュー前だったこともありUKシングルチャートでは122位止まりでした。

しかしあまりにも美しいこの曲はすぐに音楽関係者の間で話題になり、メジャーレーベルによるバンド争奪戦が過熱。

その結果、アイランド・レコードと契約したKeaneが、2004年にベースを加えて再リリースしたEverybody's ChangingはUKで最高位4位を記録するヒットになりました。

 

③優しく美しいメロディと内省的な歌詞

心臓が止まるほど美しい」と称賛されたKeaneですが、Everybody's Changingはミドルテンポの優美なメロディだけでなく、高潔とも感じられるポップセンスを兼ね備えた曲。

ノリのいい曲とは違うんだけど、ゆらゆらと体をゆっくり揺らしながらリズムをとりたくなるような、どこか心を軽くしてくれる雰囲気も感じられます。

時折聴こえるピアノのリフは派手じゃないけど耳に残りやすく印象的。

ピアノとの絶妙な距離感を保ったシンセサイザーの音色もいい味を出してます。

ギターレスであることの物足りなさはまったく感じないし、むしろこの曲の良さを100%引き出すためにはギターは邪魔と言っていいのかもしれません。

内省的な歌詞をファルセット気味に歌っているボーカルのメロディラインもかなり好きなポイント。

トム・チャップリンの絹のように肌触りのいいボーカルはとても流麗で、乾いた心を一瞬で潤してくれる。

Aメロで時折聴こえてくる、ややエッジボイス気味(違ってたらすみません)の響きもトム・チャップリンの個性が感じられるし、聴いていてとても心地いいんです。

 

↓エッジボイスっぽく聴こえる部分
1番
But when I think about it
I don't see how you can
You're aching, you're breaking
And I can see the pain in your eyes
2番 Fading into beautiful light
↓歌詞の意訳
[1番]
君は自分の世界をさまよってるなんて言う
僕が考えてみても

君はそんな風には見えないよ

君は痛みを抱え、傷ついている
君の眼を見れば君の痛みはわかるよ
みんな変わっていくなんて君は言うけど

なぜなのか僕にはわからないよ

[サビ]
だからちょっとの時間だけ
僕も自分自身を理解しようとしてみたんだ
ゲームに留まっていられるように頑張ったりもした
自分の名前を憶えていられるように眠らないようにもした
だけどすべては変わっていく

僕は同じ気持ちにはなれないけれど

[2番]
君はここから去っていった
すぐに君の姿は美しい光の中に消え去ってしまうだろう
なぜならすべては変わっていく

僕にはそれが良いことだとは思えないんだ